適応障害で退職を検討されている方の中には、退職の伝え方や退職後の生活について知りたいとお考えの方もいらっしゃるかもしれません。適応障害は、職場環境や人間関係などのストレスが原因で心身に不調をきたす状態であり、治療に専念するために退職を選択することは決して「逃げ」ではありません。
この記事では、適応障害での退職を検討している方に向けて、退職の伝え方から手続きの流れ、退職後に利用できる制度、そして回復後の再就職まで、段階的に解説していきます。まずは落ち着いて、ご自身の状況に合った選択肢を見つけていきましょう。
※本記事内の各種受給例はあくまでも一例であり、実際は個人の状況により異なる可能性がございます。正確な金額はハローワークでご確認ください。

適応障害で退職を決めたら|まず確認すべき3つのステップ
適応障害で退職を考えたとき、いきなり退職届を出すのではなく、まずは準備を整えることが大切です。
なぜなら、事前の準備によって退職がスムーズに進むだけでなく、退職後の生活を支える制度を適切に活用できる可能性が高まるからです。ここでは、退職を決めた際にまず確認すべき3つのステップをご紹介します。
医師への相談と診断書の取得|退職前に準備しておくべきこと
退職を決める前に、まずは医師に相談することをおすすめします。なぜなら、医師の診断によって適応障害であることが正式に認められ、診断書を取得することで、会社側に退職の理由を客観的に説明する材料となる場合があります。診断書には、症状の内容や就労が困難な理由、療養が必要な期間などが記載されており、退職の正当な理由として提出することができます。
また、診断書は退職後の給付金申請においても重要な書類となる場合があります。心療内科や精神科を受診し、現在の症状や職場での状況を正直に伝えて、診断書の発行を依頼してみてください。
就業規則の確認|退職までの必要期間と手続きを把握する
退職を決めたら、次に会社の就業規則を確認しましょう。なぜなら、退職の申し出から退職日までの期間は会社によって異なり、就業規則で定められているからです。民法上は退職の2週間前までに意思表示をすれば退職できるとされていますが、就業規則で「退職の1ヶ月前までに申し出ること」などと定められている場合もあります。
就業規則を確認することで、退職までのスケジュールを立てやすくなり、トラブルを避けることができます。また、有給休暇の残日数や退職金の有無についても、この段階で確認しておくと安心です。
休職制度の有無を確認|退職以外の選択肢も検討
退職を決める前に、会社の休職制度についても確認してみてください。なぜなら、休職という選択肢を利用することで、雇用関係を維持したまま治療に専念できる可能性があるからです。一般的に休職期間は3ヶ月から6ヶ月程度で、必要に応じて延長できる場合もあります。
休職中は傷病手当金を受給できる可能性があり、給与の約3分の2に相当する金額を受け取れるケースがあります。一方で、休職期間が終了しても症状が改善しない場合は、改めて退職を検討する必要があります。まずは人事部や産業医に相談し、ご自身の状況に合った選択肢を検討してみてはいかがでしょうか。

適応障害での退職の伝え方|上司への切り出し方と具体的な例文
退職の意思を固めたら、次は上司にどう伝えるかが大きな課題となります。適応障害での退職は、体調に関わるデリケートな問題であるため、伝え方に悩む方も多いでしょう。
ここでは、退職を伝える際のタイミングや具体的な言い方について解説します。
誰にいつ伝えるか|直属の上司への報告タイミング
退職の意思は、まず直属の上司に伝えるのが基本です。なぜなら、組織のルール上、上司を飛び越えて人事部や経営層に直接伝えると、上司との信頼関係を損ねる可能性があるからです。伝えるタイミングとしては、就業規則で定められた期間を守りつつ、できるだけ早めに伝えることが望ましいでしょう。
また、体調が優れない場合は、無理に対面で伝える必要はありません。メールや電話で事前に相談の意向を伝え、面談の日時を調整するという方法もあります。大切なのは、ご自身の体調を最優先にしながら、適切なタイミングで伝えることです。
適応障害を理由に伝える場合の具体的な言い方
適応障害であることを明かして退職を伝える場合、正直に状況を説明することで理解を得やすくなる可能性があります。例えば、下記のような伝え方が考えられます。
「医師から適応障害と診断されまして、治療に専念するために退職させていただきたいと考えております」
このとき、診断書を持参すると、より説得力が増すでしょう。ただし、適応障害であることを伝えるかどうかは、あなた自身が決めることです。無理に詳細を説明する必要はなく、ご自身が話しやすい範囲で伝えることが大切です。
健康上の理由として伝える場合の例文
適応障害であることを具体的に伝えたくない場合は、「健康上の理由」として伝えることもできます。例えば、下記のような伝え方が一般的です。
「一身上の都合により退職させていただきたいのですが、実は健康上の理由で治療に専念する必要がございます」
また、「体調不良が続いており、医師からも休養が必要と言われておりますので、退職を決意いたしました」といった表現も自然です。健康上の理由として伝える場合でも診断書があれば提出することで、会社側の理解を得やすくなる場合があります。大切なのは、無理のない範囲で誠実に伝えることです。
診断書を提出するタイミングと効果
診断書を提出するタイミングは、退職の意思を伝える際、または退職届を提出する際が適切です。なぜなら、診断書があることで、退職が単なる個人的な理由ではなく、医学的な根拠に基づいた判断であることを示せるからです。診断書には、病名や症状、就労が困難である理由、療養期間の見込みなどが記載されており、会社側が退職の必要性を理解する材料となります。
また、診断書は退職後の給付金申請においても活用できる場合があります。ただし、診断書の提出は必須ではありませんので、ご自身の状況に応じて判断してください。

