パワハラが退職理由でもハローワークで会社都合にできる?証拠と手続きの具体的な進め方

パワハラが退職理由でもハローワークで会社都合にできる?証拠と手続きの具体的な進め方

パワハラが理由で退職を考えているものの、ハローワークでどのように手続きすればよいのか不安を感じている方は多いのではないでしょうか。

実は、パワハラによる退職は条件を満たせば失業保険で有利な扱いを受けられる可能性があります。この記事では、パワハラ退職時のハローワーク手続きや失業保険受給の具体的な方法について、厚生労働省の公式情報を参考に詳しく解説します。

※本記事内の各種受給例はあくまでも一例であり、実際は個人の状況により異なる可能性がございます。正確な金額はハローワークでご確認ください。

目次

パワハラが理由の退職でもハローワークで失業保険は受給可能?制度の基本を知ろう

パワハラが原因で退職する場合、失業保険の受給条件を満たした場合に給付を受けられる可能性があります。

この際、退職理由が「自己都合」か「会社都合」かによって、受給開始時期や給付日数が大きく異なるため、正しい知識を持つことが重要です。

パワハラによる退職と失業保険の関係|自己都合と会社都合の違い

退職理由は失業保険の受給条件に大きく影響します。一般的に、自己都合退職の場合は7日間の待機期間に加えて給付制限期間があり、会社都合退職の場合は待機期間のみで給付が開始されます。

パワハラによる退職は、厚生労働省の定める「特定受給資格者」に該当する場合、会社都合退職と同様の扱いとなる可能性があります。特定受給資格者として認定されると、給付日数が最大330日まで延長される場合もあり、経済的な不安を軽減する助けとなります

2025年改正で自己都合退職の給付制限が1ヶ月に短縮|制度変更のポイント

2025年4月の雇用保険法改正により、自己都合退職の給付制限期間が2ヶ月から1ヶ月に短縮されました。この改正により、自己都合で退職した方も、7日間の待機期間と1ヶ月の給付制限期間を経過すれば、約1か月半で失業保険を受給できるようになっています。

ただし、過去5年間に2回以上自己都合退職を繰り返している場合は、従来どおり3ヶ月間の給付制限が適用されます。また、離職前1年以内に教育訓練給付金対象の講座を受講していた場合や、離職後に対象講座を受講する予定の場合には、給付制限が行われない措置も導入されています

特定受給資格者・特定理由離職者として認定される条件とは

特定受給資格者として認定されるためには、厚生労働省が定める基準を満たす必要があります。パワハラに関連する条件としては、「上司、同僚等からの故意の排斥又は著しい冷遇若しくは嫌がらせを受けたことによって離職した者」が該当します。

この場合、上司や同僚による故意の排斥や著しい冷遇、嫌がらせが繰り返し行われていたことを示す証拠が重要になります。特定受給資格者と認定されると、給付制限期間なしで失業保険を受給でき、さらに給付日数も一般の自己都合退職者より長くなる可能性があります。

ハローワークでパワハラ相談はできる?総合労働相談コーナーの活用方法

ハローワークでは失業保険の手続きだけでなく、パワハラに関する相談も受け付けています。

厚生労働省が設置する総合労働相談コーナーを活用することで、退職理由の変更申請や今後の対応について専門的なアドバイスを受けることができます。

総合労働相談コーナーでのパワハラ相談の流れ|必要な準備と対応時間

総合労働相談コーナーは、全国の労働局や労働基準監督署内に設置されており、解雇、雇止め、配置転換、賃金の引下げ、いじめ・嫌がらせ、パワハラなどあらゆる分野の労働問題を対象としています。相談は面談または電話で対応しており、予約不要で無料で利用できます。

受付時間は一般的に平日の8時30分から17時15分までで、土日祝日や年末年始は閉庁していますので、事前に最寄りの労働局や労働基準監督署の開庁時間を確認することをおすすめします。相談の際には、パワハラの具体的な内容、発生時期、関係者の情報などをメモにまとめておくと、スムーズに相談を進めることができます

退職理由をハローワークで正直に話すメリット・デメリット

ハローワークで退職理由を正直に話すことには、メリットとデメリットの両面があります。正直に話すメリットとしては、パワハラが原因であることが認められれば特定受給資格者として扱われ、給付制限なしで失業保険を受給できる可能性があることです。

一方で、証拠が不十分な場合や会社が事実を否定した場合、自己都合退職として処理されるリスクもあります。しかし、後から退職理由の変更を申し立てることも可能ですので、まずはハローワークの相談員に状況を詳しく説明し、適切なアドバイスを受けることが大切です

パワハラ報告時に会社にバレる可能性と対策について

ハローワークでパワハラを報告した場合、会社に内容が伝わる可能性はあります。なぜなら、ハローワークは退職理由を確認するため、会社に対して事実関係の照会を行うことがあるためです。ただし、ハローワークは相談者のプライバシー保護に配慮した対応を行っており、相談内容が不必要に外部に漏れることはありません。

