退職で受給できる給付金とは?失業保険との違い・受給条件・申請方法を解説

退職で受給できる給付金とは?失業保険との違い・受給条件・申請方法を解説

退職を考えたとき、「退職後の生活費はどうしよう」「国からもらえるお金はあるのかな」と不安になる方は多いのではないでしょうか。退職後にもらえる給付金とは具体的に何を指すのか、失業保険とどう違うのか、よくわからないという声をよく聞きます。

公式には「求職者給付」「就職促進給付」「教育訓練給付」などの用語が使われていますが、その中には失業保険(基本手当)をはじめ、再就職手当や教育訓練給付金など、条件を満たす場合、雇用保険を通じて受給できる可能性があります。ただし、実際の受給可否はハローワークでの審査により決定されます。

この記事では、退職後にもらえる給付金の基本から具体的な受給条件、申請方法まで、2025年4月施行の法改正内容を反映してわかりやすく解説します

※本記事内の各種受給例はあくまでも一例であり、実際は個人の状況により異なる可能性がございます。正確な金額はハローワークでご確認ください。

目次

退職後にもらえる給付金とは?失業保険や退職金との違いを知りたい方へ

退職後にもらえる給付金の基本的な定義

退職後にもらえる給付金とは、退職後に国(雇用保険制度)から受け取ることができる各種給付金です。一般的に「退職後にもらえる給付金」という単独の給付制度が存在するわけではなく、失業保険(基本手当)や再就職手当、教育訓練給付金などを含む複数の制度をまとめて指す言葉として使われています

これらの制度は、退職後の生活を支えたり、再就職やスキルアップを促進したりする目的で設けられており、条件を満たす場合、雇用保険を通じて受給できる可能性がある仕組みです。なお、これらの給付金を受け取るには、原則として雇用保険に加入していたことが必要となります。雇用保険は、週20時間以上働き、31日以上雇用される見込みがある方であれば、正社員だけでなくパートやアルバイトの方も加入対象となります。

失業保険(失業手当)との違いをわかりやすく解説

失業保険(正式名称は「基本手当」)は、退職後にもらえる給付金の中でも最も基本的で重要な給付制度です

失業保険は、退職後に失業状態にある方の生活を支え、安心して求職活動を行えるよう、退職前の賃金の約50~80%を日額で支給する制度です。一方、退職後にもらえる給付金という言葉を使う場合、失業保険だけでなく、再就職が決まったときにもらえる再就職手当や、資格取得のための教育訓練給付金なども含めた総合的な支援制度を指しています。

このように、失業保険は退職後にもらえる給付金の「代表的な制度の一つ」と理解していただくとわかりやすいでしょう。

退職金との違い|企業支給と国の給付制度の違い

退職金と退職後にもらえる給付金は混同されがちですが、まったく異なる制度です。退職金は、企業が独自に設けている制度で、勤続年数や給与水準、退職理由などに基づいて企業から支給される一時金や企業年金を指します。そのため、退職金の有無や金額は企業によって大きく異なり、制度そのものがない企業も存在します。

一方、退職後にもらえる給付金は国の雇用保険制度に基づいて支給されるものです。雇用保険に加入し、一定の条件を満たしていれば、どの企業を退職した場合でも制度を活用できる可能性があります。財源も異なり、退職金は企業の資金から支払われますが、退職後にもらえる給付金は雇用保険料(労使で負担)を財源としています。つまり、退職金は「企業からの報酬」、退職後にもらえる給付金は「国の社会保障制度」という違いがあるのです

退職後にもらえる給付金にはどんな種類がある?もらえる給付金一覧

失業保険(基本手当)|退職後の生活を支える基本給付

失業保険(基本手当)は、退職後に失業状態にある方の生活を経済的に支えるための基本的な給付制度です。条件を満たした場合、退職前の賃金日額の約45~80%を、離職理由や年齢、雇用保険の加入期間に応じて90日~最長360日分受け取ることができます

受給するには、雇用保険に加入していたこと、離職前2年間に被保険者期間が通算12ヶ月以上あること(会社都合退職の場合は1年間で6ヶ月以上)、そして現在失業状態にあり、働く意思と能力があることが必要です。また、ハローワークで求職の申し込みを行い、定期的に求職活動の実績を報告することも求められます。2025年4月の法改正により、自己都合退職の場合の給付制限期間が2ヶ月から1ヶ月に短縮され、より早く受給を開始できるようになりました。

