退職を考えているけれど、失業保険を受け取るために診断書が必要なのか不安に感じていませんか。特に「特定理由離職者」という言葉を聞いて、自分がどのケースに当てはまるのか、どんな書類を準備すればよいのか分からない方も多いでしょう。
この記事では、特定理由離職者の診断書が必要なケースと不要なケースを詳しく解説します。また、離職理由ごとに必要な証明書類や、ハローワークでの手続きの流れについても分かりやすくご紹介します。退職後の生活に関わる大切な制度ですので、正確な情報を知って安心して手続きを進めていきましょう。
※本記事内の各種受給例はあくまでも一例であり、実際は個人の状況により異なる可能性がございます。正確な金額はハローワークでご確認ください。
特定理由離職者は診断書がいらないって本当?まず知っておきたい基本
結論からお伝えすると、特定理由離職者の認定に診断書が必要かどうかは、離職理由によって異なります。診断書が不要なケースも多くありますので、まずは基本的な制度の仕組みを理解しておくことが大切です。
特定理由離職者とは?一般の自己都合退職との違い
特定理由離職者とは、雇用保険法で定められた「正当な理由のある自己都合退職」をした方のことを指します。一般的な自己都合退職との大きな違いは、失業保険の給付において優遇措置が受けられる点にあります。
厚生労働省の定めによると、特定理由離職者は大きく2つのパターンに分かれています。ひとつは「期間の定めのある雇用契約の期間が満了し、更新を希望したにもかかわらず更新されなかった場合(雇止め)」、もうひとつは「体力不足や家庭の事情など、正当な理由で自己都合退職した場合」です。つまり、自己都合であっても、やむを得ない事情があれば特定理由離職者として認められる可能性があるということです。
一方、一般的な自己都合退職は、転職やキャリアアップなど、個人的な理由による退職を指します。この場合、2025年4月の法改正により給付制限期間は1ヶ月となりましたが、特定理由離職者と比べると給付条件が異なる場合があります。
診断書が「いらない」ケースと「必要」なケースの違い
診断書が不要なケースは、主に「雇止めによる離職」「転居や通勤困難」「結婚・妊娠・出産」「家族の介護・看護」といった理由での退職です。これらのケースでは、住民票の写しや契約書、家族の診断書など、それぞれの状況を証明できる書類があれば認定を受けることができます。
一方、診断書が必要なケースは、「本人の体力不足」「心身の障害」「疾病」「負傷」といった健康上の理由による離職です。このような場合、ハローワーク所定様式の診断書を医師に記入してもらい、退職時点で就労が困難だったこと、そして現時点では就労可能になったことを証明する必要があります。
つまり、離職理由が本人の健康に関わるものかどうかが、診断書の要否を判断する大きな分かれ目となります。自分がどちらに該当するかを確認し、適切な書類を準備することが、スムーズな手続きにつながります。
特定理由離職者として認められる主なメリット
特定理由離職者として認められると、いくつかの優遇措置を受けることができます。まず最も大きなメリットは、失業保険の給付制限期間がないことです。一般の自己都合退職では2025年4月以降も1ヶ月の給付制限がありますが、特定理由離職者の場合は待期期間7日間が終了すれば、すぐに給付が始まります。
また、雇用保険の被保険者期間の要件が緩和されることもメリットのひとつです。一般の自己都合退職では離職日以前2年間に12ヶ月以上の被保険者期間が必要ですが、特定理由離職者の場合は離職日以前1年間に6ヶ月以上あれば受給資格を得られる可能性があります。
さらに、雇止めにより離職した方については、2027年3月31日までの暫定措置として、特定受給資格者と同等の給付日数を受けることができます。つまり、年齢や被保険者期間に応じて、一般の離職者よりも長期間の給付を受けられる場合があるということです。このように、特定理由離職者の認定を受けることで、退職後の生活をより安定して送ることができる制度設計となっています。
診断書なしで特定理由離職者になれるケース
