派遣社員として働いている方の中には、「契約が終わったら失業保険はもらえるのだろうか」「手続きはどうすればいいのか」と疑問を感じている方も多いのではないでしょうか。結論から申し上げますと、派遣社員でも一定の条件を満たせば失業保険を受給することが可能です。
この記事では、派遣社員の失業保険について、受給条件や金額の計算方法、手続きの流れまで、制度に基づいた正確な情報を丁寧にお伝えしていきます。また、2025年4月に実施された法改正により、自己都合退職の給付制限期間が短縮されるなど、制度の内容も変わっています。派遣契約の満了時に会社都合となるのか自己都合となるのか、といった派遣特有の疑問についても、実際のケースに基づいて解説しますので、ぜひ最後までお読みください。
※本記事内の各種受給例はあくまでも一例であり、実際は個人の状況により異なる可能性がございます。正確な金額はハローワークでご確認ください。
派遣社員でも失業保険は受給できる?基本的な条件とは
派遣社員だからといって失業保険が受給できないということはありません。雇用形態に関わらず、雇用保険の制度に基づいた条件を満たしていれば、派遣社員でも失業保険を受給する資格があります。
雇用保険に加入していれば派遣社員も受給対象
派遣社員が失業保険を受給するための大前提は、雇用保険に加入していることです。雇用保険の加入条件は、「週の所定労働時間が20時間以上」かつ「31日以上引き続き雇用される見込みがある」ことと定められています。これは法律で明確に規定されている基準であり、派遣社員であっても正社員であっても同じ条件です。
多くの派遣会社では、これらの条件を満たす派遣スタッフに対して雇用保険の加入手続きを行っています。そのため、フルタイムで働いている派遣社員の方は、基本的に雇用保険に加入している可能性が高いでしょう。一方で、短時間勤務や短期契約の場合は、条件を満たさないこともあるため、ご自身の雇用保険加入状況を事前に確認しておくことが大切です。雇用保険に加入しているかどうかは、毎月の給与明細に「雇用保険料」の控除が記載されているかで確認できます。
受給に必要な3つの条件を確認しよう
失業保険を受給するためには、雇用保険に加入しているだけでなく、厚生労働省が定める3つの条件を満たす必要があります。この条件は、失業保険が「働く意思と能力がある方の生活を支援し、再就職を促進する制度」であることから設けられているものです。
具体的な3つの条件は以下の通りです。まず第一に、「積極的に就職しようとする意思があること」です。これは、単に仕事を探しているだけでなく、実際に就職活動を行い、働く意欲があることを示す必要があります。第二に、「いつでも就職できる能力があること」です。健康状態や家庭の事情などにより、すぐに働くことができない場合は受給対象となりません。第三に、「積極的に仕事を探しているにもかかわらず、現在職業に就いていないこと」です。
つまり、妊娠・出産・病気・ケガなどですぐに働けない状態の方や、しばらく休養したいと考えている方、学業に専念する方などは、現時点では失業保険の受給対象とはなりません。ただし、こうした理由で働けない場合には受給期間の延長制度がありますので、状況に応じてハローワークに相談することをお勧めします。
離職前の被保険者期間は最低12ヶ月が原則
失業保険を受給するためには、離職前の一定期間、雇用保険に加入していたことを証明する必要があります。原則として、離職日以前の2年間に、被保険者期間が通算して12ヶ月以上あることが条件となっています。
被保険者期間の計算方法には注意が必要です。離職日から1ヶ月ごとに区切った期間において、賃金支払いの基礎となった日数が11日以上、または賃金支払いの基礎となった時間数が80時間以上ある月を「1ヶ月」として計算します。つまり、雇用保険に加入していた全期間がそのまま計算されるわけではなく、実際に働いた日数や時間数が一定以上ある月のみがカウントされる仕組みです。
