精神的な苦痛を理由に退職を決断することは、決して珍しいことではありません。パワハラや長時間労働、人間関係のストレスなど、職場環境が原因で心身に不調をきたしている方は少なくないのが現実です。
しかし、いざ退職届を書こうとしても、精神的苦痛を理由とした退職では、退職届の書き方や失業保険の手続きについて疑問をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。
この記事では、精神的苦痛を理由とした退職届の正しい書き方を、法的根拠に基づいて分かりやすく解説します。退職理由の書き分け方や失業保険への影響、円満退職のコツまで、あなたの不安を解消するための具体的な情報をお届けします。
※本記事内の各種受給例はあくまでも一例であり、実際は個人の状況により異なる可能性がございます。正確な金額はハローワークでご確認ください。
精神的苦痛を理由に退職するとき、退職届はどう書けばいい?
精神的な苦痛を理由に退職する際、退職届の書き方は失業保険の給付条件に大きく影響するため、慎重に判断する必要があります。
なぜなら、書き方次第で「自己都合」か「会社都合」かの区分が変わり、受給開始時期や給付日数が異なってくるからです。ここでは、退職届に何をどう書くべきか、法的な観点も踏まえて詳しく説明していきます。
退職届に「精神的苦痛」とそのまま書くべきか
結論から言えば、退職届に「精神的苦痛」という言葉をそのまま書くことは、一般的には推奨されません。なぜなら、感情的な表現は退職手続きを円滑に進める妨げになる可能性があり、また具体的な状況説明がないと会社都合として認められないケースが多いからです。
ただし、パワハラやセクハラなど明確な原因がある場合は、「○○による業務環境の悪化により」といった客観的な表現で事実を簡潔に記載する方法があります。このとき、メールの記録や録音データ、医師の診断書など、証拠となる資料を別途保管しておくことが重要です。つまり、退職届には冷静かつ事実に基づいた表現を用い、詳細な証拠は別途整理しておくという姿勢が円満退職への近道と言えるでしょう。
「一身上の都合」と書いた場合の影響
退職届に「一身上の都合により」と記載すると、原則として自己都合退職として扱われます。これは日本の退職届における定型表現であり、会社側も労働者側も詳細な理由を明示しないという慣習があるためです。
自己都合退職の場合、失業保険の給付制限期間が設けられます。2025年4月1日以降の離職については給付制限期間が1ヶ月となりましたが、ハローワークでの待機期間(7日間)と合わせて、離職後すぐには給付を受けられない点に留意が必要です。
一方で、実際にはパワハラや過重労働など会社都合に該当する事由が存在する場合でも、退職届に「一身上の都合」と記載すると、離職票でも自己都合として処理される可能性が高くなります。その場合、ハローワークで離職理由について異議申し立てを行うことは可能ですが、客観的な証拠の提出を求められます。
そのため、退職届を作成する段階で、ご自身の退職理由が実態として会社都合に該当する可能性があるかどうかを確認することをお勧めします。判断が難しい場合や、どのように記載すべきか迷う場合は、退職届を提出する前に、ハローワークの窓口や社会保険労務士にご相談ください。
会社都合として認められるケースとは
会社都合退職として認められるケースには、法律や厚生労働省の基準に基づいた条件があります。パワハラやセクハラなどのハラスメント、賃金の大幅な減額や未払い、月45時間を超える時間外労働が3ヶ月以上継続した場合、退職勧奨などが該当します。
これらのケースで会社都合退職として認められるかどうかは、ハローワークが客観的な証拠に基づいて判断します。証拠としては、業務に関するメールやチャットの履歴、タイムカードや出退勤記録のコピー、医師から発行された診断書、業務日報、同僚など第三者の証言などが考えられます。
なお、録音については、プライバシー保護との関係で慎重な判断が必要となる場合があります。証拠の収集方法や有効性については、労働基準監督署や弁護士にご相談されることをお勧めします。
精神的苦痛の原因が会社側にあると考えられる場合は、ハローワークでの手続きに備えて、日頃から事実関係を記録しておくことが有効です。ただし、最終的に会社都合退職として認められるかどうかは、ハローワークが個別の事情を総合的に判断します。
退職届と退職願の違い|精神的に限界な場合はどちらを出す?