診断書が不要で特定理由離職者として認められるケースは複数あります。それぞれの離職理由に応じて、必要な証明書類が異なりますので、自分の状況に合った書類を準備しましょう。
雇止めによる離職の場合に必要な書類
雇止めとは、有期雇用契約(派遣社員や契約社員など)の更新を希望したにもかかわらず、会社側の判断で契約が更新されずに離職することを指します。このケースでは、診断書は一切必要ありません。
必要な書類は、雇用契約書や労働条件通知書など、契約期間が定められていることが分かる書類です。また、契約更新を希望していたことを証明するため、更新希望の意思を示したメールや文書があれば、それらも有効な証拠となります。会社から発行される離職票にも、離職理由として「雇止め」に該当する項目に記載があるはずですので、必ず内容を確認してください。
雇止めによる離職の場合、2027年3月31日までの暫定措置として、特定受給資格者と同等の給付日数を受けられる可能性があります。そのため、契約書類は大切に保管しておきましょう。
通勤困難や転居が理由の場合の証明方法
会社の移転や自己の転居により通勤が困難になった場合も、診断書なしで特定理由離職者として認められます。このケースで必要となる証明書類は、転居の事実や通勤時間を示すものです。
具体的には、住民票の写しが基本的な証明書類となります。配偶者の転勤に伴う転居の場合は、配偶者の転勤辞令のコピーも有効です。また、会社の事業所が移転した場合は、移転の事実が分かる会社からの通知書や、移転先の所在地が確認できる資料を用意してください。
通勤時間については、乗り換え案内のプリントアウトや地図など、通勤に往復4時間以上かかることを証明できる資料があれば、より説得力が増します。厚生労働省の基準では、「通常の方法により通勤するための往復所要時間が概ね4時間以上であること」が通勤困難と認められる目安とされています。ただし、最終的な判断はハローワークが行いますので、事前に相談してから書類を準備することをおすすめします。
結婚・妊娠・出産による離職の場合
結婚に伴う住所変更、妊娠、出産による離職も、診断書なしで特定理由離職者として認められるケースです。これらのライフイベントは、厚生労働省が定める「正当な理由」に該当するためです。
結婚による住所変更の場合は、住民票の写しや戸籍謄本など、結婚と住所変更の事実が確認できる書類を準備します。妊娠・出産による離職で、雇用保険法第20条第1項の受給期間延長措置を受ける場合は、受給期間延長通知書が必要になります。
受給期間延長制度とは、出産などにより働けない期間がある場合、失業保険の受給期間を最長4年まで延長できる制度です。この制度を利用する場合は、病気などで引き続き30日以上継続して職業に就くことができなくなった日の翌日以降、早期に申請することが原則ですが、延長後の受給期間の最後の日までの間であれば申請が可能です。2020年の法改正により、従来の「離職後30日を過ぎてから1ヶ月以内」という厳格な期限は緩和されています。ただし、早めの手続きが推奨されていますので、該当する方は速やかにハローワークに相談してください。
家族の介護・看護が理由の場合に用意する書類
両親や配偶者など、家族の介護・看護のために離職する場合も、特定理由離職者として認められます。このケースで重要なのは、診断書が必要なのは「離職者本人」ではなく「介護・看護が必要な家族」である点です。
具体的には、介護や看護が必要な家族の診断書、または介護保険の要介護認定通知書などが証明書類となります。また、扶養控除等申告書で扶養関係が確認できる場合は、それも有効な資料です。離職者本人と介護対象者の関係性を示すため、住民票の写しや戸籍謄本があると、よりスムーズに手続きが進みます。
介護離職は近年増加傾向にあり、厚生労働省も正当な離職理由として認めています。ただし、介護の必要性や緊急性については、ハローワークで個別に判断されるため、できるだけ詳細な資料を用意しておくことが望ましいでしょう。
診断書が必要になるケースと取得方法
離職理由が本人の健康に関わる場合は、ハローワーク所定様式の診断書が必要になります。一般的な診断書とは異なる点がありますので、正しい取得方法を理解しておきましょう。
体力不足や心身の障害による離職の場合