ただし、会社の倒産や解雇などの理由で離職した場合(特定受給資格者)や、契約満了後に仕事を希望したにもかかわらず更新されなかった場合(特定理由離職者)には、条件が緩和されます。この場合、離職日以前の1年間に、被保険者期間が通算して6ヶ月以上あれば受給資格を得ることができます。派遣社員の場合、契約満了による離職がこの緩和条件に該当するケースも多いため、後ほど詳しく解説いたします。
派遣の失業保険|会社都合と自己都合で受給開始時期が変わる
失業保険の受給において、最も重要な違いの一つが「会社都合退職」と「自己都合退職」の区別です。なぜなら、この離職理由によって失業保険を受け取れるまでの期間が大きく異なるからです。
派遣社員の場合、契約満了がどちらに該当するかは状況によって変わるため、ご自身のケースを正確に理解しておくことが大切です。
会社都合退職なら待機期間7日後から受給開始
会社都合退職とは、倒産や解雇など、労働者の意思に関わらず離職を余儀なくされた場合を指します。会社都合退職に該当する方は、ハローワークで受給手続きを行い、待機期間の7日間が経過すれば、その翌日から失業保険の受給が開始されます。
この7日間の待機期間は、離職理由に関わらず全ての方に適用される期間で、失業の状態にあることを確認するために設けられています。会社都合退職の場合は、この待機期間を過ぎれば給付制限がないため、比較的早い段階で失業保険を受け取ることができます。さらに、会社都合退職の場合は、所定給付日数も自己都合退職と比べて手厚くなる場合があり、受給できる期間が長くなる可能性があります。
派遣社員の場合、契約更新を希望していたにもかかわらず派遣会社から次の仕事を紹介されず契約期間満了となった場合や、派遣先の倒産により離職した場合などは、会社都合退職として扱われることが一般的です。
自己都合退職は2025年4月改正で給付制限が1ヶ月に短縮
自己都合退職とは、労働者本人の都合により離職した場合を指します。これまで自己都合退職の場合、待機期間7日間に加えて、原則2ヶ月間の給付制限期間がありました。しかし、2025年4月1日以降に退職した方については、この給付制限期間が1ヶ月に短縮されました。
この法改正により、自己都合で退職した方も、以前よりも早く失業保険を受給できるようになりました。具体的には、ハローワークで受給手続きを行い、7日間の待機期間を経過した後、1ヶ月間の給付制限期間を経て、失業保険の受給が開始されます。つまり、受給手続きから最初の給付までに、約1ヶ月と1週間程度かかる計算となります。
また、離職日前1年以内または離職日以降にリスキリング(学び直し)を目的とした教育訓練給付の対象講座を受けている場合には、給付制限がなしになるという制度もあります。この場合、待機期間7日間を過ぎれば、すぐに失業保険の受給が開始されるため、キャリアアップを目指して学び直しをしていた方にとっては大きなメリットとなるでしょう。
給付制限が3ヶ月になるケースもある|5年以内に3回以上の退職
自己都合退職の給付制限期間が1ヶ月に短縮されたのは大きな変更ですが、すべてのケースで1ヶ月になるわけではありません。退職日から遡って5年間のうちに、正当な理由なく自己都合退職をして失業保険の受給資格決定を3回以上受けた場合、給付制限期間は3ヶ月となります。
これは、頻繁に自己都合退職を繰り返す場合には、雇用の安定という雇用保険制度の趣旨に鑑みて、給付制限期間を長くする措置が取られているためです。そのため、短期間で転職を繰り返している方は、過去の離職歴によって給付制限期間が変わる可能性があることを認識しておく必要があります。
また、自己の責めに帰すべき重大な理由によって解雇された場合(いわゆる重責解雇)も、給付制限期間は3ヶ月となります。重責解雇とは、例えば刑事事件を起こした場合や、会社に重大な損害を与えた場合などが該当します。こうした場合は、実質的には解雇ではあるものの、自己都合退職と同様の扱いとなり、給付制限期間が設けられることになります。
派遣の契約満了は会社都合?自己都合?|判断基準を分かりやすく解説
派遣社員の方にとって最も気になるのが、「契約期間満了で離職した場合、会社都合になるのか自己都合になるのか」という点でしょう。
実は、この判断は契約満了に至った経緯や、契約書の内容によって変わってきます。ここでは、どのような場合に会社都合や特定理由離職者として扱われるのか、具体的なケースを見ていきましょう。
