退職を考えているけれど、「1ヶ月前に伝えて大丈夫だろうか」「非常識だと思われないだろうか」と不安を感じている方は少なくありません。結論からお伝えすると、退職を1ヶ月前に伝えることは法律上問題なく、むしろ円満退職のために推奨されるタイミングです。
この記事では、法的な根拠から具体的な退職手順、トラブルへの対処法まで、退職を1ヶ月前に伝える際に知っておくべき情報を分かりやすく解説します。
※本記事内の各種受給例はあくまでも一例であり、実際は個人の状況により異なる可能性がございます。正確な金額はハローワークでご確認ください。
退職を1ヶ月前に伝えるのは非常識?法律上の正当性
退職を1ヶ月前に伝えることは、法律上も実務上も全く非常識ではありません。なぜなら、民法では退職の2週間前までに申し出ることが原則とされており、1ヶ月前に伝えることはこれを上回る十分な期間だからです。
また、多くの企業が就業規則で1ヶ月前の退職予告を定めていることからも、1ヶ月前という期間は社会的にも一般的なタイミングとして認識されています。
民法では2週間前の申し出で退職可能
民法第627条第1項では、期間の定めのない雇用契約の場合、退職の意思表示をしてから2週間が経過すれば雇用契約が終了すると定められています。つまり、法律上は退職希望日の2週間前までに申し出れば、会社の承諾や許可がなくても退職することが可能です。
この規定は、労働者が不当に長期間拘束されることを防ぎ、「退職の自由」を保障するための重要な法的根拠となっています。そのため、2週間前の申し出は法律で認められた労働者の権利であり、1ヶ月前に伝えることはこの期間を十分に満たしていることになります。
就業規則の1ヶ月前ルールとの関係性
多くの企業では、就業規則で「退職を希望する場合は1ヶ月前までに申し出ること」といった規定を設けています。民法では2週間前で退職可能であるにもかかわらず、なぜ就業規則では1ヶ月前と定められているのでしょうか。これは、業務の引き継ぎや後任者の確保など、会社側が円滑に業務を継続するために必要な期間を考慮したものです。
一般的に、就業規則で定められた1ヶ月前という期間は、社会通念上合理的な範囲として認められる傾向にあります。ただし、就業規則で3ヶ月前や6ヶ月前といった過度に長い期間を定めている場合、民法の規定が優先され、労働者は2週間前の申し出で退職できる権利を保持しています。
過去の裁判例から分かる1ヶ月前ルールの扱い
過去の裁判例を見ると、就業規則で定められた退職予告期間が民法第627条の2週間を超える場合の有効性について、いくつかの判断が示されています。下級審の裁判例では、2週間の退職予告期間は強行規定であると明らかにした例があります(東京地裁昭和51年10月29日判決参照)。
一般的に、就業規則で1ヶ月程度の予告期間を定めることは、業務の引き継ぎや後任者の確保という観点から社会通念上合理的な範囲として認められる傾向にあります。一方で、退職に会社の許可を必須とすることや、3ヶ月前や6ヶ月前といった過度に長い予告期間を強制することは、労働者の退職の自由を不当に制限するものとして無効と判断される傾向にあります(東京地裁平成13年6月5日判決、大阪高裁平成14年7月19日判決など参照)。
このように、1ヶ月前という期間は法的にも実務的にも妥当な範囲として扱われているケースが多いのです。
退職の意思を伝えるタイミングと就業規則の確認方法
退職をスムーズに進めるためには、まず自分の会社の就業規則を確認し、適切なタイミングで退職の意思を伝えることが重要です。なぜなら、就業規則には退職に関する具体的な手続きや期間が定められており、これを把握しておくことで、トラブルを未然に防ぎ、円満な退職につながるからです。
ここでは、就業規則の確認方法と、退職希望日から逆算した申し出のタイミングについて解説します。
自分の会社の就業規則を確認する方法
就業規則は、常時10人以上の労働者を使用する事業場では作成と労働基準監督署への届出が義務付けられています。多くの会社では、就業規則を社内のイントラネットや共有フォルダで閲覧できるようにしているほか、人事部門に問い合わせることで確認することも可能です。
就業規則を確認する際は、「退職に関する規定」の章を探し、退職の申し出時期、退職届の提出先、引き継ぎ期間などの項目をチェックしてください。もし就業規則が見つからない場合や、閲覧できない状況にある場合は、人事担当者に直接尋ねるか、労働基準監督署に相談するという選択肢もあります。