体力の不足、心身の障害、疾病、負傷、視力・聴力・触覚の減退など、健康上の理由で離職した場合は、必ず診断書が必要です。これらのケースでは、退職時点で就労が困難だったことを医学的に証明する必要があるためです。
具体的には、うつ病や適応障害などの精神疾患、がんや心疾患などの重大な病気、ケガによる長期療養が必要な状態などが該当します。また、慢性的な腰痛や視力の著しい低下など、業務の継続が困難と医師が判断した場合も含まれます。
ただし、単に「疲れた」「ストレスがあった」といった理由だけでは認められない可能性があります。医師の診断に基づいて、客観的に就労困難であったことを示す必要があるため、退職前から医療機関を受診し、適切な治療を受けていることが重要です。
ハローワーク所定様式の診断書とは?一般的な診断書との違い
ハローワークで特定理由離職者の認定を受けるための診断書は、一般的な診断書とは異なる「ハローワーク所定様式」を使用する必要があります。正式には「病状証明書」や「主治医の意見書」と呼ばれるもので、厚生労働省が定めた様式に従って医師が記入します。
この所定様式と一般的な診断書の最も大きな違いは、記載内容の詳細さです。ハローワーク所定様式では、退職時点での就労可否、手続き時点での就労可否、健康保険の傷病手当金や労災の休業補償給付の受給歴、病名・発症時期・症状の経過など、失業保険の受給資格を判断するために必要な情報が細かく記載されます。
また、在職中に取得した一般的な診断書は、参考資料としては使えますが、特定理由離職者の認定には不十分な場合がほとんどです。なぜなら、ハローワークでは「退職時点で就労困難だったこと」と「手続き時点では就労可能になったこと」の両方を確認する必要があるためです。したがって、退職後に改めてハローワーク所定様式で診断書を取得することをおすすめします。
診断書はどこでもらえる?費用と取得にかかる期間
ハローワーク所定様式の診断書は、かかりつけ医や治療を受けた医療機関で取得できます。まずはハローワークで所定の様式を受け取り、それを持参して医師に記入を依頼する流れが一般的です。
費用については、診断書は保険適用外となるため全額自己負担です。医療機関によって異なりますが、一般的には数千円から1万円程度、記載内容によっては15,000円程度かかる場合もあります。(※費用は医療機関により大きく異なる場合があります)作成費用については、事前に医療機関に確認しておくとよいでしょう。
取得にかかる期間は、医療機関の混雑状況や医師のスケジュールによって異なりますが、通常は1週間から2週間程度を見込んでおくことが望ましいです。退職後すぐに失業保険の手続きを始めたい場合は、退職前から準備を進めておくことをおすすめします。ただし、診断書の内容は手続き時点の状況を反映する必要があるため、あまり早く取得しすぎると無効になる可能性もありますので、タイミングには注意が必要です。
診断書に必要な記載内容と医師への依頼方法
医師に診断書の記入を依頼する際は、ハローワーク所定様式であることを明確に伝え、失業保険の受給手続きに使用する旨を説明してください。医師が記載する主な内容は以下の通りです。
まず、退職時点での就労の可否について、「就労不可」または「就労困難」という判断が必要です。また、手続き時点では「就労可能」となっていることも重要なポイントです。この2つの時点での状態の変化を示すことで、「退職時は働けなかったが、現在は回復して求職活動ができる」ことを証明します。
さらに、健康保険の傷病手当金や労災の休業補償給付を受給していた場合は、その旨も記載してもらいます。病名、発症時期、症状の経過、治療内容なども詳細に記載される必要があります。これらの情報により、ハローワークは離職理由の正当性を総合的に判断することになります。
医師への依頼時には、退職理由が健康上の問題であったことを説明し、できるだけ詳しく状況を伝えてください。また、オンライン診療で発行された診断書も基本的には有効ですが、主治医との継続的な関係性があり、ハローワーク所定様式に従っていることが前提となります。
特定理由離職者になるための手続きの流れ
