
「失業保険をもらいたいけど、正直すぐに働く気はない...」「求職活動のふりでも失業保険って受け取れるの?」そんな疑問を抱えている方は少なくありません。
実は、失業保険の受給において重要なのは「就職する意思があること」と「求職活動の実績があること」です。
ただし、虚偽申告や不正受給は絶対に避けなければなりません。
この記事では、失業保険制度の仕組みを正しく理解し、求職活動実績の作り方をお伝えします。
不安を抱えている方も、この記事を読めばきっと安心して手続きを進められるはずです。
※不正受給は法的処罰の対象となります。必ず実際の求職活動を行ってください
失業保険の求職活動「ふり」は本当に可能なの?
求職活動実績さえあれば失業保険は受給できる仕組み
失業保険の受給条件は、厚生労働省の雇用保険法で明確に定められています。
重要なのは「就職しようとする積極的な意思があり、いつでも就職できる能力があるにもかかわらず、本人やハローワークの努力によっても職業に就くことができない状態」であることです。
つまり、活動を行っている実績があれば受給条件を満たすことになります。
ハローワークが確認するのは「求職活動を行ったかどうか」であり、「本気で就職したいと思っているかどうか」という内心までは判断されません。
原則として月2回以上の求職活動実績があれば、失業認定を受けることができます。
※不正受給は法的処罰の対象となります。必ず実際の求職活動を行ってください
「ふり」と「虚偽申告」の決定的な違いとは
「求職活動のふり」と「虚偽申告」には明確な境界線があります。
求職活動のふりは、実際に求職活動を行うが就職する気持ちがそれほど強くない状態を指します。
一方、虚偽申告は実際には行っていない求職活動を「行った」と嘘をつくことです。
例えば、転職エージェントとの面談を受けたが内心では転職する気がない場合、これは「ふり」に該当します。
しかし、面談を受けていないのに「受けた」と申告すれば、これは明らかな虚偽申告となり不正受給にあたります。
大切なのは、求職活動の実態があることです。
※不正受給は法的処罰の対象となります。必ず実際の求職活動を行ってください
実際に就職する意思がなくても問題ないって本当?
雇用保険法では「求職の申込みをし、かつ、求職活動を行うこと」が受給要件として定められていますが、内心の就職意欲の強弱については具体的な判断基準が示されていません。
これは、個人の内心を客観的に測定することが困難だからです。
実際のハローワークでの失業認定においても、提出された求職活動実績書に記載された活動内容の事実確認は行われますが、「どの程度本気で就職したいと思っているか」という主観的な部分まで詳しく調査されることはありません。
重要なのは求職活動の実績があることです。
転職サイトへの応募、職業相談、セミナー参加など、認められている活動を実際に行っていれば、その活動に対する本気度は問題になりません。
ただし、虚偽の申告は絶対に行わず、実際の求職活動を行った上で正確に報告することが重要です。
失業保険で認められる求職活動と認められない活動の境界線
ハローワークが正式に認める求職活動実績一覧
厚生労働省が定める求職活動実績として認められる活動は明確に規定されています。
最も確実なのはハローワークでの職業相談・職業紹介です。
窓口での相談はもちろん、ハローワークインターネットサービスを通じた求人への応募も実績として認められます。
民間の転職サイトからの求人応募も重要な実績となります。
リクナビNEXT、マイナビ転職、doda等への応募であれば、応募画面のスクリーンショットを保存しておくことで証拠となります。
転職エージェントとの面談やキャリアカウンセリングも1回の実績として計算されます。
職業訓練や資格試験の受験も求職活動実績として認められます。
IT系資格、簿記、宅建など業務に関連する資格であれば受験申込みをした時点で実績となります。
また、企業が主催する会社説明会やオンラインセミナーへの参加も実績として有効です。
「これはNG」認められない活動パターンと理由
一方で、求職活動実績として認められない活動もあります。
求人サイトの単純な閲覧や会員登録のみでは実績になりません。
実際に求人に応募するか、企業との接触がなければ活動とは認められないのです。
知人や友人への相談も公的な求職活動とは見なされません。
また、単なる企業への問い合わせや資料請求だけでは不十分で、実際に選考プロセスに進む意思表示が必要です。
同じ内容のセミナーに複数回参加する場合は、初回のみが実績として認められます。
例えば、転職サイトの「履歴書の書き方セミナー」に3回参加しても、実績は1回分としかカウントされません。
効率的な実績作りのためには、異なる内容のセミナーを選ぶことが重要です。
グレーゾーンの活動と判断基準
一部グレーゾーンとなる活動もあります。