退職希望日から逆算した申し出のタイミング
退職希望日が決まったら、その日から逆算して申し出のタイミングを決めましょう。就業規則で1ヶ月前と定められている場合は、最低でも退職希望日の1ヶ月前までに上司に口頭で退職の意思を伝え、その後速やかに退職届を提出するのが一般的な流れです。例えば、3月末に退職したい場合は、遅くとも2月末までには上司に相談を始める必要があります。
また、有給休暇を消化する予定がある場合は、その期間も考慮に入れて、さらに早めに申し出ることをおすすめします。このように逆算して計画を立てることで、引き継ぎ期間を十分に確保でき、円満な退職につながりやすくなります。
繁忙期や人事異動時期を避けるべき理由
退職の申し出は、できるだけ繁忙期や人事異動の時期を避けることが望ましいとされています。なぜなら、繁忙期に退職を申し出ると、業務に支障をきたすだけでなく、上司や同僚との関係が悪化するリスクがあるためです。例えば、小売業であれば年末年始やセール期間、経理部門であれば決算期など、業界や部署によって忙しい時期は異なります。
また、4月や10月といった人事異動が行われる時期も、組織全体が変化する時期であるため、退職の申し出は避けた方が無難です。ただし、どうしても繁忙期に退職せざるを得ない事情がある場合は、できるだけ早めに伝え、引き継ぎに十分な時間を確保することで、会社への配慮を示すことができます。
退職を1ヶ月前に伝えてから退職日までの具体的な流れ
退職を1ヶ月前に伝えた後、実際にどのような手順で退職日まで進めていけばよいのでしょうか。
ここでは、退職を決意してから退職日を迎えるまでの具体的なステップを、時系列に沿って解説します。計画的に進めることで、トラブルを避け、円満に退職することができます。
退職を考え始めたら、まずは就業規則を確認し、退職希望日を具体的に決定しましょう。この段階では、転職先の入社日が決まっている場合はその日程に合わせて、または次のキャリアプランに応じて退職日を設定します。同時に、有給休暇の残日数を確認し、退職前にどの程度消化できるかを計算しておくことも重要です。
また、転職活動中の方は、内定が出てから退職を申し出るタイミングを見極める必要があります。この段階で退職後の生活設計や、失業保険の受給条件なども確認しておくと、より安心して次のステップに進むことができます。
退職希望日の4~5週間前になったら、まずは直属の上司に口頭で退職の意思を伝えます。この際、できるだけ静かな場所を選び、「お話ししたいことがあるのですが、お時間をいただけますでしょうか」と事前にアポイントを取ることが望ましいです。
退職理由については、「一身上の都合により」といった表現で問題なく、会社への不満や批判的な内容は避けるようにしましょう。上司との面談後、退職が了承されたら、速やかに退職届を作成して提出します。退職届には、退職希望日、退職理由(一身上の都合による)、提出日、所属部署、氏名、捺印などを記載し、会社の規定に従った形式で作成してください。
退職日の約4週間前からは、業務の引き継ぎを本格的に開始します。まずは、自分が担当している業務を洗い出し、引き継ぎマニュアルを作成しましょう。マニュアルには、以下の内容を詳しく記載します。
- 日常業務の手順
- 取引先の連絡先
- 進行中のプロジェクトの状況
- 注意点やトラブル時の対処法
後任者が決まっている場合は、直接説明を行い、実際の業務を一緒に行いながら教えるOJT形式での引き継ぎも効果的です。取引先や関係部署への挨拶回りも、この時期に段階的に進めていくとスムーズです。
引き継ぎの進捗状況は定期的に上司に報告し、不明点があれば早めに確認することで、退職日までに確実に業務を引き継ぐことができます。
退職日の1週間前になったら、私物の整理や最終的な退職準備を始めます。デスク周りの私物を少しずつ持ち帰り、会社から貸与されているパソコンや携帯電話、社員証、鍵などの返却物を確認しておきましょう。また、会社のメールアドレスや社内システムにアクセスできなくなることを考慮し、必要な連絡先情報は個人のアドレス帳に移しておくことも大切です。
最終出社日には、お世話になった上司や同僚への挨拶を行い、感謝の気持ちを伝えることで、良好な関係を保ったまま退職することができます。退職日当日には、返却物を提出し、最終的な書類手続きを完了させて、円満に会社を後にしましょう。
退職1ヶ月前からの有給休暇消化の進め方