特定理由離職者として認定されるためには、適切な順序で手続きを進めることが大切です。ここでは、離職票の入手から認定までの流れを分かりやすく解説します。
離職票の入手と離職理由の確認方法
退職後、まず会社から離職票が送られてきます。会社は退職日の翌日から10日以内にハローワークに必要書類を提出する義務があり、ハローワークから労働者の手元に届くまでには一般的に退職後10日~2週間程度かかります。会社の手続きやハローワークの処理に時間がかかる場合もあります。もし2週間以上経っても届かない場合は、会社の人事担当者に連絡して確認しましょう。
離職票が届いたら、必ず離職理由の欄を確認してください。離職票には「離職票-1」と「離職票-2」の2種類があり、離職理由は「離職票-2」に記載されています。会社が記入した離職理由と、自分の認識が一致しているかを確認することが非常に重要です。
もし会社が記入した離職理由に異議がある場合は、離職者本人の判断欄で「異議有り」に○をつけ、具体的事情記載欄に正しい離職理由を記入してください。たとえば、実際は雇止めだったのに「自己都合退職」と記載されている場合や、健康上の理由だったのに単なる自己都合とされている場合などは、必ず訂正を求めることができます。ハローワークでは、会社と離職者双方の主張を確認した上で、最終的な離職理由を判断します。
ハローワークへ提出する基本的な必要書類
特定理由離職者の認定を受けるため、ハローワークへ提出する基本的な必要書類は以下の通りです。まず、会社から受け取った「離職票-1」と「離職票-2」の両方が必須です。
次に、本人確認書類としてマイナンバーカードを提示します。マイナンバーカードがない場合は、マイナンバー通知カードと運転免許証やパスポートなどの身元確認書類を併せて持参してください。
また、失業保険の振込先となる本人名義の通帳またはキャッシュカードも必要です。ネット銀行の口座でも基本的には使用できますが、一部対応していない金融機関もありますので、事前にハローワークで確認しておくと安心です。
証明写真については、マイナンバーカードを提示する場合は省略できることが多いですが、提示できない場合は縦3.0cm×横2.4cmの証明写真2枚を用意してください。最近3ヶ月以内に撮影したもので、正面から撮影された上半身の写真が必要です。
離職理由を証明する書類の準備
離職理由に応じた証明書類を準備することが、特定理由離職者として認定される重要なポイントです。
雇止めによる離職の場合は、雇用契約書または労働条件通知書、契約更新を希望したことが分かるメールや文書などを用意します。通勤困難・転居による離職の場合は、住民票の写し、配偶者の転勤辞令(該当する場合)、会社の移転通知(該当する場合)などが必要です。
結婚・妊娠・出産による離職の場合は、住民票の写しまたは戸籍謄本、受給期間延長通知書(延長手続きをした場合)を準備してください。家族の介護・看護による離職の場合は、介護が必要な家族の診断書、介護保険の要介護認定通知書、扶養控除等申告書などが該当します。
体力不足や心身の障害による離職の場合は、ハローワーク所定様式の診断書が必須です。これらの書類は、できるだけ原本を持参することが望ましいですが、一部の書類はコピーでも受け付けてもらえる場合があります。ただし、診断書についてはコピーでは認められない可能性が高いため、必ず原本を用意してください。
ハローワークでの相談から認定までの流れ
必要書類が揃ったら、住所地を管轄するハローワークへ行き、求職申込みと失業保険の受給手続きを行います。まずは総合受付で手続きの流れを説明してもらい、求職申込票に必要事項を記入してください。
その後、失業保険の窓口で離職票と証明書類を提出します。このとき、離職理由について担当者から詳しく聞かれることがあります。準備した証明書類を提示しながら、退職に至った経緯を正直に説明してください。特に特定理由離職者の認定を受けたい場合は、正当な理由があったことを明確に伝えることが重要です。
ハローワークでは、提出された書類と説明内容をもとに、特定理由離職者に該当するかを判断します。必要に応じて、会社に事実確認を行うこともあります。認定結果はその場で分かる場合もあれば、後日通知される場合もあります。