退職届と退職願は、似た名称ですが法的効力や撤回の可否が大きく異なります。精神的に限界を迎えている状況では、どちらを提出すべきか正しく理解しておくことで、無用なトラブルを避けることができます。
ここでは、両者の違いを法的根拠とともに解説し、あなたの状況に合った選択ができるよう説明していきます。
退職届は撤回できない確定的な意思表示
退職届は、「○月○日をもって退職します」という確定的な意思表示を会社に対して行う書類です。民法第627条では、期間の定めのない労働契約の場合、退職の申し入れから2週間を経過すれば雇用契約が終了すると規定されています。
そのため、退職届を提出した時点で法的効力が発生し、原則として撤回することは困難です。会社側の承諾がなくても、退職届の提出から2週間後には労働契約が終了するという強い効力を持っているため、提出前には退職の意思が固まっていることを確認する必要があります。つまり、退職届は「もう後戻りできない」という覚悟を持って提出する書類だと理解してください。
退職願は承諾前なら撤回が可能
一方、退職願は「退職させていただきたい」という希望を会社に伝える書類であり、会社側の承諾を得て初めて退職が成立します。そのため、会社が承諾する前であれば撤回が可能であり、退職届ほどの強い法的効力は持ちません。
退職願は口頭での申し出でも代替可能とされていますが、トラブル防止の観点から書面で提出することが推奨されます。また、退職願を提出した後、会社から正式に承諾を得るまでの間に気持ちが変わった場合は、速やかに撤回の意思を伝えることで退職を取りやめることができます。
このように、退職願は退職届と比べて柔軟性があるため、退職の決意が完全に固まっていない段階では退職願を選択するという方法もあります。
精神的苦痛で辞める場合に退職届が適切とされる理由
精神的に限界を迎えている状況では、多くの場合、退職届を提出することが適切とされています。なぜなら、精神的苦痛が深刻な状態では一刻も早く職場から離れることが優先されるため、会社の承諾を待つ必要がない退職届の方が確実だからです。
また、パワハラや過重労働などが原因の場合、会社側が退職を引き止めたり、話し合いを長引かせたりする可能性も考えられます。そのような状況を避け、毅然とした態度で退職の意思を示すためにも、撤回できない退職届を選択することで、あなた自身の意思を明確に伝えることができます。
ただし、退職届の提出後は原則として撤回できないため、提出前には信頼できる家族や友人、専門家に相談するなど、慎重に判断することをお勧めします。
【状況別】退職届の書き方と例文
退職届の書き方は、あなたの退職理由や状況によって適切な表現が異なります。ここでは、実際に使える具体的な例文を状況別に紹介し、それぞれの書き方のポイントを解説します。自分の状況に合った書き方を参考にしてください。
パターン1:自己都合として退職する場合の基本的な書き方
精神的な負担はあるものの、会社都合として主張しない場合や、円満退職を優先したい場合は、「一身上の都合」という定型表現を使用します。これは日本の退職届における最も一般的な書き方です。

このパターンは、詳細な理由を伝えずに退職したい場合や、転職先が決まっており早期に手続きを進めたい場合に適しています。ただし、この書き方では自己都合退職として扱われるため、失業保険の給付開始時期が遅くなる点には注意が必要です。
パターン2:パワハラが原因で会社都合として退職する場合
パワハラやセクハラなど、明確なハラスメントが原因で退職する場合は、会社都合退職として認められるよう、事実を簡潔に記載する方法があります。ただし、具体的な証拠を別途用意しておくことが前提となります。

この書き方では、「ハラスメント行為」という客観的な表現を使用し、感情的な言葉は避けています。会社都合退職として認められれば、失業保険の給付制限期間がなく、給付日数も自己都合より多くなる可能性があります。ただし、会社側が認めない場合は、ハローワークでの異議申し立て手続きが必要になることもあります。
パターン3:体調不良・診断書がある場合の書き方
精神的な不調により医師の診断を受け、診断書がある場合は、その事実を退職届に記載することで、退職理由の正当性を示すことができます。