退職を決めた際に気になるのが、残っている有給休暇をどのように消化するかという点です。有給休暇は労働者に認められた権利であり、退職時にも消化することが可能です。
ここでは、有給休暇消化の権利、計算方法、そして会社との交渉のタイミングについて解説します。
有給休暇消化は労働者の権利として認められている
有給休暇は労働基準法第39条で定められた労働者の権利であり、退職時であっても消化することが認められています。会社側は、労働者が有給休暇を取得することを原則として拒否することはできません。特に退職直前の有給消化については、会社が持つ「時季変更権」(有給取得日を変更する権利)を行使することができないとされています。
なぜなら、退職日より後に有給休暇を取得することは不可能であり、時季変更権の行使は事実上の有給消化の拒否になってしまうためです。したがって、退職を決めた時点で残っている有給休暇は、適切に申請すれば消化できる可能性が高いと考えてよいでしょう。
有給休暇を使い切るための計算方法と注意点
有給休暇を使い切るためには、まず自分が持っている有給休暇の残日数を正確に把握することが必要です。有給休暇は、入社半年後に10日間付与され、その後勤続年数に応じて増加していきます。また、有給休暇には2年間の時効があり、前年度に使い切れなかった分は翌年に繰り越されますが、2年を過ぎると消滅してしまいます。
退職日までに有給休暇をすべて消化したい場合は、最終出社日と退職日の間に有給休暇期間を設定する方法が一般的です。例えば、20日間の有給休暇が残っている場合、実質的な最終出社日を退職希望日の約1ヶ月前に設定し、その後は有給消化期間とすることで、退職日まで給与を受け取りながら次の準備を進めることができます。
会社との有給消化の交渉タイミング
有給休暇消化について会社と交渉する際は、退職の意思を伝えると同時に、または退職が正式に了承された直後のタイミングが適切です。上司に退職を伝える際に、「退職日は○月○日を希望しており、それまでの期間に残っている有給休暇を消化させていただきたいと考えています」と具体的に伝えることで、スムーズに話が進みやすくなります。
ただし、業務の引き継ぎ期間も必要であるため、すべての有給休暇を一度に消化するのではなく、引き継ぎを行いながら段階的に消化する方法も検討してみてください。会社側が有給消化に難色を示す場合でも、法律上の権利であることを冷静に説明し、必要に応じて人事部門に相談することで、適切な解決策を見つけることができる可能性があります。
退職を1ヶ月前に伝えて怒られた場合の対処法
退職を1ヶ月前に伝えたにもかかわらず、上司から怒られたり、厳しい反応を受けたりすることがあります。
このような状況に直面すると、不安や戸惑いを感じるかもしれませんが、適切な対処法を知っておくことで冷静に対応することができます。
法的根拠を冷静に説明する方法
上司から「1ヶ月前では困る」「もっと早く言うべきだった」と怒られた場合、まずは冷静に法的根拠を説明することが重要です。民法第627条により、法律上は2週間前の申し出で退職が可能であることを丁寧に伝えましょう。
ただし、法律を盾に取るような高圧的な態度は避け、「就業規則を確認したところ、1ヶ月前の申し出で問題ないと理解しております」「法律上も2週間前の申し出が認められていると聞いております」といった穏やかな表現を使うことが望ましいです。
また、「退職までの期間、引き継ぎには全力で取り組みます」という姿勢を示すことで、上司の不安を軽減し、建設的な話し合いにつなげることができます。
上司の反応が厳しい場合の心構え
上司の反応が予想以上に厳しい場合、精神的に辛い思いをすることもあるでしょう。しかし、退職は労働者に認められた権利であり、適切な手続きを踏んでいる限り、過度に自分を責める必要はありません。上司が怒る理由の多くは、業務への影響や人員配置の調整に対する不安、あるいは自身の管理責任を問われることへの懸念などが背景にあります。
そのため、上司の感情的な反応を個人的に受け止めすぎず、「会社の事情は理解していますが、私にも今後のキャリアがあります」という姿勢を保つことが大切です。退職の意思は固いことを明確に伝え、それでも引き継ぎや業務への配慮は最大限行うという誠実な態度を示すことで、徐々に状況が改善していく可能性があります。
人事部門への相談も選択肢の一つ
直属の上司との話し合いがうまくいかない場合や、パワハラに近い対応を受けた場合は、人事部門に相談することも有効な選択肢です。人事部門は、退職手続きの専門部署であり、法律や就業規則に基づいた適切な対応を行う立場にあります。