適応障害で即日退職する方法|法律上の条件と実践手順
体調が限界に達している場合、「今すぐにでも退職したい」と考える方もいるでしょう。法律上、民法第628条では「やむを得ない事由」がある場合に即時の契約解除が認められていますが、この「やむを得ない事由」は非常に限定的に解釈されます。
適応障害であることのみをもって自動的に認められるわけではありません。ここでは、即日退職に関する基本的な考え方と、実際の手続き方法について解説します。
やむを得ない事由による即日退職が認められるケース
民法第628条では、「やむを得ない事由」がある場合、即時に雇用契約を解除できると定められています。ただし、この「やむを得ない事由」は非常に限定的に解釈され、裁判等で個別に判断されます。
適応障害であることのみをもって自動的に認められるわけではありません。即日退職を希望される場合は、まず会社側と誠実に協議し、有給休暇の活用や退職日の調整を行うことをお勧めします。協議が困難な場合は、診断書を用意して弁護士にご相談ください。
有給休暇を使った実質的な即日退職の方法
即日退職の合意が得られない場合でも、有給休暇が残っている場合は、それを活用することで実質的な即日退職が可能になります。例えば、退職の意思を伝えた日から退職日までの期間を、すべて有給休暇で消化するという方法です。この場合、退職届には退職日を記載しつつ、「退職日まで有給休暇を取得させていただきます」と伝えることで、実際には会社に出勤することなく退職できます。
有給休暇は労働者の権利ですので、会社側は原則として拒否することはできません。ただし、円満な退職のためには、可能な範囲で引き継ぎ資料を用意するなどの配慮があるとよいでしょう。
弁護士への相談|退職意思表示の代理
どうしても自分で退職を伝えることが難しい場合は、弁護士に相談するという選択肢もあります。弁護士は、退職の意思表示の代理や、会社との交渉を適法に行うことができます。
まずは退職代行業者に相談し、ご自身の状況を説明します。
サービス内容に納得したら委任契約を結び、費用を支払います。費用は事務所により異なりますので、事前にご確認ください。
弁護士があなたに代わって会社に退職の意思を伝え、必要に応じて交渉を行います。
なお、弁護士資格を持たない業者が退職の交渉や会社との法的なやり取りを行うことは、弁護士法により禁止されています。退職に関する法的な問題がある場合は、必ず弁護士にご相談ください。