派遣会社への登録は、単なる登録だけでは実績になりませんが、担当者との面談やスキルチェックを受けた場合は実績として認められる可能性があります。
企業への直接訪問や電話での問い合わせも、具体的な求人への応募や選考への参加意思を示せば実績となります。
ただし、記録として残る形で活動を行うことが重要です。
判断に迷った場合は、活動の証拠が残るかどうかを基準に考えてください。
参加証明書、応募完了メール、面談記録など、後から確認できる証拠があれば実績として認められやすくなります。
不安な場合は事前にハローワークに確認することをおすすめします。
求職活動実績の作り方|手軽で確実な方法を厳選
ハローワークに行かずにオンラインで完結する実績作成法
忙しい方や遠方にお住まいの方でも、オンラインで簡単に求職活動実績を作ることができます。
転職エージェントのオンライン面談は効果的な方法の一つです。
リクルートエージェント、doda、マイナビエージェント等では無料で初回カウンセリングを受けられ、これが1回分の実績となります。
オンラインセミナーへの参加も非常に有効です。
転職サイトや人材紹介会社が平日夜や土日に開催するWebセミナーなら、仕事をしながらでも参加できます。
参加証明書やメール通知を必ず保存しておきましょう。
求人サイトからの応募なら自宅で24時間いつでも可能です。
応募完了画面のスクリーンショットを撮影し、応募日時と企業名を記録しておけば完璧な証拠となります。
月2回の実績なら、月前半と月後半に1回ずつ応募すれば条件を満たせます。
職業相談のみで月2回の実績を満たす具体的手順
ハローワークでの職業相談は確実に実績として認められる方法です。
相談内容は簡単なもので構いません。
「どのような求人が多いですか?」「履歴書の書き方を教えてください」「面接のコツはありますか?」といった基本的な質問でも立派な職業相談になります。
効果的な職業相談の流れは次の通りです。
まず受付で「職業相談をお願いします」と伝え、相談票に記入します。
相談では具体的な質問を2〜3個準備しておき、職員の回答をメモします。
相談終了後は相談日時と相談内容を記録し、次回の失業認定日に提出します。
月2回の実績を職業相談のみで満たす場合は、月前半と月後半に各1回ずつ訪問しましょう。
相談時間は10〜15分程度で十分です。
同じ職員に連続で相談することもありますが、異なる内容であれば問題ありません。
転職エージェントとオンラインセミナーを活用した効率的な方法
転職エージェントとオンラインセミナーの組み合わせは、効果的な実績作成方法です。
まず転職エージェントに登録し、初回の電話面談またはオンライン面談を受けます。
これで1回目の実績が完成します。
2回目の実績にはオンラインセミナーを活用しましょう。
転職サイトや人材紹介会社では「転職市場の動向」「履歴書・職務経歴書の書き方」「面接対策」などのテーマでセミナーを定期開催しています。
参加時間は60〜90分程度で、参加後には修了証明書がメールで送られてきます。
この方法なら月1回のエージェント面談+月1回のオンラインセミナーで安定的に実績を作れます。
エージェント面談では転職の相談をしつつ、セミナーでスキルアップも図れるため一石二鳥です。
どちらも平日夜や土日に対応しているため、在職中でも無理なく参加できます。
求職活動の嘘はバレるリスクと不正受給の重大な罰則
バレた場合の恐ろしいペナルティ|全額返還だけじゃない
虚偽申告による不正受給が発覚した場合のペナルティは想像以上に厳しいものです。
受給した失業保険の全額返還に加え、不正に受給した額の最大2倍に相当する額の納付命令が課せられる場合があります(合計で最大3倍の負担となる可能性があります)。
延滞金も発生します。
年3%の割合で算定された延滞金が課せられるため、時間が経つほど負担が増加します。
◼︎その他の制裁措置
失業保険の支給停止が行われ、不正が発覚した時点で失業保険を受け取る権利が失われます。
雇用関係助成金の5年間の受給停止など、将来的に他の給付金申請にも影響する可能性があります。
◼︎刑事告発の可能性
最も重大なのは刑事告発の可能性です。
特に悪質な不正受給は詐欺罪として立件される場合があります。
◼︎公表について
事業主名等の公表が行われる場合があります。
支給決定取消等を行った額が100万円未満を除き、不正受給事案については例外なく事業主名等が公表されます。
参考:厚生労働省大阪労働局「不正受給について(事例等)」
どんなときに虚偽申告がバレるのか?実例から学ぶ注意点
不正受給が発覚する主なパターンを知っておきましょう。
最も多いのは第三者からの通報です。
元同僚、近所の人、家族などからハローワークに「実際は働いている」「求職活動をしていない」といった情報提供があるケースが後を絶ちません。
書類の矛盾や不審な点から発覚することもあります。