再就職手当|早期再就職を応援する一時金制度

再就職手当は、失業保険を受給中の方が早期に安定した職業に就いた場合に支給される一時金です。この制度は、失業保険の受給期間が残っている状態で再就職することで、残りの給付日数に応じた金額を一括で受け取れる仕組みです

具体的には、支給残日数が所定給付日数の3分の2以上残っている場合は残日数の70%、3分の1以上残っている場合は60%が支給されます。たとえば、基本手当日額が6,000円で支給残日数が100日ある場合、条件を満たせば42万円(6,000円×100日×70%)の再就職手当を受け取れる可能性があります。ただし、再就職手当を受給するには、1年を超えて勤務することが確実であること、過去3年間に再就職手当を受給していないことなど、複数の要件を満たす必要があります。

その他の給付金|教育訓練給付金や就業促進定着手当など

退職後にもらえる給付金には、失業保険や再就職手当以外にも、状況に応じて活用できる制度があります。教育訓練給付金は、厚生労働大臣が指定する教育訓練を受講し修了した場合、受講費用の一部が支給される制度です。

一般教育訓練給付金は受講費用の20%(上限10万円)、専門実践教育訓練給付金は、受講中に教育訓練経費の50%(年間上限40万円)が6か月ごとに支給されます。さらに、訓練修了後に資格を取得し、修了日の翌日から1年以内に雇用保険の被保険者として就職した場合は、教育訓練経費の20%(年間上限16万円)が追加で支給され、合計で最大70%(年間上限56万円、最長4年)となります

また、就業促進定着手当は、再就職先の賃金が前職より低い場合に、その差額の一部を補填する制度です。さらに、職業訓練を受ける方には職業訓練受講給付金(月額10万円+交通費)が支給される場合があります。65歳以上で退職された方には高年齢求職者給付金(基本手当日額の30~50日分を一時金で支給)、季節的業務に従事していた方には特例一時金(基本手当日額の40日分)など、個別の状況に応じた制度も用意されています。

退職後にもらえる給付金をもらうための条件は?雇用保険の加入期間や要件

雇用保険の加入期間|原則12ヶ月以上が必要

退職後にもらえる給付金を手にする基本的な条件は、雇用保険の被保険者期間です。一般的な離職(自己都合退職など)の場合、離職日以前の2年間に、被保険者期間が通算12ヶ月以上あることが必要です。被保険者期間は、賃金支払いの基礎となった日数が11日以上ある月、または賃金支払いの基礎となった時間数が80時間以上ある月を1ヶ月として計算されます。

一方、会社都合退職や正当な理由のある自己都合退職(特定受給資格者・特定理由離職者)の場合は、要件が緩和され、離職日以前の1年間に被保険者期間が通算6ヶ月以上あれば受給資格が得られます。そのため、退職理由によって必要な加入期間が異なる点に注意が必要です。また、雇用保険に加入していたかどうかは、給与明細で雇用保険料が控除されているかを確認することでわかります。

失業状態の認定と求職活動の要件

退職後にもらえる給付金には、単に退職しただけでは不十分で、「失業状態」にあると認定される必要があります。失業状態とは、働く意思と能力があるにもかかわらず、職業に就くことができない状態を指します。そのため、病気やケガで働けない場合、妊娠・出産・育児などですぐに働けない場合、学業に専念する場合などは、失業状態とは認められません。

また、ハローワークで求職の申し込みを行い、原則として4週間に1回実施される失業認定日に、求職活動の実績を報告することが求められます。求職活動実績とは、求人への応募や職業相談、セミナー受講など、実際に就職に向けた活動を行ったことを指します。一般的には、認定対象期間中に2回以上の求職活動実績が必要とされています。このように、受給するには継続的な求職活動が不可欠です。

離職理由による違い|自己都合と会社都合で変わる条件

退職後にもらえる給付金の利用条件や給付内容は、離職理由によって大きく異なります。会社都合退職(倒産、解雇、退職勧奨など)の場合は「特定受給資格者」として、自己都合退職よりも優遇された条件が適用されます。具体的には、被保険者期間が6ヶ月以上で受給資格が得られ、給付日数も90日~最長330日と長くなります。

