病気退職でも失業保険をすぐもらう方法はある?診断書の効力と申請手順

病気退職でも失業保険をすぐもらう方法|診断書の効力と申請手順

病気や体調不良で退職を考えているけれど、「失業保険はすぐにもらえるの?」「診断書があれば大丈夫?」と不安を抱えていませんか。

病気による退職の場合、通常の自己都合退職とは異なる手続きや条件が適用される可能性があります。特に診断書だけでは受給できないケースや、「特定理由離職者」として認定されることで給付制限が免除されるケースなどもあります。

この記事では、病気で退職した際の失業保険について、受給条件や必要書類、主治医意見書の取得方法、ハローワークでの手続きの流れまで、制度の仕組みを分かりやすく解説します。うつ病や適応障害などの精神疾患、身体疾患やケガなど、病気の種類別の対応策もご紹介しますので、ぜひ最後までお読みください。

※本記事内の各種受給例はあくまでも一例であり、実際は個人の状況により異なる可能性がございます。正確な金額はハローワークでご確認ください。

目次

病気で退職した場合の失業保険の基本

退職を病気や体調不良が理由で考えている方にとって、失業保険が受給できるかどうかは大きな関心事です。失業保険(正式名称:雇用保険の基本手当)の受給期間は原則として離職日の翌日から1年間で、制度上「すぐに働ける状態」にある方が対象とされています。

そのため、治療中や療養が必要な状態では、すぐに受給できないケースも少なくありません。ただし、退職理由や病状により「特定理由離職者」として認定されることがあり、この場合は給付制限が免除される可能性があります。

病気や体調不良で退職しても失業保険を受給できる条件は?

病気や体調不良で退職した場合でも、一定の条件を満たせば失業保険の対象となる場合があります。制度上は「働く意思と能力があること」が要件ですが、病気による退職であっても労働基準監督署やハローワークが定める基準に該当する場合があります。

特定理由離職者として認定されると給付制限が解除され、待機期間(7日間)が過ぎれば受給できるようになります。主治医やハローワークで事前確認をしておくと安心です。

うつ病や適応障害など精神疾患で退職する場合の注意点

精神疾患を理由に退職する場合、疾病が就労を著しく困難にしていることが証明できれば、特定理由離職者として認められる場合があります。

主治医による診断書・意見書が必要となり、内容によっては給付日数の延長も対象になることがあります。うつ病や適応障害のように症状の回復に時間がかかる場合は、受給期間の延長制度を活用することも検討しましょう。

身体の病気やケガによる退職の場合は?

身体疾患やケガを理由に退職した際も、雇用保険制度上は”やむを得ない事情”に該当することがあります。具体的には、治療が長引くことが理由で退職した場合や、医師が「当面就労は困難」と判断した場合です。

主治医の意見書を添付して申請することで、特定理由離職者として扱われる可能性が高まります。

診断書があればすぐもらえるのは誤解?

「診断書を提出すれば失業保険がすぐもらえる」という誤解がしばしば見られますが、実際には診断書だけでは十分ではありません。

病気で退職した場合、”就労が難しい状況にあったこと”を証明するため、ハローワークの指定様式による主治医の意見書が必要です。この書類が、特定理由離職者として認定を受けるうえで非常に重要な役割を果たします。

診断書だけで「特定理由離職者」に認定される条件

診断書だけで特定理由離職者に認定されるのは例外的なケースです。病状が客観的に重く、勤務継続が難しかったと判断される場合に限られます。多くのケースでは、主治医による意見書の提出が必要です。