例えば、同じ日に複数の場所でセミナーに参加したことになっている、存在しない企業に応募したと申告している、などです。
ハローワークの職員は多くの申請書を見ているため、不自然な記載には敏感に気づきます。
雇用保険適用事業所調査により発覚するケースも増えています。
企業への立ち入り調査で雇用実態が明らかになり、失業保険受給中に実際は働いていたことが判明するパターンです。
近年はマイナンバー制度により、こうした調査の精度が格段に向上しています。
知恵袋で話題の「バレた体験談」から分かるリスク
インターネット上では不正受給がバレた体験談が数多く投稿されています。
特に多いのが「短期アルバイトの申告漏れ」です。
数日間のアルバイトを申告せずにいたところ、税務署からの情報提供でバレたという事例が複数報告されています。
「架空の求人応募」もリスクの高い行為です。
実在しない企業や既に募集が終了した求人への応募を偽装したケースで、企業への確認調査により発覚したという報告があります。
どんなに小さな嘘でも、調査されればすぐに明らかになってしまいます。
最も深刻なのは「組織的な不正受給の指南」に関わってしまったケースです。
SNSや掲示板で「簡単に失業保険をもらう方法」として不正な手法を教え合うグループが摘発され、関係者全員が処罰対象となった事例も報告されています。
軽い気持ちで参加すると取り返しのつかない事態になりかねません。
証拠保全と記録管理|安心して受給するための準備
求職活動の証拠として保管すべき書類と記録方法
適切な証拠保全は安心な失業保険受給のための必須条件です。
応募関係では応募完了画面のスクリーンショットを必ず保存してください。
企業名、応募日時、求人内容が分かる画面を撮影し、ファイル名に日付を含めて管理しましょう。
セミナー参加の場合は参加証明書や修了証明書を大切に保管してください。
オンラインセミナーでは参加後にメールで証明書が送られてくることが多いため、専用のフォルダを作成して整理しておくことをおすすめします。
職業相談では相談日時、相談場所、相談内容を詳細に記録してください。
担当職員の名前や部署も記録しておくと、後から確認が必要になった際に役立ちます。
手書きのメモでも構いませんが、日付と内容は必ず記載しましょう。
認定日での質問対策と答え方のコツ
失業認定日にハローワークの職員から求職活動について質問される場合があります。
最も重要なのは正直に答えることです。
実際に行った活動について、日付、場所、内容を明確に答えられるよう準備しておきましょう。
よくある質問とその答え方をご紹介します。
「どのような企業に応募しましたか?」→「○月○日に△△会社の営業職求人に応募しました」
「セミナーの内容はどうでしたか?」→「転職市場の動向について学び、特に○○業界の情報が参考になりました」といった具体的な回答を心がけてください。
曖昧な回答や矛盾した発言は疑念を抱かれる原因となります。
「よく覚えていません」「たくさん応募したので...」といった答え方は避け、記録に基づいて正確に答えましょう。
不安な場合は事前に活動内容を整理しておくことをおすすめします。
月2回の実績作成スケジュール例と管理方法
効率的な実績作成のためのスケジュール例をご紹介します。
月前半(1〜15日)には転職エージェントとの面談や職業相談を行い、月後半(16〜31日)にはオンラインセミナー参加や求人応募を行うパターンが管理しやすいでしょう。
◼︎具体的なスケジュール例
1ヶ月目 | 5日:ハローワーク職業相談 20日:リクナビNEXTから応募 |
2ヶ月目 | 8日:転職エージェント面談 25日:オンラインセミナー参加 |
3ヶ月目 | 10日:求人サイト応募 22日:職業訓練相談 |
このように活動の種類を変えることで飽きずに続けられます。
Excelやスマートフォンのメモアプリを使って活動記録を管理することをおすすめします。
日付、活動内容、場所(オンライン/オフライン)、証拠書類の保存場所を一覧にしておけば、認定日の準備もスムーズに進められます。
よくある質問|失業保険の求職活動実績について

ハローワークの認定日は求職活動になるって本当?
「認定日にハローワークに行くだけで求職活動実績になる」という話を耳にすることがありますが、これは基本的には間違いです。
認定日の手続きは失業状況の確認であり、求職活動実績としては通常カウントされません。
ただし、認定日に職業相談を受けた場合は別です。
認定手続きの後に職業相談窓口で相談を行えば、これは立派な求職活動実績となります。
「せっかくハローワークに来たので相談もお願いします」と伝えれば、効率的に実績を作ることができます。
認定日だけに頼らず、月2回の実績は計画的に作成しましょう。
認定日での職業相談を1回の実績として考え、もう1回は別の方法で作成するのが確実です。
求職活動はセミナーばかりでも大丈夫なの?