このパターンでは、具体的な病名を記載する必要はありません。「医師の診断により」という表現で十分であり、プライバシーを保護しつつ正当な退職理由を示すことができます。診断書は退職届と一緒に提出するか、会社から求められた場合に提示できるよう準備しておきましょう。
パターン4:即日退職が必要な場合の書き方
精神的に限界を迎えており、一刻も早く退職したい場合、民法第627条の「やむを得ない事由」があれば、即日退職も可能とされています。ただし、医師の診断書など客観的な証拠が必要です。

即日退職は例外的な対応のため、診断書の提出とともに、後日のトラブル防止の観点から、内容証明郵便などで退職届を送付する方法も検討してください。また、会社が退職届の受理を拒否する場合でも、適切な手続きを経れば退職は有効となります。
退職届を提出する前に確認しておきたい重要ポイント
退職届を提出する前に、失業保険の給付条件や証拠の準備、提出方法などを確認しておくことで、退職後の生活をより安定させることができます。ここでは、退職届を出す前に必ず押さえておきたい重要なポイントを解説します。
自己都合と会社都合では失業保険の給付条件が大きく異なる
失業保険の給付条件は、退職理由が自己都合か会社都合かによって異なります。2025年4月1日以降に離職した場合、自己都合退職の給付制限期間は1ヶ月となりました(2025年3月31日までは原則2ヶ月、2020年10月の改正以前は3ヶ月の給付制限期間が設けられていましたが、段階的に短縮されてきた経緯があります)。
具体的には、自己都合退職の場合、ハローワークでの求職申込後7日間の待機期間に加えて1ヶ月の給付制限期間があります。一方、会社都合退職の場合は7日間の待機期間のみで給付が開始されます。また、給付日数も雇用保険の加入期間や年齢によって異なります。
実際の離職理由がパワハラや過重労働など会社都合に該当する事由である場合は、その事実を正確にハローワークに伝えることができます。ただし、会社都合退職として認められるかどうかは、客観的な証拠に基づいてハローワークが判断します。
会社都合退職として認められるための証拠の残し方
会社都合退職として認められるかどうかは、ハローワークが客観的な証拠に基づいて判断します。口頭での説明だけでは判断が難しいケースもあるため、事実関係を示す資料があると手続きがスムーズになる場合があります。
- 業務上のやり取りを示すメールやチャットの記録
- タイムカードや業務日報のコピー(長時間労働の証明)
- 医師から発行された診断書
- 同僚など第三者の証言
- 日時・場所・内容を記録したメモや日記
これらの資料には、日付や具体的な内容が記録されていることが望ましいとされています。なお、録音については、プライバシー保護や録音方法の適法性との関係で慎重な判断が必要です。証拠の収集方法や有効性については、事前に労働基準監督署や弁護士にご相談されることをお勧めします。
ハラスメントや労働環境に問題があると感じた場合は、日頃から事実関係(日時・場所・内容など)をメモや日記に記録しておくことで、後日の説明に役立つ場合があります。
退職届を提出するタイミングと方法
退職届の提出タイミングは、法律上は退職日の2週間前までとされていますが、実務上は会社の就業規則で「1ヶ月前」や「2ヶ月前」などと定められているケースが多いです。円満退職を目指す場合は、就業規則に従った期間で退職届を提出することが望ましいでしょう。
ただし、精神的に限界を迎えている場合や、やむを得ない事情がある場合は、民法の規定に基づいて2週間前の提出でも法的には有効です。提出方法としては、直属の上司に直接手渡すのが一般的ですが、対面でのやり取りが難しい場合は、内容証明郵便や簡易書留で郵送する方法もあります。
会社の就業規則で定められた退職届の提出期限を確認します。1ヶ月前、2ヶ月前などの規定がある場合があります。
状況に合った退職届を作成し、コピーを自分でも保管しておきます。
直属の上司に直接手渡す、郵送する、または退職代行サービスを利用するなど、状況に応じた方法を選択します。
また、退職届のコピーを自分でも保管しておくことで、後日のトラブル防止につながります。精神的苦痛が深刻で会社に行くこと自体が困難な場合は、退職代行サービスの利用も選択肢の一つとなります。