更新を希望したのにされなかった場合は会社都合に
本人が契約更新を希望しているにもかかわらず、派遣会社から次の仕事を紹介されないまま契約期間満了で離職した場合は、会社都合退職(特定受給資格者)として扱われます。これは、労働者本人の意思に反して離職を余儀なくされたと判断されるためです。
さらに、契約更新について契約書に明示がない場合でも、1度以上契約更新をしており、引き続き3年以上雇用されている場合は、更新が明示されていなくても会社都合(特定受給資格者)に該当します。これは、長期間にわたり継続的に雇用されていた実態があるにもかかわらず、突然契約を打ち切られた場合を保護するための規定です。
会社都合退職となれば、待機期間7日後から失業保険の受給が開始され、給付制限期間はありません。また、所定給付日数も自己都合退職より手厚くなる可能性があるため、離職票に記載される離職理由が正確であるか、しっかり確認することが重要です。
特定理由離職者として扱われる契約満了のケース
特定理由離職者とは、会社都合退職ではないものの、やむを得ない理由により離職した方を指します。派遣社員の場合、契約更新について「契約更新をする場合がある」のように明示はあるものの、更新の確認まではない場合は、特定理由離職者として扱われることがあります。
特定理由離職者に該当する場合、受給資格を得るために必要な被保険者期間が緩和されます。通常は離職日以前の2年間に12ヶ月以上の被保険者期間が必要ですが、特定理由離職者の場合は離職日以前の1年間に6ヶ月以上あれば受給資格を得られます。また、自己都合退職に適用される給付制限期間が適用されないため、待機期間7日後から失業保険の受給が開始されます。
ただし、特定理由離職者の場合、所定給付日数については原則として自己都合退職と同様の扱いとなります。ただし、有期労働契約が更新されることを希望したにもかかわらず更新されなかった方については、2027年3月31日までの暫定措置として、特定受給資格者と同様の所定給付日数が適用される場合があります。制度の詳細については、ハローワークで個別に確認することをお勧めします。
自己都合退職と判断されるケースを事前に把握
派遣の契約満了であっても、自己都合退職と判断されるケースがあります。最も典型的なのは、契約期間満了前に派遣会社から次の仕事を紹介されたにもかかわらず、それを拒否して契約期間満了で離職した場合です。この場合、派遣会社としては継続的な就業の機会を提供しているため、労働者本人の都合で離職したと判断されます。
また、契約期間の途中で自己都合により退職を申し出た場合も、当然ながら自己都合退職となります。こうした場合は、2025年4月1日以降の離職であれば、給付制限期間は1ヶ月となりますが、過去5年間に2回以上の自己都合退職がある場合は給付制限期間が3ヶ月となる可能性があります。
派遣社員として働く場合、契約更新の意思を明確に派遣会社に伝えておくことが重要です。もし次の仕事を紹介されなかった場合には、その経緯を記録しておくと、離職理由の判定において有利に働く可能性があります。
離職票の離職理由は必ず確認|誤った記載は受給に影響する
離職票には、離職理由が記載される欄があり、この記載内容によって失業保険の受給条件が大きく変わります。そのため、派遣会社から離職票が届いたら、記載されている離職理由が実際の状況と合っているか、必ず確認してください。
例えば、実際には契約更新を希望していたのに次の仕事を紹介されなかったにもかかわらず、離職票に「自己都合退職」と記載されている場合、給付制限期間が発生したり、所定給付日数が少なくなったりする可能性があります。もし離職票の記載内容に異議がある場合は、ハローワークでの受給手続き時に、その旨を担当者に伝えてください。
ハローワークでは、本人の主張や証拠書類、事業主の主張などを確認した上で、最終的な離職理由を決定します。そのため、契約書や派遣会社とのメールのやり取り、契約更新の意思を示した書類などがあれば、手続き時に持参することをお勧めします。正確な離職理由の判定を受けることで、本来受けられるはずの給付を確実に受けることができます。