会社への照会が心配な場合は、事前にハローワークの相談員にその旨を伝え、どのような手続きが行われるのか確認しておくと安心です。また、労働基準監督署や労働局といった他の相談窓口も併せて活用することで、より適切な対応を取ることができます。

パワハラ退職を会社都合として認めてもらうための証拠と手続き

パワハラによる退職を会社都合として認めてもらうためには、客観的な証拠と適切な手続きが必要です。

証拠の有無によって認定の可能性が大きく変わりますので、事前の準備が重要になります。

パワハラの証拠がない場合でも受給要件を満たす方法|診断書や証言の活用

パワハラの証拠が十分にない場合でも、診断書や第三者の証言を活用することで受給要件を満たせる可能性があります。医師の診断書は、証拠の一つとして活用される場合があります。

診断書には「パワハラが原因」と明記してもらうよう医師に依頼することが効果的です。また、同僚や他の社員からの証言も有効な証拠となります。日々のパワハラ行為を日記やメモに詳細に記録しておくことも、状況証拠として評価される場合があります。記録する際は、日時、場所、内容、誰が見ていたかなど、できるだけ具体的に残しておくことが大切です。

会社がパワハラを認めない場合のハローワーク申立て手続き

会社がパワハラを認めない場合でも、ハローワークで退職理由の変更を申し立てることができます。離職票を受け取った後、ハローワークで「異議申立書」を提出し、退職理由が自己都合ではなく会社都合であることを主張します。ハローワークは会社への事実確認を行い、提出された証拠や状況を総合的に判断して退職理由を決定します。

この際、パワハラの証拠となる録音データ、メール、チャット履歴、診断書、第三者の証言などを提出することで、認定に必要な証拠の一つとなります。判定結果はハローワークから通知されますので、不服がある場合はさらに労働局への申立ても検討できます。

離職票の退職理由変更申請|自己都合から会社都合への変更方法

離職票に記載された退職理由が自己都合となっている場合、ハローワークで変更申請を行うことができます。まず、離職票の「離職理由」欄を確認し、会社が記載した内容に異議がある場合は「異議あり」にチェックを入れます。次に、ハローワークの窓口で具体的な状況を説明し、パワハラによる退職であることを示す証拠を提出します。

ハローワークは会社に対して事実確認を行い、両者の主張と提出された証拠を基に退職理由を判定します。判定期間はケースにより異なりますが、認定された場合、給付制限期間の適用を受けない可能性があります

パワハラ退職理由の例文と記載のポイント|適切な表現方法

パワハラを理由とした退職届や退職理由書を作成する際は、事実を正確に伝えつつ、感情的にならない客観的な表現を心がけることが重要です。

具体的な例文とともに、効果的な記載方法を解説します。

退職届・退職理由書でのパワハラ記載例文|具体的な書き方

退職届にパワハラの内容を記載する場合は、「一身上の都合」ではなく、具体的な理由を明記することが推奨されます。例えば「上司からの継続的な叱責および人格否定により、業務の継続が困難となったため」や「職場における著しい嫌がらせ行為により、心身に支障をきたし、就業環境の改善が見込めないため」といった表現が考えられます。

あまりにも詳細すぎる記載は避け、後日ハローワークや労働基準監督署で詳しく説明できるよう、別途詳細な記録を残しておくことをおすすめします

業務継続が困難であることを示す表現のコツ

業務継続が困難であることを示すためには、パワハラによる具体的な影響を客観的に記載することが効果的です。

「連日の長時間にわたる叱責により、不眠や食欲不振の症状が出現し、医師から休養を勧められた」といった医学的根拠を含めた表現や、「業務上の指導を超えた人格否定的な発言が繰り返され、職場での業務遂行が精神的に耐え難い状況となった」など、パワハラの継続性と影響の重大性を示す表現が有効です

感情的な言葉遣いは避け、事実に基づいた冷静な記述を心がけてください。

改善見込みがない状況を説明する際の注意点

改善見込みがない状況を説明する際は、会社に改善を求めたがされなかった経緯を示すことが重要です。「社内の相談窓口に複数回相談したが改善されなかった」「人事部に報告したものの適切な対応が取られなかった」など、自身が改善のために行動したことを記載することで、退職がやむを得ない選択であったことを示すことができます。

また、「上司の配置転換や業務改善の見込みがなく、今後も同様の状況が継続すると判断した」といった、将来的な改善可能性についても言及すると、退職理由の妥当性をより明確に伝えることができます

よくある質問|パワハラによる退職とハローワーク手続きについて

パワハラによる退職とハローワーク手続きに関して、多くの方が疑問に感じる点についてお答えします。

パワハラが原因で退職しても会社都合として認められる?

パワハラが原因で退職した場合、条件を満たせば会社都合として認められる可能性があります。厚生労働省の定める「特定受給資格者」の基準では、「上司、同僚等からの故意の排斥又は著しい冷遇若しくは嫌がらせを受けたことによって離職した者」が該当します。

ただし、パワハラの事実を示す証拠が必要となり、ハローワークが会社に事実確認を行った上で最終的な判断が下されます。証拠としては、録音データ、メール、チャット履歴、診断書、第三者の証言などが有効とされています

ハローワークでパワハラ相談した場合の失業保険への影響は?