認定されると、7日間の待期期間が設定されます。この7日間は失業状態であることを確認する期間で、すべての離職者に共通する期間です。特定理由離職者の場合、待期期間が終了すれば、給付制限なしで失業保険の受給が始まります。その後、雇用保険受給者初回説明会への参加案内があり、説明会で受給の詳細や求職活動の方法について説明を受けることになります。
特定理由離職者の失業保険給付日数と受給開始時期
特定理由離職者として認定されると、給付日数や受給開始時期において優遇措置を受けることができます。ただし、離職理由によって給付日数が異なりますので、自分がどのパターンに該当するかを確認しましょう。
雇止めによる離職の場合の給付日数(2027年3月31日までの暫定措置)
雇止めによる離職の場合、2027年3月31日までの暫定措置として、特定受給資格者と同等の給付日数を受けることができます。これは、雇止めが本人の意思によらない離職であることを考慮した制度です。
具体的な給付日数は、年齢と雇用保険の被保険者期間によって決まります。30歳未満の方で被保険者期間が1年未満の場合は90日、1年以上5年未満で90日、5年以上10年未満で120日、10年以上20年未満で180日となります。
30歳以上35歳未満の方は、被保険者期間が1年未満で90日、1年以上5年未満で120日、5年以上10年未満で180日、10年以上20年未満で210日、20年以上で240日です。35歳以上45歳未満の方は、1年未満で90日、1年以上5年未満で150日、5年以上10年未満で180日、10年以上20年未満で240日、20年以上で270日となります。
45歳以上60歳未満の方は最も手厚く、1年未満で90日、1年以上5年未満で180日、5年以上10年未満で240日、10年以上20年未満で270日、20年以上で330日となります。60歳以上65歳未満の方は、1年未満で90日、1年以上5年未満で150日、5年以上10年未満で180日、10年以上20年未満で210日、20年以上で240日です。
正当な理由による離職の場合の給付日数
健康上の理由や家庭の事情など、正当な理由による自己都合退職の場合の給付日数は、年齢に関わらず被保険者期間のみで決まります。2025年4月の法改正により、給付日数が一部変更されていますので、最新の情報を確認することが大切です。
被保険者期間が1年未満の場合は、残念ながら受給資格がありません。1年以上5年未満の場合は90日、5年以上10年未満の場合は90日、10年以上20年未満の場合は120日、20年以上の場合は150日となります。
雇止めの場合と比較すると給付日数は少なくなりますが、それでも一般の自己都合退職者と同じ扱いを受けることができます。また、給付制限期間がないことが大きなメリットですので、退職後すぐに経済的な支援を受けられる点は非常に助かります。
給付制限期間がないことの意味と実際の振込時期
特定理由離職者の最大のメリットは、給付制限期間がないことです。一般の自己都合退職者の場合、2025年4月以降は7日間の待期期間に加えて1ヶ月の給付制限期間があり、合計で約5週間後にようやく最初の失業保険が振り込まれます。
一方、特定理由離職者の場合は、7日間の待期期間が終了すれば、すぐに給付対象となります。実際の振込時期は、最初の失業認定日から約1週間後です。初回の失業認定日は、雇用保険受給者初回説明会の際に指定されますが、一般的には待期期間終了後2~3週間後に設定されることが多いです。
つまり、手続きをしてから約1ヶ月後には最初の失業保険が振り込まれる計算になります。一般の自己都合退職者と比べると、約1ヶ月早く受給が始まるため、退職後の生活設計において大きな違いが生まれます。ただし、振込時期はハローワークの混雑状況や金融機関の処理によって多少前後する場合がありますので、余裕を持った生活設計を心がけてください。
失業保険 総額シミュレーター
正確な金額・給付日数とは異なる場合があります。
| 雇用保険の加入期間 | 給付日数 |
|---|---|
| 1年以上10年未満 | 90日 |
| 10年以上20年未満 | 120日 |
| 20年以上 | 150日 |