セミナー参加のみで実績を作ることは可能ですが、いくつか注意点があります。
まず、同一内容のセミナーは初回のみ実績として認められます。
「履歴書の書き方セミナー」に3回参加しても、実績は1回分だけです。
効果的にセミナーを活用するなら、異なるテーマのセミナーを選びましょう。
例えば「転職市場動向セミナー」「面接対策セミナー」「業界研究セミナー」「キャリアプランニングセミナー」など、多様なテーマから選択すれば継続的に実績を作れます。
オンラインセミナーなら参加しやすく、平日夜や土日開催のものも豊富にあります。
転職サイト各社が定期的に開催しているため、スケジュールに合わせて参加できます。
ただし、参加証明書の保存は忘れずに行ってください。
応募のみで内定辞退を繰り返しても問題ない?
求人への応募は確実に求職活動実績として認められますが、内定辞退を繰り返す場合は慎重になる必要があります。
数回程度の辞退なら問題ありませんが、明らかに不自然な頻度で辞退を続けると、ハローワークから確認を求められる可能性があります。
現実的な応募と辞退の理由を準備しておきましょう。
「勤務時間が合わなかった」「転勤の可能性があった」「想像していた業務内容と違った」など、合理的な理由があれば問題ありません。
より安全な方法として、応募と他の活動を組み合わせることをおすすめします。
月2回の実績のうち1回は応募、もう1回はセミナー参加や職業相談にすれば、バランスの取れた求職活動として評価されます。
職業相談で何を相談すればいいか分からない場合は?
職業相談の内容に困った場合でも、基本的な質問で十分に相談として成立します。
「どのような求人が多いですか?」「未経験でも応募できる仕事はありますか?」「履歴書の書き方を教えてください」といった質問は、誰でも気軽に相談できる内容です。
具体的な相談例をいくつかご紹介します。
「転職活動が長期化しているが、どう進めたらよいか」「面接でよく聞かれる質問と答え方」「職務経歴書の効果的な書き方」「資格取得について相談したい」など、転職に関することなら何でも相談対象となります。
相談時間は10〜15分程度で十分です。
職員の方も丁寧に対応してくださるため、「こんなことを聞いても大丈夫かな?」と心配する必要はありません。
分からないことを素直に相談する姿勢が、最も自然で効果的な職業相談になります。
求職活動したくないけど失業保険は欲しい時の対処法
「本音では求職活動をしたくないが、失業保険は受給したい」という気持ちは自然なものです。
この場合、最小限の負担で実績を作れる方法を選択しましょう。
オンラインで完結する活動なら、時間と労力を大幅に削減できます。
最も手軽な方法は転職サイトからの応募とオンラインセミナー参加の組み合わせです。
応募は5分程度で完了し、オンラインセミナーは聞き流すだけでも参加証明書がもらえます。
どちらも自宅で完結するため、外出の必要もありません。
ただし、虚偽申告だけは絶対に避けてください。
実際に活動を行わずに「行った」と嘘をつくのは不正受給となり、深刻なペナルティを受ける危険があります。
面倒でも実際に活動を行うことで、安心して受給を続けられます。
退職から失業保険受給までの不安を解消|退職リトリートのサポート

退職手続きから給付金申請まで雇用保険や退職制度に詳しい社労士がサポート
失業保険の受給手続きや求職活動実績の管理に不安を感じている方には、退職リトリートの専門サポートをご利用ください。
雇用保険や退職制度に詳しい社労士や、経験豊富なスタッフが、あなたの状況に合わせて最適なプランをご提案いたします。
退職リトリートでは、退職時の手続きから失業保険の申請、受給期間中の求職活動実績作りまで、一連の流れを包括的にサポートしています。
「どのような退職理由が最も有利か」「受給期間を最大限に活用する方法」「安全で効率的な実績作成方法」など、個別の状況に応じたアドバイスを提供いたします。
多くの方が抱える「手続きが複雑で分からない」「一人で進めるのが不安」といった悩みも、専門家のサポートがあれば安心して解決できます。
まずはお気軽にご相談ください。
あなたの状況に合わせた最適な受給プランをご提案
退職理由、年齢、職歴、家族構成などによって、最適な給付金受給戦略は大きく異なります。
退職リトリートでは、あなたの具体的な状況を詳しくお伺いした上で、最も有利な受給プランを設計いたします。
例えば、自己都合退職の場合でも特定の条件を満たせば給付制限期間を短縮できる可能性があります。
また、失業保険以外の給付金制度(職業訓練受講給付金、教育訓練給付金など)と組み合わせることで、より手厚いサポートを受けられる場合もあります。
「自分の場合はどのくらい受給できるのか」「どのような手順で進めれば最も効率的か」「注意すべきポイントは何か」といった疑問に、専門家が分かりやすくお答えします。
一人で悩まずに、まずは相談だけでも始めてみませんか。