退職届の書き方と提出方法|適応障害の場合の記載例
退職の意思を伝えた後は、正式な書類として退職届を提出する必要があります。退職届は退職の意思を明確に示す重要な書類ですので、正しい書き方を理解しておきましょう。
退職届に書くべき内容|一身上の都合で問題ない理由
退職届には、基本的に「一身上の都合により退職いたします」という記載で問題ありません。なぜなら、退職理由の詳細を記載する義務はなく、プライバシーに配慮した簡潔な表現が一般的だからです。適応障害であることを明記する必要はありませんが、希望する場合は「健康上の理由により」と記載することもできます。
退職届には、宛名(代表取締役社長など)、提出日、退職日、自分の所属部署と氏名、押印を忘れずに記載してください。退職日は、就業規則に従った日付を記載し、会社側と合意した日付にすることが大切です。
退職届の提出方法|手渡し・郵送・メールそれぞれの注意点
退職届の提出方法は、手渡し、郵送、メールなど複数の方法がありますが、会社の指定に従うのが基本です。
- 手渡しの場合:直属の上司または人事部に直接渡し、受領の確認を取る
- 郵送の場合:配達記録が残る「簡易書留」や「特定記録郵便」を利用する
- メールの場合:件名を明記し、本文に退職の意思と退職日を明確に記載、PDFファイルを添付
いずれの方法でも、提出の証拠を残しておくことが重要です。
引き止められた場合の対応|退職の意思を明確に伝える方法
退職の意思を伝えた際、会社側から引き止められることがあります。しかし、退職は労働者の権利であり、会社側が一方的に拒否することはできません。引き止められた場合は、下記のように丁寧かつ毅然とした態度で意思を伝えることが大切です。
「ご配慮いただきありがとうございます。しかし、健康上の理由から退職の決意は変わりません」
何度も引き止められて困る場合は、退職届を内容証明郵便で送付するという方法もあります。内容証明郵便は、いつ、誰が、誰に、どのような内容の書類を送ったかを郵便局が証明してくれるため、法的な証拠として有効です。ご自身の体調を最優先に、無理のない方法で退職の意思を貫いてください。

退職手続きの流れ|退職日までにやるべきことリスト
退職届を提出した後は、退職日に向けてさまざまな手続きを進める必要があります。ここでは、退職日までにやるべきことを順を追って解説します。
退職願提出から退職日までの基本的な流れ
退職願(または退職届)を提出した後、一般的には以下のような流れになります。
- 上司との面談で退職日や引き継ぎ方法について相談
- 人事部から退職に関する書類(退職合意書、誓約書など)の提出を求められた場合は、内容を確認して提出
- 後任者への業務引き継ぎを実施
- 最終出勤日に会社から支給された物品(社員証、名刺、パソコンなど)を返却
- 退職日が到来し、正式に退職
- 後日、離職票や源泉徴収票などの書類が郵送される
この流れを把握しておくことで、スムーズに退職手続きを進められます。
業務引き継ぎの進め方|体調に配慮した引き継ぎ方法
適応障害で退職する場合、業務引き継ぎが体調の負担になることもあります。そのため、無理のない範囲で引き継ぎを行うことが大切です。対面での引き継ぎが難しい場合は、業務マニュアルや引き継ぎ資料を作成して渡すという方法もあります。また、引き継ぎ期間を短縮したい場合は、上司に相談して有給休暇を活用することも検討してください。
大切なのは、ご自身の体調を最優先にしながら、できる範囲で誠実に対応することです。会社側も、適応障害という健康上の理由を理解してくれる可能性がありますので、まずは相談してみましょう。
離職票や源泉徴収票など必要書類の受け取り確認
退職後に必要となる重要な書類がいくつかあります。
- 雇用保険被保険者離職票:失業保険を受給する際に必須(退職後10日~2週間程度で郵送)
- 源泉徴収票:年末調整や確定申告に必要
- 雇用保険被保険者証:次の就職先への提出に必要
- 年金手帳:会社に預けていた場合は返却してもらう
これらの書類は、退職後の給付金申請や再就職の際に必要となりますので、大切に保管しましょう。もし離職票が届かない場合は、会社の人事部に連絡して発行を依頼してください。
健康保険証の返却と年金・保険の切り替え手続き
退職日までに、会社から支給されていた健康保険証を返却する必要があります。健康保険証は退職日の翌日から使用できなくなりますので、忘れずに返却してください。退職後は、以下のいずれかを選択します。
- 国民健康保険に加入
- 会社の健康保険を任意継続
- 家族の扶養に入る
国民健康保険に加入する場合は、退職後14日以内にお住まいの市区町村役場で手続きを行ってください。また、厚生年金から国民年金への切り替え手続きも同様に、市区町村役場で行います。これらの手続きを怠ると、医療費が全額自己負担になったり、将来の年金受給に影響が出たりする可能性がありますので、早めに対応しましょう。