一方、自己都合退職の場合は「一般受給資格者」として扱われ、被保険者期間12ヶ月以上が必要で、給付日数は90日~150日となります。また、2025年4月の法改正により、自己都合退職の給付制限期間は原則1ヶ月となりましたが、過去5年間に2回以上の自己都合退職がある場合は給付制限期間が3ヶ月となる点に注意が必要です。さらに、正当な理由のある自己都合退職(病気、介護、配偶者の転勤など)は「特定理由離職者」として会社都合退職に近い条件が適用される場合もあります。

退職後にもらえる給付金はいくらもらえる?基本手当の計算方法と給付日数

基本手当日額の計算式|賃金日額と給付率について

基本手当でもらえる金額は、「基本手当日額」として計算されます。基本手当日額は、退職前6ヶ月間の賃金総額を180で割った「賃金日額」に、給付率(45%~80%)を掛けて算出されます。給付率は年齢と賃金日額によって異なり、一般的に退職前の賃金が低いほど高い給付率(最大80%)が、賃金が高いほど低い給付率(最低45%~50%)が適用される仕組みです。

また、基本手当日額には年齢別の上限額が設定されています。2025年8月1日以降、30歳未満は7,255円、30歳以上45歳未満は8,055円、45歳以上60歳未満は8,870円、60歳以上65歳未満は7,623円が上限です。そのため、高収入だった方でも、受け取れる日額には上限がある点に留意が必要です。たとえば、賃金日額が15,000円の45歳の方の場合、給付率を50%として計算すると7,500円となりますが、上限が8,635円のため、この金額が基本手当日額となります。

失業保険 総額シミュレーター

失業保険 総額シミュレーター

※計算は概算です。
正確な金額・給付日数とは異なる場合があります。
自己都合退職の場合
雇用保険の加入期間 給付日数
1年以上10年未満 90日
10年以上20年未満 120日
20年以上 150日
※表は横スクロールできます
会社都合退職・特定理由離職者の場合
雇用保険の加入期間
年齢 1年未満 1年以上5年未満 5年以上10年未満 10年以上20年未満 20年以上
29歳以下 90日 90日 120日 180日
30~34歳 90日 120日 180日 210日 240日
35~44歳 90日 150日 180日 240日 270日
45~59歳 90日 180日 240日 270日 330日
60~64歳 90日 150日 180日 210日 240日
※表は横スクロールできます

離職理由や年齢・加入期間別の給付日数の違い

実際に受け取れる総額は、基本手当日額に給付日数を掛けた金額です。給付日数は、離職理由、年齢、雇用保険の被保険者期間によって大きく異なります。自己都合退職(一般受給資格者)の場合、被保険者期間が10年未満で90日、10年以上20年未満で120日、20年以上で150日となります。

一方、会社都合退職(特定受給資格者)の場合は、年齢と被保険者期間によって90日~330日の範囲で給付日数が設定されます。たとえば、45歳以上60歳未満で被保険者期間が20年以上の場合は330日となります。また、就職困難者(障害者、うつ病などで就職が特に困難な方)の場合は、さらに手厚い給付日数(150日~360日)が適用される可能性があります。このように、個人の状況により給付日数は大きく変動します。

具体的な計算例|ケース別のシミュレーション

具体的な受給額をイメージしやすくするため、いくつかのケースでシミュレーションしてみましょう。なお、以下は制度説明のための計算例であり、実際の受給額を示すものではありません

ケース1:30歳・自己都合退職・被保険者期間5年・月給25万円の場合
賃金日額は約8,333円(25万円×6ヶ月÷180日)、給付率を約60%とすると基本手当日額は約5,000円となります。給付日数は90日のため、総額は約45万円(5,000円×90日)となる可能性があります。

ケース2:45歳・会社都合退職・被保険者期間15年・月給30万円の場合
賃金日額は約10,000円、給付率を約50%とすると基本手当日額は約5,000円、給付日数は240日のため、総額は約120万円(5,000円×240日)となる可能性があります。

※上記はあくまで一例であり、実際の受給額は個人の賃金額、被保険者期間、年齢、離職理由等により大きく異なります。また、ハローワークでの審査結果により受給できない場合もあります。詳しくはハローワークにお問い合わせください。

どこに申請する?退職後にもらえる給付金の手続きと必要書類

申請先はハローワーク|住所地を管轄する窓口へ

退職後にもらえる給付金の申請は、お住まいの住所地を管轄するハローワーク(公共職業安定所)で行います。ハローワークは全国に設置されており、厚生労働省の公式サイトやハローワークのホームページで、お住まいの地域を管轄する窓口を検索できます。なお、勤務先の所在地ではなく、あなたが実際に住んでいる住所地を管轄するハローワークでの手続きが原則です。