会社都合退職・特定理由離職者の場合
| 雇用保険の加入期間 | |||||
|---|---|---|---|---|---|
| 年齢 | 1年未満 | 1年以上5年未満 | 5年以上10年未満 | 10年以上20年未満 | 20年以上 |
| 29歳以下 | 90日 | 90日 | 120日 | 180日 | ― |
| 30~34歳 | 90日 | 120日 | 180日 | 210日 | 240日 |
| 35~44歳 | 90日 | 150日 | 180日 | 240日 | 270日 |
| 45~59歳 | 90日 | 180日 | 240日 | 270日 | 330日 |
| 60~64歳 | 90日 | 150日 | 180日 | 210日 | 240日 |
退職前に知っておきたい注意点とデメリット
特定理由離職者の制度を利用する際には、いくつかの注意点やデメリットも理解しておく必要があります。事前に知っておくことで、スムーズな手続きと適切な判断ができるでしょう。
会社との離職理由の認識が異なる場合の対処法
離職票に記載された離職理由と、自分の認識が異なるケースは意外と多く発生します。たとえば、実際は雇止めだったのに「自己都合退職」と記載されていたり、健康上の理由で退職したのに単なる「一身上の都合」とされていたりする場合です。
このような場合は、まず離職票の「離職者本人の判断」欄で「異議有り」に○をつけ、「具体的事情記載欄(離職者用)」に正しい離職理由を詳しく記入してください。そして、ハローワークの窓口で事情を説明し、証明書類を提示します。ハローワークでは、会社側と離職者双方から事情を聞き取り、最終的な離職理由を判断します。
会社に直接訂正を求めることも可能ですが、退職後の関係性によっては難しい場合もあります。そのため、在職中から退職理由について会社と十分に話し合い、認識を一致させておくことが理想的です。また、退職届には「一身上の都合により」という定型文ではなく、具体的な退職理由を記載しておくと、後のトラブルを避けることができます。
証明書類の取得にかかる費用と時間
特定理由離職者の認定を受けるための証明書類の取得には、費用と時間がかかることを理解しておきましょう。特に診断書については、医療機関によって費用が異なりますが、1,000円から10,000円程度の自己負担が発生します。
また、診断書の作成には通常1週間から2週間程度の時間がかかります。退職後すぐに手続きを始めたい場合は、退職前から医療機関に相談し、診断書の準備を進めておくことが望ましいです。ただし、診断書の内容は手続き時点の状況を反映する必要があるため、タイミングには注意が必要です。
住民票の写しや戸籍謄本などの公的書類についても、市区町村役場での取得に数百円の手数料がかかります。マイナンバーカードがあればコンビニエンスストアで取得できる場合もあり、費用と時間を節約できます。これらの費用は失業保険の受給額には含まれませんので、退職前にある程度の資金を準備しておくことをおすすめします。
不正受給は厳禁|虚偽申告のリスク
失業保険の不正受給は法律で厳しく禁止されており、発覚した場合は重大なペナルティを受けることになります。虚偽の申告や診断書の偽造は絶対に行ってはいけません。
不正受給が発覚した場合、それまでに受給した失業保険の全額返還を求められるだけでなく、不正受給額の2倍に相当する額の納付を命じられます。つまり、受給額の3倍の金額を支払わなければならないということです。さらに、刑事告発される可能性もあり、詐欺罪として懲役刑や罰金刑が科されることもあります。
また、不正受給の記録は残るため、将来的に再び失業保険を受給する際にも影響が出る可能性があります。虚偽の申告をしても、ハローワークは会社に事実確認を行いますので、必ず発覚します。正直に事実を申告し、正当な手続きを経て受給することが、結果的に自分自身を守ることにつながります。
よくある質問|特定理由離職者の診断書と手続きについて

特定理由離職者の手続きについて、多くの方が疑問に感じるポイントをQ&A形式でまとめました。正確な情報を知って、安心して手続きを進めていきましょう。
在職中に取得した診断書でも有効ですか?