「上司に退職を伝えたところ、受け入れていただけない状況です。就業規則に従って1ヶ月前に申し出ているのですが、どのように進めればよいでしょうか」と相談することで、人事部門が間に入って調整してくれる場合もあります。
また、退職に関する正式な手続きは最終的に人事部門が担当することが多いため、早めに人事部門とコンタクトを取っておくことで、スムーズな退職につながることもあります。
退職を認めてもらえない場合の具体的な対応策
退職の意思を伝えたにもかかわらず、会社側が認めないというケースは残念ながら存在します。しかし、法律上は労働者に退職の自由が保障されているため、適切な手続きを踏むことで退職することが可能です。
ここでは、退職を認めてもらえない場合の具体的な対応策について解説します。
退職願ではなく「退職届」を提出すべき理由
退職を認めてもらえない状況では、「退職願」ではなく「退職届」を提出することが重要です。この2つは似ているようで、法的な意味合いが大きく異なります。退職願は会社に対して「退職させてください」とお願いする文書であり、会社の承諾が前提となります。一方、退職届は「退職します」という意思表示を一方的に通知する文書であり、会社の承諾は不要です。
民法第627条に基づき、退職届を提出した時点で退職の意思表示が完了し、2週間後には労働契約が終了することになります。そのため、退職を認めてもらえない場合は、退職届という形式で明確に意思表示をすることで、法的な効力を持たせることができます。退職届には「退職願」ではなく「退職届」と明記し、退職日を具体的に記載してください。
内容証明郵便での退職届送付の手順
退職届を直接手渡しても受け取ってもらえない、あるいは受け取ったことを認めないといったケースでは、内容証明郵便で退職届を送付する方法が有効です。
内容証明郵便とは、郵便局が「いつ、誰が、誰に、どのような内容の文書を送ったか」を証明してくれるサービスです。この方法を使うことで、確実に退職の意思表示を行ったという証拠を残すことができます。
- 郵便局の窓口で手続きを行う
- 同じ内容の文書を3通用意する(会社への送付用、郵便局保管用、自分の控え用)
- 配達証明も同時に申し込む
- 会社に確実に届いたことの証明を取得する
内容証明郵便を送付した日から2週間後には、法律上退職が成立することになります。
労働基準監督署への相談方法
退職を認めてもらえない状況が続く場合、労働基準監督署に相談することも検討してください。労働基準監督署は、労働基準法などの法令違反がある場合に、企業に対して指導や是正勧告を行う権限を持つ行政機関です。相談は無料で、匿名でも可能です。
最寄りの労働基準監督署に電話または直接訪問して、「退職を申し出ているのに認めてもらえない」という状況を説明してください。労働基準監督署の担当者が状況を聞き取り、適切なアドバイスをしてくれるほか、必要に応じて会社に対して行政指導を行ってくれる場合もあります。
また、労働基準監督署以外にも、各都道府県労働局の総合労働相談コーナーでも同様の相談を受け付けていますので、利用しやすい窓口を選んで相談してみてください。
弁護士や退職代行サービスを利用する場合の判断基準
会社との交渉が難航し、自分だけでは解決が困難な場合、弁護士に相談したり、退職代行サービスを利用したりすることも選択肢の一つです。弁護士に相談するメリットは、法的な観点から適切なアドバイスを受けられることや、必要に応じて会社との交渉を代理してもらえることです。
特に、未払い賃金や残業代、退職金の問題がある場合は、弁護士に依頼することで法的手続きを通じて解決できる可能性があります。また、退職代行サービスは、退職の意思を本人に代わって会社に伝えてくれるサービスです。上司と顔を合わせることなく退職手続きを進められるため、パワハラやセクハラなどで精神的に追い詰められている場合には有効な手段となります。
ただし、退職代行サービスを選ぶ際は、弁護士が運営しているサービスか、労働組合が運営しているサービスを選ぶことをおすすめします。これらのサービスであれば、会社との交渉も法的に適切に行うことができます。
退職を1ヶ月前に伝える際のリスクと注意点
退職を1ヶ月前に伝えることは法律上問題ありませんが、状況によってはいくつかのリスクや注意点も存在します。
これらを事前に理解しておくことで、適切に対処し、トラブルを最小限に抑えることができます。
損害賠償請求のリスクはどの程度あるのか