派遣の失業保険|受給額はいくら?計算方法を解説
失業保険の受給額は、離職前に受け取っていた賃金をもとに計算されます。「実際にどのくらいもらえるのだろうか」と気になる方も多いでしょう。
ここでは、失業保険の受給額を決定する「賃金日額」と「基本手当日額」の計算方法について、具体的に解説していきます。
失業保険 総額シミュレーター
正確な金額・給付日数とは異なる場合があります。
| 雇用保険の加入期間 | 給付日数 |
|---|---|
| 1年以上10年未満 | 90日 |
| 10年以上20年未満 | 120日 |
| 20年以上 | 150日 |
会社都合退職・特定理由離職者の場合
| 雇用保険の加入期間 | |||||
|---|---|---|---|---|---|
| 年齢 | 1年未満 | 1年以上5年未満 | 5年以上10年未満 | 10年以上20年未満 | 20年以上 |
| 29歳以下 | 90日 | 90日 | 120日 | 180日 | ― |
| 30~34歳 | 90日 | 120日 | 180日 | 210日 | 240日 |
| 35~44歳 | 90日 | 150日 | 180日 | 240日 | 270日 |
| 45~59歳 | 90日 | 180日 | 240日 | 270日 | 330日 |
| 60~64歳 | 90日 | 150日 | 180日 | 210日 | 240日 |
賃金日額の計算方法|離職前6ヶ月の給与がベース
失業保険の金額を計算する第一歩は、「賃金日額」を算出することです。賃金日額とは、離職前6ヶ月間に支払われた賃金の総額を180日で割った金額のことを指します。この計算に含まれるのは、毎月決まって支払われる給与であり、賞与(ボーナス)は含まれません。
具体的な計算式は、「賃金日額 = 離職前6ヶ月の賃金総額 ÷ 180日」となります。例えば、離職前6ヶ月間の給与の総支給額(税金や社会保険料が引かれる前の金額)が合計120万円だった場合、120万円 ÷ 180日 = 6,667円が賃金日額となります。
派遣社員の場合、月によって勤務日数や時給が変動することもあるため、6ヶ月分の給与明細を確認して正確な総額を把握しておくことが大切です。また、残業代や各種手当も、毎月決まって支払われるものであれば計算に含まれます。一方で、通勤手当については一定の範囲内であれば賃金として計算されますが、実費弁償的なものは除外されることがあります。
基本手当日額は賃金日額の50~80%(年齢により変動)
賃金日額が算出できたら、次に「基本手当日額」を計算します。基本手当日額とは、失業保険として1日あたりに支給される金額のことで、賃金日額に一定の給付率をかけて算出されます。給付率は、賃金の低い方ほど高く設定されており、おおむね50~80%の範囲となっています(60歳~64歳の方については45~80%)。
この給付率は、離職時の年齢と賃金日額によって細かく定められています。一般的に、賃金が低かった方ほど給付率が高くなり、生活の安定をより手厚く支援する仕組みとなっています。ただし、基本手当日額には年齢区分ごとに上限額が設けられており、2025年8月1日現在の上限額は以下の通りです。
- 30歳未満:7,255円
- 30歳以上45歳未満:8,055円
- 45歳以上60歳未満:8,870円
- 60歳以上65歳未満:7,623円
つまり、どれだけ賃金が高かった方でも、これらの上限額を超えて基本手当日額が支給されることはありません。一方で、賃金が極端に低かった場合の下限額も設定されており、最低保障の仕組みが用意されています。
受給総額の計算式|基本手当日額×所定給付日数
失業保険として受け取れる総額は、「基本手当日額 × 所定給付日数」で計算されます。所定給付日数とは、失業保険を受給できる日数のことで、離職理由や年齢、被保険者期間によって決まります。詳細は次のセクションで解説しますが、自己都合退職の場合は90日から150日、会社都合退職の場合は90日から330日の範囲で設定されます。