退職後に受け取れる給付金の申請手順|傷病手当金と失業保険
退職後の生活を支えるために、条件を満たした場合に受け取れる給付金制度があります。ここでは、主な給付金制度とその申請方法について解説します。
傷病手当金の申請方法|必要書類と受給開始までの期間
傷病手当金は、病気やケガで働けなくなった場合に、健康保険から支給される給付金です。退職前から受給しており、かつ退職日まで被保険者期間が継続して1年以上あるなど、厳格な要件を満たす場合に限り、退職後も継続受給できる場合があります。
- 健康保険の被保険者であること
- 業務外の病気やケガで労務不能と認められること
- 連続して3日以上休んでいること(待期期間)
- 給与の支払いがないこと
給付額は、標準報酬日額の3分の2相当額が支給される場合があります。ただし、上限額の設定や個別の状況により異なります。支給期間は最長1年6ヶ月間です。申請には、「傷病手当金支給申請書」「医師の意見書」「出勤簿のコピー」などが必要です。詳細は加入されている健康保険組合または協会けんぽにご確認ください。
失業保険の申請手続き|ハローワークでの手続きの流れ
失業保険(正式には「雇用保険の基本手当」)は、離職後に求職活動を行う方を支援する制度です。受給条件としては、離職日以前の2年間に雇用保険の被保険者期間が通算12ヶ月以上あること、就職する意思と能力があることなどが必要です。
離職票を持参してハローワークで求職の申し込みを行います。
離職票を提出し、受給資格があるかどうかの決定を受けます。
受給資格決定後、7日間の待機期間を経過します。
指定された日時に説明会に参加し、受給の手続きについて説明を受けます。
定期的に失業の認定を受けることで、給付が開始されます。
給付額は離職前の賃金日額をもとに算定され、一般的に50%~80%の範囲となりますが、年齢や賃金額により上限・下限が設定されています。給付日数は年齢や被保険者期間により異なります。
特定理由離職者としての認定|給付制限について
通常、自己都合で退職した場合、失業保険の給付には7日間の待機期間に加えて、原則1ヶ月間の給付制限期間があります(ただし、過去5年以内に2回以上自己都合退職を繰り返している場合は3ヶ月間)。
雇用保険制度には「特定理由離職者」という区分があり、一定の条件を満たす場合には給付制限期間が適用されないことがあります。ただし、適応障害での退職が自動的に該当するわけではなく、ハローワークが離職理由や就労可能性などを個別に審査して判断します。
医師の診断書がある場合でも、就労可能と判断されれば認定されない場合があります。認定の可否は個人の状況により大きく異なりますので、ハローワークの窓口で離職票を提出する際に、診断書等の資料をお持ちいただき、個別にご相談されることをおすすめします。
自立支援医療制度の申請|医療費負担を1割に軽減する方法
自立支援医療制度は、精神疾患の治療を継続的に受ける方の医療費負担を軽減する制度です。通常、医療費の自己負担は3割ですが、この制度を利用することで、医療費の自己負担が原則1割に軽減されます。ただし、世帯の所得状況により月額負担上限額が設定される場合や、制度の対象とならない場合もあります。対象となるのは、精神科や心療内科での通院治療(診察、投薬、デイケアなど)で、入院費用は対象外です。
- 自立支援医療費支給認定申請書
- 医師の診断書
- 健康保険証のコピー
- マイナンバーが確認できる書類
お住まいの市区町村の障害福祉担当窓口で手続きを行ってください。認定されると、「自立支援医療受給者証」が交付され、指定された医療機関での治療費が軽減されます。治療が長期化する可能性がある場合は、早めに申請を検討してみてはいかがでしょうか。