精神的苦痛で退職する際の円満な伝え方
精神的苦痛を理由に退職する場合でも、できる限り円満に手続きを進めることで、退職後のトラブルを避けることができます。ここでは、上司への伝え方や引き止められにくい退職理由、診断書の扱い方について具体的に説明します。
上司への口頭での伝え方|詳細を話す義務はない
退職を伝える際、上司に詳細な理由を話す法的義務はありません。なぜなら、退職の自由は労働者に保障された権利であり、退職理由の詳細を説明しなければ退職できないということはないからです。
ただし、円満退職を目指す場合は、「家庭の事情」「健康上の理由」「キャリアプランの見直し」など、引き止められにくい理由を簡潔に伝えるのが効果的です。具体的には「医師から休養を勧められており、治療に専念したいと考えています」「家族の介護が必要になり、実家に戻ることになりました」といった表現であれば、会社側も無理に引き止めにくくなります。
大切なのは、退職の意思が固まっていることを毅然とした態度で伝え、「決定事項」として話すことです。
引き止められにくい退職理由の伝え方
精神的苦痛が原因であっても、会社に対しては別の理由を伝えることで、スムーズに退職手続きを進められる場合があります。引き止められにくい退職理由としては、「配偶者の転勤」「親の介護」「持病の悪化」「資格取得のための勉強」などが挙げられます。
- 配偶者の転勤に伴う引っ越し
- 会社側がコントロールできない外的要因のため引き止めにくい
- 親の介護や家庭の事情
- 家族の事情は会社が介入しにくい理由
- 健康上の理由による療養
- 医師の診断がある場合は特に説得力がある
- 資格取得や進学のための準備
- 前向きな理由として受け入れられやすい
一方で、「給与が低い」「人間関係が悪い」「仕事がつまらない」といったネガティブな理由は、会社側が改善策を提示して引き止めようとする可能性が高いため、避けた方が無難です。あなたの状況に合わせて、事実に基づきつつも会社が受け入れやすい理由を選択することが、円満退職への鍵となります。
診断書は提出すべきか
精神的不調により医師の診断を受けている場合、診断書を提出するかどうかは状況によって判断が分かれます。診断書を提出するメリットとしては、退職理由の正当性を客観的に示せること、引き止めを受けにくくなること、会社都合退職として認められる可能性が高まることが挙げられます。
一方で、診断書には病名や症状が記載されるため、プライバシーの観点から慎重に判断する必要もあります。会社から診断書の提出を求められた場合は応じる義務がありますが、自発的に提出する必要はありません。
ただし、ハローワークで失業保険の手続きをする際には、診断書が会社都合退職の判断材料となるため、退職後に備えて診断書を取得しておくことをお勧めします。つまり、会社への提出は任意ですが、ハローワーク用には準備しておくという選択肢があるということです。
退職後の手続きと失業保険の受給について
退職後には、失業保険の手続きをはじめとするさまざまな手続きが必要です。特に、離職票の退職理由が実態と異なる場合の対処法や、2025年4月から変更された失業保険の制度について理解しておくことが重要です。ここでは、退職後の手続きについて詳しく解説します。
離職票の退職理由が「自己都合」になっていた場合の対処法
退職後、会社から発行される離職票の退職理由が「自己都合」となっていても、実際にはパワハラや過重労働などが原因だった場合、ハローワークで異議申し立てを行うことができます。
異議申し立ての手続きは、離職票の「離職理由」欄に記載されている内容に対して「異議あり」にチェックを入れ、具体的な理由と証拠を添えてハローワークに提出します。ハローワークは、あなたの主張と会社側の主張、提出された証拠を総合的に判断して、最終的な離職理由を決定します。
この際、事前に準備しておいた録音データやメール、診断書などの証拠が重要な判断材料となります。つまり、離職票の内容が実態と異なる場合でも、適切な手続きを経れば訂正できる可能性があるということです。
2025年4月から変わった失業保険の給付制限期間