初回の手続きでは、求職申込みと雇用保険の受給資格決定を同時に行います。この際、窓口で離職理由の確認や受給資格の審査が行われ、問題がなければ受給資格が決定されます。その後、7日間の待期期間を経て、自己都合退職の場合はさらに1ヶ月間の給付制限期間(2025年4月以降)を経てから、実際の給付が開始される流れです。

必要な書類一覧|離職票や本人確認書類など

ハローワークでの手続きには、いくつかの書類が必要です。まず最も重要なのが、退職した会社から交付される「雇用保険被保険者離職票(離職票-1と離職票-2)」です。離職票には、退職日や退職理由、退職前6ヶ月間の賃金などが記載されており、受給資格を判断する基本資料となります。離職票は退職後10日~2週間程度で会社から郵送されることが多いですが、会社の対応状況により前後する場合があります。会社は離職日の翌々日から10日以内にハローワークへ提出する義務がありますが、2週間以上経過しても届かない場合は会社またはハローワークにご相談ください。

その他の必要書類として、個人番号確認書類(マイナンバーカードまたは通知カード)、身分証明書(運転免許証やマイナンバーカードなど)、写真(縦3cm×横2.5cm、正面上半身、3ヶ月以内に撮影したもの)2枚、印鑑、本人名義の預金通帳またはキャッシュカード(給付金の振込先)が必要です。これらの書類を事前に揃えておくことで、スムーズに手続きを進めることができます。

手続きの流れ|離職から受給開始までのステップ

退職後にもらえる給付金を受給するまでの一般的な流れをご説明します。まず、退職後に会社から離職票が届いたら、できるだけ早くハローワークで求職申込みと受給資格決定の手続きを行います。この際、7日間の待期期間がスタートし、この期間中は失業状態であることが確認されます

自己都合退職の場合は、待期期間の後にさらに1ヶ月間の給付制限期間があります。給付制限期間が終了した後、最初の「雇用保険受給説明会」に参加し、受給の仕組みや求職活動について説明を受けます。その後、原則として4週間に1回の失業認定日にハローワークに出向き、求職活動の実績を報告します。認定を受けると、約1週間後に指定した口座に給付金が振り込まれる流れです。この失業認定を繰り返し、所定給付日数分の給付を受け取ることができます。

2025年4月の法改正|自己都合退職の給付制限期間が短縮

給付制限期間が2ヶ月から1ヶ月に短縮される背景

2025年4月に実施された雇用保険法の改正により、自己都合退職者の給付制限期間が2ヶ月から1ヶ月に短縮されました。これは、労働者の転職やキャリアアップを促進し、より柔軟な働き方を支援する目的で実施された改正です。以前は3ヶ月だった給付制限期間が2020年に2ヶ月に短縮され、今回さらに1ヶ月に短縮されたことで、自己都合退職者でも退職後約1.5ヶ月程度で失業保険の受給が開始できるようになりました。

この改正の背景には、労働市場の流動化や、スキルアップのための転職を支援する社会的なニーズがあります。ただし、過去5年間に2回以上の正当な理由のない自己都合退職を行い受給資格決定を受けた場合は、給付制限期間が3ヶ月となるため、頻繁な転職による失業保険の受給には制限が設けられています。

教育訓練受講による給付制限解除の新制度

2025年の法改正では、もう一つ重要な変更点があります。それは、自己都合退職者が教育訓練を受講する場合、給付制限期間を経ずに失業保険の受給を開始できる制度が新たに設けられた点です。具体的には、厚生労働大臣が指定する教育訓練(公共職業訓練や求職者支援訓練など)を受講する場合、待期期間終了後すぐに基本手当の支給が開始されます。

この制度は、退職後に新たなスキルを身につけて再就職を目指す方を支援するために導入されました。教育訓練を受講することで、給付制限期間なく失業保険を受給しながらスキルアップできるため、キャリアチェンジを考えている方にとって有利な選択肢となります。ただし、この制度を利用するには、ハローワークでの職業相談や受講指示を受ける必要があるため、詳細は管轄のハローワークでご確認ください。