診断書には病名や治療期間しか書かれないため、”就労不可”の証明としては不十分なことが多いです。

主治医の意見書とは?ハローワーク指定様式の重要性

主治医意見書とは、退職理由が医学的にやむを得なかったことを証明するための書類です。ハローワークが指定する様式で記入してもらうことが求められます。

一般的な診断書と異なり、就労継続の可否や業務への支障について明確に記載することがポイントです。この意見書があることで、特定理由離職者の認定がスムーズになります。

診断書と主治医意見書の違いと有効な記載内容

診断書は病名・症状・治療内容を記載する一般的な文書ですが、主治医意見書は「退職に至った医学的事情」を明確に説明するものです。

意見書には、就労困難の程度や期間、治療方針など、客観的な事実を具体的に記載してもらうことが重要です。これにより、ハローワークでの判断がより適正になります。

特定理由離職者として認定される条件

特定理由離職者は、「正当な理由のある自己都合退職」として扱われるカテゴリーです。厚生労働省の基準によると、病気・ケガ・家庭の事情などで、引き続き勤務することが困難な状態であったと認められる場合に該当します。診断書や主治医意見書など、医学的根拠を示す資料が必要です。

※書類があっても必ず認定されるとは限りません。審査は総合的に判断されます。

病気退職で「特定理由離職者」になるための要件

病気で退職した全ての方が自動的に特定理由離職者になるわけではありません。制度上、ハローワークでの審査を通過し、医師の意見書などによって”就労が著しく困難であった”と証明される必要があります。

自己申告のみでは認定されにくいため、客観的な資料を用意しておきましょう。

診断書が不要なケースもある?状況別の例

病気による退職以外でも、家庭の事情や災害などが原因でやむを得ず辞めた場合は診断書が不要なケースもあります。

たとえば家族の介護による退職などがそれにあたります。ただし、これらも証明書類が必要なため、自己判断せずハローワークに確認することが大切です。

認定手続きで注意したいポイント

特定理由離職者の認定を受けるには、退職理由を明確に説明できる証拠が必要です。

診断書や主治医意見書の内容に曖昧な点があると、自己都合退職として処理されることもあります。手続き前に病院やハローワークで内容確認をしておくと安心です。

主治医意見書の取得方法と記載内容

主治医意見書は、ハローワークの窓口で用紙を受け取り、医師に記入を依頼します。

内容としては病状や発症時期、就労困難の理由を明確に記載してもらうことが重要です。書類は最新のものを使用し、退職時期と整合していることが求められます。

医師への依頼方法と例文

医師に依頼する際は、「ハローワーク指定の主治医意見書の作成をお願いしたい」と伝えましょう。例文として「退職理由が病気によるもので、就労が困難であることを証明していただきたいです」と伝えると円滑です。

医師に制度の趣旨を理解してもらうこともスムーズな作成につながります。

どんな内容があれば認定されやすい?

認定のためには、単に病名を記載するだけでなく、「就労継続が困難と判断される具体的な理由」を記載してもらうことが大切です。

例えば「勤務時間の維持が不可能」「医師の指示により長期療養が必要」などの文言があると、認定の根拠となりやすいです。

診断書・意見書の有効期限と提出タイミング

主治医意見書や診断書の有効期限は、一般的に発行から3ヶ月以内が目安です。提出のタイミングは退職後すぐまたはハローワークでの初回手続き時が理想的です。

発行日が古い場合、書類の再取得が必要になることもあるため注意しましょう。

病気の種類別対応策

病気の種類によって申請や認定方法が異なるため、自分の状態に適した手続きが必要です。

特に精神疾患と身体疾患では、証明書類の内容やハローワークでの判断基準に違いがあります。ここでは主な病気ごとの対応策を解説します。

精神疾患(うつ病・適応障害など)の場合

うつ病や適応障害などの精神疾患による退職は、厚生労働省の定める「正当な理由による離職」に該当することがあります。心身の障害として認められれば、特定理由離職者に分類され、給付制限がなくなる可能性があります。

診断書や主治医意見書には、発症時期・就労困難の程度・療養の必要性などを記載してもらいましょう。会社側と話し合いを行い、業務変更や休職措置を経たうえで退職したケースは特定理由離職者に認定されやすい傾向があります。

※認定は個別の事情により判断されるため、同様の状況でも結果が異なる場合があります。

身体疾患・ケガの場合

身体の病気やケガによる退職では、「体力の不足や疾病によって勤務を継続できなかった場合」に特定理由離職者として扱われます。就労困難の状態を明確に示す診断書や主治医意見書を提出することが重要です。