例えば、基本手当日額が5,000円で、所定給付日数が90日の場合、受給総額は5,000円 × 90日 = 45万円となります。これが、失業保険として受け取れる総額の目安です。ただし、この金額は一括で支給されるわけではなく、原則として4週間(28日)ごとの失業認定日に、認定を受けた日数分が後日振り込まれる仕組みとなっています。
また、受給期間は原則として離職日の翌日から1年間と定められているため、この期間内に所定給付日数分を受給する必要があります。万が一、1年間を過ぎてしまうと、残りの給付日数があっても受給できなくなってしまうため、離職したら早めにハローワークで手続きを行うことが重要です。
月収別の受給額シミュレーション例
実際の受給額のイメージを持っていただくため、月収別のシミュレーション例をご紹介します。ただし、これはあくまで一般的なケースとしての目安であり、個人の状況により金額は異なります。
月収15万円程度の場合
賃金日額は約5,000円となり、給付率を適用すると基本手当日額は約3,700円程度となります。これを1ヶ月(30日)に換算すると、月額約11万円程度の失業保険を受給できる可能性があります。
月収20万円程度の場合
賃金日額は約6,667円となり、基本手当日額は約4,600円程度です。月額に換算すると約14万円程度となります(60歳以上65歳未満の方の場合は、給付率が異なるため約13万5千円程度となる場合があります)。
月収30万円程度の場合
賃金日額は約1万円となり、基本手当日額は約5,800円程度です。月額に換算すると約17万円程度となります(60歳以上65歳未満の方の場合は約14万6千円程度)。
これらはあくまで概算であり、正確な金額はハローワークに離職票を提出して初めて確定します。また、所定給付日数によって受給できる総額が変わるため、ご自身の状況に応じた具体的な金額については、ハローワークで確認することをお勧めします。
失業保険の給付日数と受給期間|派遣社員の場合
失業保険を何日間受給できるかは、離職理由や年齢、雇用保険の被保険者であった期間によって決まります。
派遣社員の場合、契約満了が会社都合となるか自己都合となるかで給付日数が大きく変わる可能性があるため、ご自身のケースを正確に把握しておくことが重要です。
所定給付日数は退職理由と被保険者期間で決まる
失業保険を受給できる日数のことを「所定給付日数」といいます。この所定給付日数は、一律ではなく、離職理由(会社都合か自己都合か)、離職時の年齢、雇用保険の被保険者であった期間という3つの要素によって決定されます。
自己都合退職の場合と会社都合退職の場合では、同じ被保険者期間であっても所定給付日数が異なります。一般的に、会社都合退職の方が手厚い給付日数となるよう設計されています。これは、倒産や解雇など、労働者本人の意思に関わらず離職を余儀なくされた方に対して、より長い期間の生活支援と再就職活動の時間を確保するためです。
派遣社員の方で、契約更新を希望していたにもかかわらず次の仕事を紹介されず契約期間満了となった場合は、会社都合退職(特定受給資格者)または特定理由離職者として扱われる可能性があります。その場合、自己都合退職よりも所定給付日数が多くなることがあるため、離職理由の判定は非常に重要です。
会社都合退職は条件により最大330日の給付日数
会社都合退職(特定受給資格者)の場合、所定給付日数は被保険者期間と離職時の年齢によって、90日から330日の範囲で決定されます。特に、被保険者期間が長く、年齢が高い方ほど給付日数が多くなる傾向があります。
例えば、離職時の年齢が30歳未満で被保険者期間が1年以上5年未満の場合、所定給付日数は90日となります。一方で、離職時の年齢が35歳以上45歳未満で被保険者期間が20年以上の場合、所定給付日数は330日となります。
このように、会社都合退職の場合は、再就職の準備をする時間的余裕がなく離職を余儀なくされたことを考慮し、自己都合退職よりも手厚い給付日数が設定されています。派遣社員の方で、契約更新を希望していたのに更新されなかった場合や、派遣先の都合による契約打ち切りなどの場合は、会社都合退職に該当する可能性があるため、離職理由を正確に判定してもらうことが大切です。