パート・アルバイトも退職後にもらえる給付金はある?加入条件を確認

雇用保険の加入条件|週20時間以上・31日以上の雇用見込み

パートやアルバイトの方でも、一定の条件を満たしていれば雇用保険に加入でき、退職後にもらえる給付金を受け取ることができます。雇用保険の加入条件は、週の所定労働時間が20時間以上であること、そして31日以上引き続き雇用される見込みがあることの2点です。この条件を満たしていれば、正社員と同様に雇用保険に加入し、退職後に失業保険などの給付金を受給できる可能性があります。

雇用保険に加入しているかどうかは、毎月の給与明細で「雇用保険料」が控除されているかを確認することでわかります。もし加入条件を満たしているにもかかわらず雇用保険に加入していない場合は、会社に加入手続きを依頼することができます。また、過去にさかのぼって加入が認められる場合もあるため、不明な点があればハローワークに相談してみることをおすすめします。

正社員との違いや受給要件の注意点

パート・アルバイトの方が退職後にもらえる給付金を受給する際、基本的な要件は正社員と同じですが、いくつか注意すべき点があります。まず、被保険者期間の計算方法は正社員と同様で、賃金支払いの基礎となった日数が11日以上ある月、または80時間以上働いた月が1ヶ月とカウントされます。そのため、シフト制で働いている場合、月によって労働日数や時間が変動すると、被保険者期間として認められない月が出てくる可能性があります。

また、基本手当日額は退職前6ヶ月間の賃金をもとに計算されるため、パート・アルバイトで収入が少ない場合は、受給額も少なくなります。たとえば、月給10万円程度の場合、基本手当日額は3,000円前後となる可能性があります。ただし、給付率は賃金が低いほど高く設定されているため、収入に対する保障の割合は比較的手厚くなっています。このように、パート・アルバイトでも条件を満たせば制度を活用できますが、正社員とは受給額が異なる点を理解しておくことが大切です。

退職後にもらえる給付金のデメリットや注意すべきポイント

受給中の制限事項|求職活動実績が必要な理由

失業保険を受給している期間中は、いくつかの制限や義務が発生します。まず、4週間に1回の失業認定日には必ずハローワークに出向き、求職活動の実績を報告する必要があります。認定対象期間中に原則2回以上の求職活動実績がないと、その期間の給付が受けられない場合があります。なぜなら、失業保険は「働く意思があり、求職活動を行っている方」を支援する制度だからです。

また、受給中にアルバイトなどで収入を得た場合は、必ず申告する必要があります。収入額や労働時間によっては、その分の給付が減額されたり、受給日数が後ろにずれたりすることがあります。さらに、受給中に病気やケガで働けなくなった場合、失業状態とは認められなくなるため、受給が一時停止される可能性もあります。このように、受給するには一定の制約があることを理解しておくことが大切です。

悪質な退職後にもらえる給付金のサポート業者に注意

近年、「退職後にもらえる給付金が大幅に増える」「誰でも簡単に高額受給できる」といった誇大広告で勧誘する悪質な業者が増えています。これらの業者は、実際には受給資格がない方に対して虚偽の診断書を用意したり、不正な申請方法を指南したりする場合があります。しかし、このような不正受給は犯罪行為であり、発覚した場合は給付金の返還だけでなく、刑事罰の対象となる可能性もあります。

正規の退職後にもらえる給付金は、あくまで雇用保険制度に基づいて支給されるものであり、個人の状況により受給額は大きく異なります。「必ず○○万円もらえる」「特別な方法で受給額が増える」といった断定的な表現をする業者には十分注意してください。給付金の申請は、基本的にハローワークで無料で相談・手続きができます。不安な点や疑問点がある場合は、まずハローワークや社会保険労務士などの信頼できる専門家に相談することをおすすめします。

税金や社会保険料との関係について

失業保険(基本手当)は、所得税や住民税の課税対象にはなりません。そのため、失業保険を受給したことで翌年の税金が増えることはありません。ただし、失業保険を受給している期間中は、国民健康保険料や国民年金保険料は自己負担となります

退職前に会社の健康保険に加入していた場合、退職後は国民健康保険に加入するか、会社の健康保険を任意継続(最長2年間)するか選択できます。国民健康保険料は前年の所得に基づいて計算されるため、退職直後は保険料が高額になる場合があります。また、国民年金保険料は月額17,510円(2025年度)ですが、所得が低い場合は免除・猶予制度を利用できる可能性があります。このように、失業保険を受給している間も、社会保険料の負担は続くため、生活設計に組み込んでおくことが重要です。