2025年4月1日以降に離職した方については、自己都合退職の場合の給付制限期間が2025年3月までの原則2ヶ月から1ヶ月に短縮されました。これは、早期の再就職支援と生活支援を強化するための制度改正です。
ただし、退職日から遡って5年間のうちに3回以上、正当な理由のない自己都合退職をして受給資格決定を受けた場合は、給付制限期間は3ヶ月となります。また、自己の責めに帰すべき重大な理由による解雇(懲戒解雇)の場合も、給付制限は3ヶ月です。
なお、2020年10月の雇用保険法改正以前は、自己都合退職の給付制限期間は3ヶ月でしたが、2020年10月以降は原則2ヶ月に短縮され、今回の改正でさらに1ヶ月に短縮されました。
例えば、2025年4月1日に自己都合で退職し、4月8日に求職申込を行った場合、4月8日から7日間(4月14日まで)が待機期間、その後1ヶ月間(5月14日まで)が給付制限期間となり、5月15日から失業保険の支給が始まるという流れです。
この制度改正により、自己都合退職者も以前より早く給付を受けられるようになりましたが、それでも会社都合退職と比べると受給開始時期は遅くなる点には注意が必要です。
失業保険 総額シミュレーター
正確な金額・給付日数とは異なる場合があります。
| 雇用保険の加入期間 | 給付日数 |
|---|---|
| 1年以上10年未満 | 90日 |
| 10年以上20年未満 | 120日 |
| 20年以上 | 150日 |
会社都合退職・特定理由離職者の場合
| 雇用保険の加入期間 | |||||
|---|---|---|---|---|---|
| 年齢 | 1年未満 | 1年以上5年未満 | 5年以上10年未満 | 10年以上20年未満 | 20年以上 |
| 29歳以下 | 90日 | 90日 | 120日 | 180日 | ― |
| 30~34歳 | 90日 | 120日 | 180日 | 210日 | 240日 |
| 35~44歳 | 90日 | 150日 | 180日 | 240日 | 270日 |
| 45~59歳 | 90日 | 180日 | 240日 | 270日 | 330日 |
| 60~64歳 | 90日 | 150日 | 180日 | 210日 | 240日 |
ハローワークでの異議申し立て手続き
ハローワークでの異議申し立て手続きは、離職票を受け取った後、速やかに行うことが重要です。手続きの流れとしては、まず離職票の「離職理由」欄を確認し、実態と異なる場合は「異議あり」にチェックを入れます。
離職票の「離職理由」欄を確認し、実態と異なる場合は「異議あり」にチェックを入れます。
具体的な離職理由を説明する書面と、それを裏付ける証拠(メール、録音データ、診断書、タイムカードなど)を準備します。
これらの資料をハローワークの窓口に提出すると、ハローワーク所長等が会社側にも事実関係を確認し、総合的に判断して離職理由を決定します。
この手続きには一定の時間がかかる場合もありますが、正当な理由があれば会社都合退職として認められ、失業保険の給付条件が改善される可能性があります。つまり、離職票の内容に納得がいかない場合は、諦めずにハローワークに相談することが大切だということです。
よくある質問|精神的苦痛による退職について

精神的苦痛を理由に退職を検討する際、多くの方が共通して抱える疑問や不安があります。ここでは、よくある質問とその回答を分かりやすく解説します。
メンタル不調を理由に即日退職することは可能ですか?
メンタル不調を理由とした即日退職は、条件次第で可能です。民法第627条では、「やむを得ない事由」がある場合、即時に雇用契約を解除できると規定されています。
精神的な不調が深刻で、医師から就業が困難と診断されている場合は、「やむを得ない事由」に該当する可能性があります。ただし、即日退職を実現するためには、医師の診断書など客観的な証拠が必要です。
また、即日退職の意思を会社に伝える方法としては、直接伝えることが難しい場合は内容証明郵便で退職届を送付する、または退職代行サービスを利用するといった選択肢もあります。つまり、適切な手続きと証拠があれば、即日退職も法的に認められる可能性があるということです。
退職届に病名を書く必要はありますか?