また、退職直後に働けない場合でも、症状が安定してからハローワークで求職活動を始めることで、受給対象となる流れです。

複数の病気が重なったときの対応

複数の病気やケガが原因で退職した場合、それぞれの症状が総合的に就労を妨げているかどうかが判断されます。主治医意見書では、疾病の影響を個別ではなく全体的な観点で記載してもらうことが必要です。

複数の診療科にかかっている場合は、それぞれの主治医に相談し、代表医師を決めて書類を依頼するとよいでしょう。

手続きの流れと注意点

病気を理由に退職したあと、失業保険を受給するまでの流れは少し複雑です。正しいステップを踏むことで、給付開始までの遅延を防ぐことができます。

ハローワークでの申請手順と必要書類

申請には、離職票・主治医意見書・本人確認書類・雇用保険被保険者証が必要です。これらをハローワークに提出し、退職理由の確認および求職申込みを行います。審査に時間がかかる場合があるため、早めの準備が望ましいです。

退職前から準備すべきこと

手続きをスムーズに進めるには、退職前から通院記録・診断書の写し・退職理由の証明などを整理しておきましょう。

会社に「病気が理由で退職した」と記録を残すことも重要です。この記載が離職票に反映されることで、認定がスムーズになります。

よくある失敗例と対策

認定が遅れる原因の多くは、診断書や意見書の内容が形式に合っていないことです。

また、離職票に「自己都合」と記載されたまま申請してしまうケースも見られます。この場合、再申請に時間がかかるため、退職時点で会社と記載内容を確認することをおすすめします。

働けない期間中の給付について

失業保険(雇用保険の基本手当)の受給期間は、原則として「離職日の翌日から1年間」と定められています。しかし、離職後すぐに働けない状態が続く場合は、健康保険の「傷病手当金」を活用することも選択肢となります。

ただし、傷病手当金(療養を理由に働けない場合に支給)と失業保険(就職する意思・能力があり求職活動ができる場合に支給)は支給要件が異なるため、原則として両方を「同時に受給することはできません」。療養中は傷病手当金を受給し、回復して働けるようになった後で失業保険に切り替えて申請するなど、状況に応じて適切に申請する必要があります。

傷病手当金と失業保険の使い分け

傷病手当金は、健康保険に加入していた人が病気で働けなくなった際に支給されます。(※支給額は標準報酬日額の3分の2相当額ですが、個人の加入状況により異なります。)失業保険は原則として離職日の翌日から1年間の受給期間がありますが、傷病手当金を受給している期間は失業保険の受給資格が停止されるため、まずは傷病手当金を受け取る形になります。

状態が改善して「働ける」と判断された時点で、失業保険の受給を開始できます。どちらを優先すべきか迷う場合は、医師とハローワークの両方に相談しましょう。

受給期間延長制度の活用方法

失業保険の受給期間は、原則として離職日の翌日から1年間です。しかし、病気や出産、介護などで求職活動ができないときは、雇用保険法第20条に基づき受給期間の延長が可能です。

延長後の受給期間の最後の日まで申請可能で、療養を理由とする延長は最長4年まで認められます。病状が長引きそうな場合は、早めに延長申請を行いましょう。

※延長期間は病状や医師の診断により個別に判断されます。

求職活動ができない場合の対応

療養中で求職が難しい状況では、まず健康回復を優先します。その間は失業手当の支給が停止されますが、治療後に受給を再開することができます。

休職期間中に申請の遅れが生じないよう、ハローワークで制度の詳細を確認しておくと安心です。

実際の成功事例

病気を理由に退職した方でも、必要書類と正しい手続きを踏むことで、無理なく失業保険を受給できた例があります。主治医意見書を丁寧に準備し、退職理由を正確に伝えたことがポイントでした。

制度の内容を正しく理解し、適切な手続きを行うことが重要です。詳細については必ずハローワークや専門機関にご相談ください。

病気による退職で失業保険を受給できた例(条件付き)