在職中に取得した診断書は、参考資料としては使えますが、特定理由離職者の認定には不十分な場合が多いです。なぜなら、ハローワークでは「退職時点で就労困難だったこと」と「手続き時点では就労可能になったこと」の両方を確認する必要があるためです。
在職中の診断書には、通常「就労困難」または「就労不可」という記載しかありません。しかし、失業保険を受給するためには、現時点で求職活動ができる状態、つまり「就労可能」になっていることを証明しなければなりません。そのため、退職後に改めてハローワーク所定様式で診断書を取得することをおすすめします。
ただし、在職中の診断書や治療記録は、退職時点での健康状態を証明する補足資料として有効です。可能であれば、在職中の診断書と退職後の診断書の両方を持参することで、より説得力のある説明ができるでしょう。
知恵袋で見た情報は正しい?公式情報の確認方法
インターネット上の情報、特にYahoo!知恵袋などのQ&Aサイトには、個人の経験や誤った解釈に基づく情報も含まれています。制度の詳細は個人の状況や地域によって異なる場合があるため、必ず公式情報を確認することが大切です。
最も信頼できる情報源は、厚生労働省の公式サイトとハローワークインターネットサービスです。厚生労働省のサイトでは「特定受給資格者及び特定理由離職者の範囲と判断基準」というPDF資料が公開されており、具体的な該当条件を確認できます。
また、不明点がある場合は、直接ハローワークに電話またはメールで問い合わせることをおすすめします。各都道府県労働局の相談窓口でも対応していますので、自分の状況を詳しく説明した上で、正確なアドバイスを受けてください。インターネット上の情報はあくまで参考程度にとどめ、最終的には公式機関の案内に従うことが、確実な手続きにつながります。
体力の不足とは具体的にどんな状態ですか?
厚生労働省が定める「体力の不足」とは、病気やケガなどにより身体的な能力が低下し、業務の遂行が困難になった状態を指します。単に「疲れた」「やる気が出ない」という主観的な理由だけでは認められず、医師の診断に基づいた客観的な証明が必要です。
具体的には、慢性的な腰痛や関節の痛みで立ち仕事や重労働ができなくなった場合、心臓や呼吸器の疾患で体力的に勤務が継続できなくなった場合、がんなどの重大な病気の治療により長期の療養が必要になった場合などが該当します。また、視力や聴力の著しい低下により、業務に支障が出る場合も含まれます。
精神的な疲労についても、うつ病や適応障害など、医師の診断を受けている場合は「心身の障害」として認められる可能性があります。いずれの場合も、ハローワーク所定様式の診断書に医師が詳細を記載することで、離職理由の正当性が判断されます。自分の症状が該当するかどうか不安な場合は、まずハローワークに相談してみることをおすすめします。
診断書のコピーでも認められますか?
診断書については、原則として原本の提出が求められます。なぜなら、診断書は離職理由を証明する最も重要な書類であり、偽造や改ざんを防ぐために原本での確認が必要だからです。
ただし、ハローワークによっては、原本を提示した上で内容を確認し、コピーを提出するという方法を認めている場合もあります。診断書の取得には費用がかかるため、手元に原本を残しておきたい場合は、手続きの際にハローワークの担当者に相談してみてください。
一方、住民票の写しや契約書などの補足資料については、コピーで受け付けてもらえることが多いです。どの書類が原本必須で、どの書類がコピーでも可能かは、ハローワークによって多少異なる場合がありますので、事前に電話で確認しておくとスムーズです。
特定理由離職者と認められない場合はどうなる?
ハローワークでの審査の結果、特定理由離職者として認められなかった場合は、一般の自己都合退職者として扱われます。その場合、失業保険の受給には7日間の待期期間に加えて1ヶ月の給付制限期間が適用されます。
また、被保険者期間の要件も厳しくなり、離職日以前2年間に12ヶ月以上の被保険者期間が必要となります。給付日数についても、特定理由離職者より少なくなる可能性があります。
もしハローワークの判断に納得できない場合は、異議申し立てをすることができます。異議申し立ては、都道府県労働局の雇用保険審査官に対して行い、さらにその決定に不服がある場合は、労働保険審査会に再審査請求をすることも可能です。ただし、異議申し立てには一定の期限がありますので、早めに対応することが大切です。
認定されなかった理由をハローワークの担当者に詳しく聞き、追加の証明書類を提出することで認定される可能性もあります。諦めずに、まずは相談してみることをおすすめします。
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※実際の手続きはご本人様がハローワークで行っていただく必要があります。受給の可否及び金額は、ハローワークでの審査により決定されます。