適応障害で退職した後の具体的な過ごし方
退職後は、まず治療と回復に専念することが最優先です。ここでは、退職後の過ごし方について、段階的に解説します。
退職直後の1〜2ヶ月|治療と休養に専念する期間
退職直後の1〜2ヶ月は、とにかく休養に専念する時期です。なぜなら、適応障害からの回復には、心身を十分に休めることが何より大切だからです。この期間は、「何もしなくてはいけない」という焦りを手放し、ゆっくりと過ごすことを心がけてください。医師の指示に従って治療を継続し、必要であれば薬物療法やカウンセリングを受けましょう。
また、睡眠時間を十分に確保し、栄養バランスの取れた食事を摂ることも大切です。焦って次の仕事を探したり、無理に活動的になったりする必要はありません。まずは、ご自身の体調の回復を最優先にしてください。
回復期の過ごし方|生活リズムを整えるための具体的な方法
症状が少しずつ落ち着いてきたら、生活リズムを整えることを意識してみましょう。
- 毎日決まった時間に起床して朝日を浴びる
- 3食を規則正しく摂る
- 軽い散歩やストレッチなどの運動を取り入れる
- 趣味や好きなことを少しずつ再開する
なぜなら、規則正しい生活リズムは、自律神経を整え、心の安定につながるからです。ただし、無理は禁物です。体調が優れない日は休む、疲れを感じたら早めに休息を取るなど、ご自身のペースを大切にしてください。焦らず、一歩ずつ前に進んでいきましょう。
社会復帰の準備|段階的に活動範囲を広げるステップ
回復が進んできたら、段階的に社会復帰に向けた準備を始めることができます。まずは外出の頻度を増やしたり、図書館やカフェなど人がいる場所で過ごしてみたりするところから始めてみてください。次に、ボランティア活動や短時間のアルバイトなど、負担の少ない活動にチャレンジしてみるのもよいでしょう。
これらの活動を通じて、少しずつ社会との接点を増やしていくことで、自信を取り戻すことができます。また、就労移行支援事業所などの支援機関を利用することも検討してみてください。専門スタッフのサポートを受けながら、職場復帰に向けたトレーニングを行うことができます。大切なのは、無理のないペースで進めることです。

再就職に向けた準備と活用できる支援サービス
適応障害から回復し、再び働くことを考え始めたら、再就職に向けた準備を進めていきましょう。ここでは、再就職活動のタイミングや活用できる支援サービスについて解説します。
転職活動を始める適切なタイミングの見極め方
転職活動を始めるタイミングは、医師と相談しながら慎重に判断することが大切です。なぜなら、まだ回復が不十分な状態で就職活動を始めてしまうと、再び体調を崩すリスクがあるからです。一般的な目安としては、症状が安定し、規則正しい生活が送れるようになり、医師から就労可能という判断を得られた段階が望ましいでしょう。
また、「働きたい」という前向きな気持ちが自然に湧いてくることも、一つの目安になります。焦らず、ご自身の回復状況を見極めながら、適切なタイミングで活動を開始してください。
ハローワークでの求職活動|専門窓口の活用方法
ハローワークには、障害者や難病患者の就職を支援する専門窓口があります。適応障害で退職した経験がある場合、こうした専門窓口を利用することで、より丁寧なサポートを受けられる可能性があります。専門窓口では、就職相談、職業紹介、職場定着支援などのサービスを受けることができます。
また、障害者手帳を持っていなくても相談できる場合がありますので、まずは窓口に問い合わせてみてください。ハローワークの職員は、あなたの状況に合った求人を探したり、履歴書の書き方や面接のアドバイスをしてくれたりします。一人で悩まず、専門家のサポートを受けながら就職活動を進めることをおすすめします。
就労移行支援事業所の利用|職場復帰に向けたトレーニング
就労移行支援事業所は、障害や病気のある方の就職をサポートする福祉サービスです。事業所では、ビジネスマナーやパソコンスキルなどの職業訓練、模擬就労体験、就職活動のサポート、就職後の定着支援などを受けることができます。利用期間は原則2年間で、条件を満たせば無料または低額で利用できる場合があります。
適応障害から回復して再就職を目指す方にとって、段階的に働く準備を整えられる有効なサービスです。お住まいの市区町村の障害福祉担当窓口やハローワークで、利用方法について相談してみてはいかがでしょうか。
転職時の履歴書・面接での伝え方|適応障害歴の開示・非開示
転職活動において、適応障害で退職した経験を伝えるかどうかは、悩ましい問題です。結論から言えば、法律上、病歴を開示する義務はありません。ただし、開示することで配慮を得られる可能性がある一方、開示しないことで心理的な負担を軽減できる場合もあります。
- 開示する場合:「以前、適応障害で退職しましたが、現在は完全に回復し、医師からも就労可能と言われています」と前向きに伝える
- 開示しない場合:「前職では○○の理由で退職しましたが、今は新しい環境で挑戦したいと考えています」と説明
開示する場合は、再発防止のために自分なりに工夫していることを伝えると、企業側も安心します。ご自身の状況や応募先企業の雰囲気に応じて、判断してください。