一般的な例として、うつ病により退職した方が主治医意見書を提出し、特定理由離職者として認定されたケースです。この場合、給付制限がなく、7日間の待期後から支給が始まりました。療養期間中は健康回復を優先し、回復後に求職活動を再開する流れとなりました。

※受給の可否は個別の事情により異なります。必ず受給できることを保証するものではありません。

主治医への依頼時のポイント(例や注意点を含む)

依頼する際は、「退職理由が病気によるもので就労困難である旨を記載お願いします」と具体的に伝えることが重要です。また、制度の趣旨を説明したうえで依頼すると、認定に必要な項目を正確に記載してもらえます。

ハローワーク指定の用紙を必ず使用しましょう。

給付期間や金額はどれくらい?(一般的な例として)

受給日数は年齢や被保険者期間によって異なります。

一般的には90〜150日が多く、40代以上で20年以上勤務している場合は最大150日です。なお、療養が長引き「就職困難者」に認定された場合、最大300日まで延長されることもあります。

失業保険 総額シミュレーター

失業保険 総額シミュレーター

※計算は概算です。
正確な金額・給付日数とは異なる場合があります。
自己都合退職の場合
雇用保険の加入期間 給付日数
1年以上10年未満 90日
10年以上20年未満 120日
20年以上 150日
※表は横スクロールできます
会社都合退職・特定理由離職者の場合
雇用保険の加入期間
年齢 1年未満 1年以上5年未満 5年以上10年未満 10年以上20年未満 20年以上
29歳以下 90日 90日 120日 180日
30~34歳 90日 120日 180日 210日 240日
35~44歳 90日 150日 180日 240日 270日
45~59歳 90日 180日 240日 270日 330日
60~64歳 90日 150日 180日 210日 240日
※表は横スクロールできます

よくある質問|病気退職と失業保険の疑問にお答え

病気を理由とする退職の場合、要件を満たせば「特定理由離職者」として認定される可能性があります。

認定の可否はハローワークで個別に審査されます。診断書だけでなく、主治医意見書と退職理由の証明を揃えれば、待機期間後に給付開始が可能です。

病気による退職は自己都合退職になりますか?

病気退職は原則として自己都合ですが、やむを得ない事情と認められれば特定理由離職者に該当します。

状況に応じて給付制限が解除される可能性もあるため、必ずハローワークで認定を受けましょう。

特定理由離職者の診断書は必須?

必須ではありませんが、医師の診断書や主治医意見書があれば認定を受けやすくなります。

書式や有効期限は地域のハローワークで確認を行いましょう。

治療中でも求職活動は必要?

求職活動は「働ける状態」で行う必要があります。

治療に専念している期間は傷病手当金の利用が推奨され、元気になった段階で失業手当を再申請します。

給付日数や金額の計算例(条件による違い)

給付日数は被保険者期間と年齢によって異なり、90〜150日が一般的です。長期加入者や就職困難者の場合は最大300日まで延長されることがあります。

※実際の給付日数は個々の雇用保険加入状況により決定されます。

退職リトリートの紹介

※実際の手続きはご本人様がハローワークで行っていただく必要があります。受給の可否及び金額は、ハローワークでの審査により決定されます。

手続きや書類準備が複雑に感じる場合は、専門家に相談することも一つの選択肢です。申請前にアドバイスを受けることで、適切な手続きについて理解を深めることができます。

退職リトリートについて

退職リトリートは、退職後の制度利用に関する情報提供サービスをコンセプトとした、社会保険労務士が関与するサービスです。法令に基づいた正当な申請手続きをサポートし、受給までの手続きを伴走型で支援します。オンライン相談やLINEサポートも用意されており、退職後の再スタートを優しく支援しています。

制度について詳しく知りたい方は、まずは公式LINEでお気軽にお問い合わせください。

※実際の手続きはご本人様がハローワークで行っていただく必要があります。受給の可否及び金額は、ハローワークでの審査により決定されます。

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