よくある質問|退職後にもらえる給付金に関する疑問にお答えします

退職後にもらえる給付金の条件は?雇用保険加入期間が重要

退職後にもらえる給付金の基本的な条件は、雇用保険に加入していたこと、一定期間以上の被保険者期間があること、そして失業状態にあることです。一般的な自己都合退職の場合、離職前2年間に被保険者期間が通算12ヶ月以上必要です。会社都合退職の場合は、離職前1年間に6ヶ月以上の被保険者期間があれば受給資格が得られます。

また、失業状態とは、働く意思と能力があるにもかかわらず職業に就けない状態を指します。そのため、ハローワークで求職の申し込みを行い、定期的に求職活動を行っていることが条件となります。病気やケガで働けない場合、すぐに家業を手伝う場合、学業に専念する場合などは、失業状態とは認められないため、受給できない点にご注意ください。

退職金と退職後にもらえる給付金の違いは何ですか?

退職金は企業が独自に設けている制度で、勤続年数や給与などに基づいて企業から支給されるものです。一方、退職後にもらえる給付金は国の雇用保険制度に基づいて支給される給付金の総称で、失業保険や再就職手当などが含まれます。つまり、退職金は「企業からもらうお金」、退職後にもらえる給付金は「国からもらうお金」という違いがあります。

退職金の有無や金額は企業によって異なり、退職金制度がない企業も存在します。一方、退職後にもらえる給付金は雇用保険に加入し条件を満たしていれば、どの企業を退職した場合でも受給できる可能性があります。また、退職金と退職後にもらえる給付金は別々の制度のため、両方を同時に受け取ることも可能です。財源も異なり、退職金は企業の資金、退職後にもらえる給付金は雇用保険料が財源となっています。

退職後にもらえる給付金のデメリットはありますか?制度利用時の注意点

退職後にもらえる給付金(特に失業保険)を受給すること自体に大きなデメリットはありませんが、いくつか注意すべき点があります。まず、受給中は定期的にハローワークでの失業認定を受ける必要があり、求職活動の実績を報告する義務があります。これを怠ると給付が停止される可能性があります。また、受給中にアルバイトなどで収入を得た場合は申告が必要で、収入額によっては給付が減額される場合があります。

さらに、失業保険を受給している期間中は、老齢厚生年金や退職共済年金が全額支給停止になる場合があります。60歳以上で年金を受給している方は、この点を考慮する必要があります。また、国民健康保険料や国民年金保険料は自己負担となるため、失業保険の給付額だけでは生活が厳しい場合もあります。このように、制度を利用する際は、ご自身の状況に応じたメリット・デメリットを総合的に判断することが大切です。

退職時に国から貰えるお金にはどんな種類がある?

退職時に国から受け取れる可能性のあるお金には、いくつかの種類があります。最も基本的なのが失業保険(基本手当)で、退職後の生活を支える給付金です。早期に再就職が決まり、かつ複数の受給要件をすべて満たす場合、ハローワークの審査により再就職手当が支給される場合があります。

また、資格取得やスキルアップのために教育訓練を受講した場合は、教育訓練給付金として受講費用の一部が支給されます。職業訓練を受ける場合は、職業訓練受講給付金(月額10万円+交通費)が支給される場合もあります。65歳以上の方には高年齢求職者給付金、季節的業務に従事していた方には特例一時金など、個別の状況に応じた制度も用意されています。これらの給付金は併用できるものもあれば、併用できないものもあるため、詳しくはハローワークでご確認ください。

自己都合退職でも失業保険はもらえますか?

自己都合退職でも、条件を満たせば失業保険を受給できます。具体的には、離職前2年間に雇用保険の被保険者期間が通算12ヶ月以上あること、失業状態にあること、ハローワークで求職の申し込みを行っていることが必要です。ただし、自己都合退職の場合は、7日間の待期期間の後に1ヶ月間の給付制限期間(2025年4月以降)があります。

そのため、実際に給付が開始されるのは退職後約1.5ヶ月後となります。また、給付日数は会社都合退職に比べて少なく、被保険者期間が10年未満で90日、10年以上20年未満で120日、20年以上で150日です。なお、病気や介護、配偶者の転勤など正当な理由がある自己都合退職の場合は「特定理由離職者」として扱われ、被保険者期間6ヶ月で受給資格が得られるなど、条件が緩和される場合があります。

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※実際の手続きはご本人様がハローワークで行っていただく必要があります。受給の可否及び金額は、ハローワークでの審査により決定されます。

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