よくある質問|適応障害での退職手続きに関する疑問

ここでは、適応障害での退職に関してよくある質問にお答えします。
適応障害で退職する理由はどう説明すればいいですか?
退職理由の説明方法は、状況に応じて選択できます。適応障害であることを伝える場合は、「医師から適応障害と診断され、治療に専念する必要があるため」という説明が考えられます。
一方、詳細を伝えたくない場合は、「健康上の理由により」または「一身上の都合により」という表現でも問題ありません。大切なのは、ご自身が納得できる形で、誠実に伝えることです。
適応障害での退職の伝え方で診断書は必要ですか?
診断書の提出は法律上必須ではありませんが、提出することで退職の正当性を示しやすくなる場合があります。特に、即日退職を希望する場合や、会社側の理解を得たい場合は、診断書があると説得力が増します。
また、診断書は退職後の給付金申請においても役立つ可能性がありますので、医師に相談して取得を検討してみてください。
退職を伝えた後に引き止められた場合はどうすればいいですか?
退職は労働者の権利ですので、会社側が一方的に拒否することはできません。引き止められた場合は、「ご配慮いただきありがとうございますが、健康を最優先に考え、退職の決意は変わりません」と丁寧かつ毅然とした態度で伝えてください。
それでも対応が難しい場合は、退職届を内容証明郵便で送付する、または退職代行サービスを利用するという選択肢もあります。
適応障害で退職したことは次の転職先にバレますか?
適応障害で退職したという事実は、あなた自身が伝えない限り、基本的に転職先に知られることはありません。なぜなら、前職の会社は守秘義務があり、勝手に病歴を開示することはできないからです。
ただし、傷病手当金の受給歴や雇用保険の受給状況から、何らかの事情があったことを推測される可能性はゼロではありません。とはいえ、病歴の開示義務はありませんので、ご自身の判断で開示の有無を決めることができます。
退職後の失業保険はいつから受給できますか?
失業保険の受給開始時期は、退職理由によって異なります。通常の自己都合退職の場合、ハローワークでの手続き後、7日間の待機期間に加えて原則1ヶ月間の給付制限期間があります(ただし、過去5年以内に2回以上自己都合退職を繰り返している場合は3ヶ月間)。
しかし、適応障害などの病気が理由で退職した場合、「特定理由離職者」として認定される可能性があり、認定されれば待機期間の7日間のみで受給が開始される場合があります。認定には医師の診断書などが必要となりますので、ハローワークの窓口で詳しく相談してみてください。
退職に関する不安や手続きをサポート|退職リトリートのご案内

雇用保険制度に関する情報提供サービス
適応障害での退職は、身体的にも精神的にも大きな負担を伴います。「退職後の生活が不安」「給付金の手続きが複雑で分からない」と感じている方もいらっしゃるかもしれません。
退職リトリートは、雇用保険制度に関する情報提供サービスです。社会保険労務士の監修のもと、雇用保険や社会保険制度の概要、申請に必要な書類、一般的な手続きの流れについてご案内します。給付金の申請手続きは複雑で、必要書類が多岐にわたることがあります。
退職リトリートでは、制度の概要や申請の流れについて、あなたの状況に応じた情報をご提供いたします。退職前のご相談も承っております。お気軽に公式LINEからお問い合わせください。
※実際の手続きはご本人様がハローワークで行っていただく必要があります。受給の可否及び金額は、ハローワークでの審査により決定されます。
失業保険 総額シミュレーター
正確な金額・給付日数とは異なる場合があります。
下記の表で給付日数を確認したら、上記のシミュレーターに「年収」「年齢」「給付日数」を入力してください。失業保険の基本手当日額と受給総額が自動でシミュレーションできます。
| 雇用保険の加入期間 | 給付日数 |
|---|---|
| 1年以上10年未満 | 90日 |
| 10年以上20年未満 | 120日 |
| 20年以上 | 150日 |
会社都合退職・特定理由離職者の場合
| 雇用保険の加入期間 | |||||
|---|---|---|---|---|---|
| 年齢 | 1年未満 | 1年以上5年未満 | 5年以上10年未満 | 10年以上20年未満 | 20年以上 |
| 29歳以下 | 90日 | 90日 | 120日 | 180日 | ― |
| 30~34歳 | 90日 | 120日 | 180日 | 210日 | 240日 |
| 35~44歳 | 90日 | 150日 | 180日 | 240日 | 270日 |
| 45~59歳 | 90日 | 180日 | 240日 | 270日 | 330日 |
| 60~64歳 | 90日 | 150日 | 180日 | 210日 | 240日 |
※本記事内の各種受給例はあくまでも一例であり、実際は個人の状況により異なる可能性がございます。正確な金額はハローワークでご確認ください。