退職によって会社に損害が生じたとして、損害賠償を請求されるのではないかと不安に感じる方もいるでしょう。結論からお伝えすると、通常の退職で損害賠償請求が認められるケースは極めて稀です。なぜなら、退職は労働者の権利として法律で認められており、適切な手続きを踏んでいる限り、退職すること自体が違法行為にはならないためです。
ただし、例外的に損害賠償が認められる可能性があるのは、無断欠勤や突然の退職によって会社に重大な損害が生じた場合、あるいは退職後に競業避止義務に違反して会社の機密情報を流出させた場合などです。1ヶ月前に退職を伝え、適切に引き継ぎを行っている場合は、損害賠償請求のリスクはほとんどないと考えてよいでしょう。
退職金への影響と対処法
退職金制度がある会社では、退職金の支給額や支給条件が就業規則や退職金規程に定められています。一部の企業では、退職予告期間を守らなかった場合に退職金を減額する規定を設けていることがあります。しかし、1ヶ月前に退職を伝えている場合、多くの会社の就業規則で定められた期間を満たしているため、退職金が減額されるリスクは低いと考えられます。
もし就業規則で2ヶ月前や3ヶ月前と定められていて、それより短い期間で退職する場合でも、民法の規定が優先されるため、退職金の全額不支給や著しい減額は不当である可能性があります。退職金に関して不安がある場合は、事前に就業規則や退職金規程を確認し、必要に応じて人事部門に確認しておくことをおすすめします。
無断欠勤は絶対に避けるべき理由
退職を申し出た後、会社に行きたくないという気持ちから無断欠勤をしてしまうことは絶対に避けなければなりません。なぜなら、無断欠勤は就業規則違反にあたり、懲戒解雇の理由となる可能性があるためです。
無断欠勤によるリスク
- 退職金が支給されなくなる可能性
- 転職活動において不利になる可能性
- 会社に損害が生じた場合、損害賠償請求を受けるリスクが高まる
どうしても出社が難しい事情がある場合は、必ず会社に連絡を入れ、病気であれば診断書を提出するなど、適切な手続きを取るようにしてください。
退職までの期間が辛いと感じる場合でも、無断欠勤は避け、必要に応じて有給休暇を取得したり、医師に相談して休職手続きを取ったりするなど、正規の方法で対処することが重要です。
雇用形態別|退職を1ヶ月前に伝える際の違い
退職の手続きや期間については、雇用形態によって異なるルールが適用される場合があります。
自分の雇用形態に応じた正しい退職方法を理解しておくことで、トラブルを避け、スムーズに退職することができます。
正社員の場合|民法627条に基づく2週間前退職の原則
正社員として期間の定めのない雇用契約を結んでいる場合、民法第627条第1項が適用され、退職の意思表示をしてから2週間が経過すれば退職することが可能です。これは法律で保障された労働者の権利であり、会社の承諾や許可は不要です。ただし、実務上は就業規則で1ヶ月前の退職予告を求めている企業が多く、円満退職を目指すのであれば就業規則に従うことが望ましいでしょう。
また、管理職や役員に近い立場の方の場合、就業規則でより長い予告期間が定められていることもありますが、その場合でも民法の規定が優先されるため、最終的には2週間前の申し出で退職する権利は保持されています。
契約社員・派遣社員の場合|契約期間満了までの制約とやむを得ない理由
契約社員や派遣社員として、期間の定めのある雇用契約を結んでいる場合は、原則として契約期間が満了するまで働く義務があります。
民法第628条では、やむを得ない事由がある場合に限り、契約期間中であっても退職できると定められています。「やむを得ない事由」とは、健康上の理由、家族の介護、パワハラやセクハラなど、客観的に見て就労継続が困難な状況を指します。
- 契約期間が1年を超える契約で、すでに1年以上勤務している場合は、労働基準法第137条により、いつでも退職することが可能
- 契約期間中に退職を考えている場合は、まずは会社や派遣元と相談し、合意退職の形を取ることが望ましい
- やむを得ない事由がある場合は、その理由を説明し、必要に応じて診断書などの証明書類を提出する
適切な手続きを踏むことで、円滑に退職できる可能性が高まります。
よくある質問|退職を1ヶ月前に伝えることについて

退職を1ヶ月前に伝える際によく寄せられる質問について、具体的にお答えします。これらの情報を参考に、自分の状況に合った適切な対応を検討してください。
退職は1ヶ月前に伝えても法律上問題ありませんか?