ハローワークでパワハラ相談をすること自体が、失業保険の受給に直接的な悪影響を及ぼすことはありません。むしろ、パワハラによる退職であることを正確に伝えることで、特定受給資格者として認定される可能性が高まり、給付制限期間なしで失業保険を受給できる場合があります。

ただし、証拠が不十分な場合や会社が事実を否定した場合は、自己都合退職として処理される可能性もあるため、できるだけ多くの証拠を準備しておくことが重要です

自己都合退職でもパワハラが理由なら給付制限は免除される?

自己都合退職であっても、パワハラが原因であることがハローワークに認められれば、給付制限が免除される可能性があります。この場合、特定受給資格者として認定されることで、7日間の待機期間のみで失業保険の給付が開始されます。

2025年4月以降は、一般的な自己都合退職でも給付制限期間が1ヶ月に短縮されていますが、パワハラが認められれば、この1ヶ月の給付制限すら免除されることになります。ただし、認定には客観的な証拠と適切な手続きが必要です。

パワハラで退職した場合の失業保険受給までの期間はどのくらい?

パワハラで退職し、特定受給資格者として認定された場合、7日間の待機期間後に失業保険の給付が開始されます。実際の振込までには、ハローワークでの手続きや審査に時間がかかるため、退職後約2~3週間程度で初回の給付を受けられることが一般的です。

一方、自己都合退職として処理された場合は、2025年4月以降であれば待機期間7日間と給付制限期間1ヶ月を経過した後、約1か月半で給付が開始される見込みです。退職理由の判定に時間がかかる場合もありますので、早めにハローワークに相談することをおすすめします

証拠不足でもハローワークはパワハラ相談に対応してくれる?

証拠が不足している場合でも、ハローワークはパワハラ相談に対応してくれます。総合労働相談コーナーでは、証拠の有無にかかわらず、まずは状況を詳しく聞き取り、適切なアドバイスを提供します。証拠が少ない場合は、診断書の取得、日記やメモの作成、同僚からの証言の収集など、今後の証拠収集の方法についても相談できます。

また、労働基準監督署や労働局など、他の相談窓口の紹介も受けられますので、一人で悩まずにまずは相談してみることが大切です

パワハラ退職後の失業保険以外の制度活用|労災申請や相談窓口

パワハラによる退職後は、失業保険以外にも利用できる制度があります。

状況に応じて適切な制度を活用することで、より手厚いサポートを受けることができます。

パワハラによる精神的被害の労災申請について

パワハラが原因で精神障害を発症した場合、労災申請の対象となる可能性があります。労災認定の条件は、精神障害を発症して医師の診断を受けていること、発症前おおむね6ヶ月以内にパワハラ等による強い心理的負荷を受けたこと、業務外のストレスや個人的要因により発症したとはいえないことの3つです。

特に、上司から治療を要する程度の暴行を受けた場合や、人格否定などの精神的攻撃が執拗に行われた場合は、労災認定される可能性が高くなります。労災が認定されると、療養補償や休業補償などの給付を受けられるため、失業保険と併せて検討する価値があります。

労働基準監督署・労働局との連携した相談方法

パワハラに関する相談は、ハローワークだけでなく労働基準監督署や労働局とも連携して進めることが効果的です。労働基準監督署では、労働基準法違反の疑いがある場合に行政指導を行う権限を持っており、パワハラが法律違反に該当する場合は会社に対して是正を求めることができます。

また、都道府県労働局では「個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律」に基づき、助言・指導やあっせんといった紛争解決制度を提供しています。これらの機関を併用することで、より多角的なサポートを受けることができます

退職後の給付金制度に関する情報提供サービス|退職リトリート

退職リトリートは、退職後の給付金制度に関する情報提供サービスです。雇用保険制度に詳しいスタッフが、各種制度の概要や一般的な手続きの流れについて情報をお伝えいたします。

具体的には、条件を満たした場合の制度の適正活用について専門スタッフが丁寧にご案内し、ヒアリングを通じて給付条件を満たしているかを確認した上で、制度の要件について詳しくご説明いたします。公式LINEでの継続サポートも提供しており、制度に関する一般的なご質問にお答えいたします。必要に応じてZoomなどでのサポートも実施し、手続きの流れに関する情報をご提供いたします。個別具体的な法的相談は行いません。専門家への相談をお勧めします。

退職前1ヶ月頃のご相談が効果的で、1年間のサポート期間中、各種支払い方法にも対応しています。パワハラによる退職で不安を感じている方、失業保険の手続きに不安がある方は、まずは無料相談で退職後の給付金について確認してみてはいかがでしょうか。

※実際の手続きはご本人様がハローワークで行っていただく必要があります。受給の可否及び金額は、ハローワークでの審査により決定されます。

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