退職届に病名を書く必要はありません。なぜなら、病名などの個人の健康情報はプライバシーに関わる情報であり、会社に開示する義務はないからです。
退職届には「医師の診断により療養が必要なため」「健康上の理由により」といった表現で十分であり、具体的な病名を記載する必要はありません。会社から病名の開示を求められた場合でも、応じるかどうかはあなたの判断次第です。ただし、ハローワークで失業保険の手続きをする際には、診断書の提出が求められる場合があり、その場合は病名が記載された診断書を提示することになります。
つまり、退職届には病名を書かず、必要な場面でのみ診断書を使用するという方法が、プライバシーを保護しながら適切に手続きを進める方法と言えます。
パワハラが理由でも「一身上の都合」と書いてしまった場合はどうなりますか?
退職届に「一身上の都合」と記載してしまった場合でも、実際にはパワハラが原因であれば、ハローワークでの異議申し立てにより会社都合退職として認められる可能性があります。
離職票を受け取った際、退職理由が「自己都合」となっていても諦める必要はありません。ハローワークの窓口で、実際の退職理由がパワハラであることを説明し、証拠となる資料(メール、録音、診断書など)を提出すれば、ハローワークが事実関係を調査して最終判断を下します。
ただし、この手続きをスムーズに進めるためには、パワハラの事実を裏付ける客観的な証拠が重要です。つまり、退職届の書き方が自己都合であっても、適切な証拠と手続きにより、会社都合として認められる道が残されているということです。
転職活動で退職理由を聞かれたらどう答えればいいですか?
転職活動で退職理由を聞かれた際、精神的苦痛や職場環境の問題をそのまま伝えることは避け、ポジティブな表現に言い換えることが推奨されます。なぜなら、採用担当者はネガティブな退職理由を聞くと、「同じ理由で辞めるのではないか」という懸念を抱く可能性があるからです。
- 「新しい環境でスキルを活かしたいと考えました」
- 「キャリアアップを目指して転職を決意しました」
- 「より自分に合った働き方を模索したいと思いました」
- 「業務内容や働き方について改めて考える機会があり、自分の適性を活かせる環境を求めるようになりました」
パワハラや過重労働が原因であっても、上記のような前向きな理由に変換して伝えることが効果的です。面接では、過去の不満を語るのではなく、将来への意欲を伝えることが重要です。
会社が退職届の受理を拒否した場合はどうすればいいですか?
会社が退職届の受理を拒否した場合でも、法的には退職の効力に影響はありません。なぜなら、民法第627条により、期間の定めのない労働契約の場合、退職の申し入れから2週間が経過すれば退職が成立するとされているからです。
会社が退職届を受け取らない場合の対処法としては、内容証明郵便で退職届を送付する方法があります。内容証明郵便であれば、「いつ・どのような内容の文書を送ったか」が郵便局の記録として残るため、後日のトラブル防止に有効です。また、退職届のコピーを自分でも保管しておくことで、退職の意思表示をした証拠として使用できます。
つまり、会社が受理を拒否しても、適切な方法で退職の意思表示を行えば、法的には退職が成立するということです。会社との退職手続きが困難な場合は、労働基準監督署や弁護士にご相談ください。退職代行サービスを利用する場合は、弁護士が運営するサービスを選択することをお勧めします。
退職の手続きや交渉が不安な方へ|退職リトリートのご案内

退職リトリートでは、社会保険労務士監修のもと、雇用保険制度に関する一般的な情報提供や書類作成の参考情報をご案内しています。雇用保険の手続きには複数の書類が必要となる場合がありますが、退職リトリートを利用すれば、専門家からの情報提供を受けながら手続きを進めることができます。
具体的には、条件を満たした場合に受給できる可能性のある給付金制度について、ヒアリングを通じて詳しくご案内します。失業保険の適正な活用方法や、申請書類の書き方、ハローワークでの手続きなど、退職後の生活を安定させるための情報を提供しています。
退職前1ヶ月頃からのご相談が効果的ですので、退職を検討されている方は、まずはお気軽に無料相談をご利用ください。給付金制度について詳しく知りたい方、退職後の生活設計に不安がある方は、専門スタッフがあなたの状況に合わせた情報をお伝えします。
※実際の手続きはご本人様がハローワークで行っていただく必要があります。受給の可否及び金額は、ハローワークでの審査により決定されます。