はい、退職を1ヶ月前に伝えることは法律上全く問題ありません。民法第627条第1項では、期間の定めのない雇用契約の場合、退職の意思表示をしてから2週間が経過すれば退職できると定められています。そのため、1ヶ月前に伝えることはこの法律上の期間を十分に満たしており、適法です。
また、多くの企業が就業規則で1ヶ月前の退職予告を定めていることからも、1ヶ月前は社会通念上も妥当な期間として認識されています。非常識ではないかと心配される方もいますが、適切な退職手続きを踏んでいる限り、何も問題はありません。
退職を1ヶ月前に伝えても会社が認めない場合はどうすればいいですか?
会社が退職を認めないという対応は、法律上認められません。民法により労働者には退職の自由が保障されているため、会社が退職を拒否することはできないのです。もし会社が退職を認めないという対応を取る場合は、まず「退職願」ではなく「退職届」という形で明確に退職の意思を表明してください。
退職届は会社の承諾を求めるものではなく、退職するという意思を一方的に通知するものです。それでも状況が改善しない場合は、以下の方法があります。
- 内容証明郵便で退職届を送付する
- 人事部門に相談する
- 労働基準監督署に相談する
- 弁護士や退職代行サービスの利用を検討する
必要に応じて、専門家のサポートを受けることも検討してみてください。
就業規則で3ヶ月前と定められている場合も1ヶ月前で退職できますか?
就業規則で3ヶ月前の退職予告を定めている場合でも、民法第627条の規定により、法律上は2週間前の申し出で退職することが可能です。なぜなら、民法は就業規則よりも優先される法律だからです。過去の裁判例でも、過度に長い退職予告期間を定めた就業規則は、労働者の退職の自由を不当に制限するものとして、無効または制限的に解釈される傾向にあります。
ただし、円満退職を目指すのであれば、できるだけ会社と話し合い、双方が納得できる退職日を調整することが望ましいでしょう。1ヶ月前の申し出であれば、多くの場合、合理的な範囲として受け入れられる可能性が高いと考えられます。
退職1ヶ月前に伝えた後、有給休暇をすべて消化できますか?
はい、法律上は退職時に残っている有給休暇をすべて消化する権利があります。労働基準法第39条により、有給休暇は労働者に認められた権利であり、会社は原則として有給休暇の取得を拒否することはできません。特に退職時の有給消化については、会社が持つ時季変更権(有給取得日を変更する権利)を行使することができないとされています。
そのため、退職を1ヶ月前に伝えた際に、残っている有給休暇をすべて消化したいという希望を伝え、最終出社日と退職日の間に有給消化期間を設定することが可能です。ただし、業務の引き継ぎも必要であるため、会社と相談しながら、引き継ぎ期間と有給消化期間のバランスを取ることが円満退職につながります。
退職を1ヶ月前に伝えて引き止められた場合の断り方は?
退職を伝えた際に引き止められることは珍しくありませんが、退職の意思が固い場合は、丁寧かつ明確に断ることが大切です。
引き止めに対しては、「お気持ちは大変ありがたいのですが、今後のキャリアについて十分に考えた結果、退職という決断に至りました」といった表現で、感謝の気持ちを示しつつも意思が変わらないことを伝えましょう。待遇改善や部署異動などの条件を提示されることもありますが、一時的な感情で決断を変えるのではなく、冷静に自分のキャリアプランと照らし合わせて判断してください。
また、何度も引き止められて困る場合は、「すでに次の進路が決まっております」「家庭の事情でどうしても退職しなければなりません」といった、明確な理由を伝えることで、引き止めを断りやすくなります。最終的には、退職は労働者の権利であることを念頭に置き、毅然とした態度で対応することが重要です。
退職手続きや退職後のサポートが必要な方へ|退職リトリート

退職を決意したものの、その後の手続きや給付金の申請について不安を感じている方は少なくありません。退職リトリートは、雇用保険制度に関する情報提供サービスです。本サービスは社労士の監修のもと設計されており、雇用保険制度について専門スタッフが分かりやすくご説明いたします。
退職リトリートでは、雇用保険制度についてご自身の状況に応じた適切な申請方法を分かりやすくご説明します。条件を満たした場合、失業保険の受給申請に必要な情報提供を行い、適切な手続きをご自身で進めていただけるようサポートいたします。ヒアリングを通じて一般的な受給要件についてご説明し、ハローワークでの申請をご検討いただける方にサービス内容をご案内しております。
※実際の手続きはご本人様がハローワークで行っていただく必要があります。受給の可否及び金額は、ハローワークでの審査により決定されます。