自己都合退職の給付日数は90~150日
自己都合退職の場合、所定給付日数は被保険者期間のみによって決定され、年齢による区分はありません。被保険者期間が1年未満の場合は所定給付日数の設定がなく、受給資格を得ることができません(ただし、特定理由離職者に該当する場合は6ヶ月以上で受給資格を得られます)。
被保険者期間が1年以上5年未満の場合、所定給付日数は90日です。被保険者期間が5年以上10年未満の場合も90日となります。被保険者期間が10年以上20年未満の場合は120日、20年以上の場合は150日となります。
このように、自己都合退職の場合は会社都合退職と比べて所定給付日数が少なく設定されています。しかし、2025年4月の法改正により給付制限期間が1ヶ月に短縮されたことで、以前よりも早く失業保険を受給できるようになりました。派遣社員の方で、自ら契約を更新しないことを選択した場合や、契約期間途中で自己都合により退職した場合は、自己都合退職として扱われることが一般的です。
受給期間は離職日の翌日から原則1年間(延長できる場合あり)
失業保険を受給できる権利の有効期間を「受給期間」といい、原則として離職日の翌日から1年間と定められています。この1年間のうち、失業の状態にある日について、所定給付日数を限度として失業保険が支給される仕組みです。
つまり、たとえ所定給付日数が150日あったとしても、受給期間の1年間を過ぎてしまうと、残りの給付日数があっても受給できなくなってしまいます。そのため、離職したら早めにハローワークで求職申込みと受給手続きを行うことが重要です。
ただし、病気・ケガ・妊娠・出産・育児などの理由により引き続き30日以上働くことができない場合は、受給期間を延長することができます。延長できる期間は最大3年間で、本来の受給期間1年間に働けなかった日数を加算できます。この場合、働けない状態になった日の翌日以降、早めにハローワークに申請することが原則ですが、延長後の受給期間の最後の日までであれば申請が可能です。
派遣社員の方で、契約満了後にすぐに就職活動ができない事情がある場合は、受給期間の延長申請を検討してみてください。延長申請は代理人や郵送でも可能ですので、ハローワークに相談することをお勧めします。
派遣社員が失業保険を受給するまでの手続きの流れ
失業保険を受給するためには、ハローワークでの手続きが必要です。手続きの流れは決して複雑ではありませんが、必要な書類や期限を把握しておくことで、スムーズに手続きを進めることができます。
ここでは、派遣社員の方が失業保険を受給するまでの具体的な流れを、ステップごとに解説していきます。
派遣会社から離職票を受け取る
失業保険の手続きを始めるには、まず派遣会社から「離職票」を受け取る必要があります。離職票とは、雇用保険の被保険者であったことや、離職理由、賃金などを証明する重要な書類です。
派遣会社は、派遣スタッフが離職した場合、退職日の翌々日から10日以内にハローワークに雇用保険被保険者資格喪失届を提出します。ハローワークが離職票を発行し、派遣会社を経由して本人に交付される流れとなっています。通常、離職後1週間から2週間程度で離職票が自宅に郵送されてきます。もし離職後2週間を経過しても離職票が届かない場合は、派遣会社に連絡して処理状況を確認してください。
派遣会社が手続きをしない場合や督促しても届かない場合は、身元確認書類及び退職したことがわかる書類(退職証明書等)を持参の上、住居地を管轄するハローワークに早めに相談することができます。
離職票が届いたら、記載内容、特に離職理由が実際の状況と合っているかを必ず確認してください。もし記載内容に誤りや異議がある場合は、ハローワークでの手続き時にその旨を伝えることができます。
ハローワークで求職申込みと受給資格決定
離職票を受け取ったら、できるだけ早く住居地を管轄するハローワークに行き、求職申込みと失業保険の受給手続きを行います。ハローワークの開庁時間は平日の8時30分から17時15分までで、土・日・祝日・年末年始は閉庁しています。
手続きに必要な書類は以下の通りです。
- 離職票-1、離職票-2(複数枚ある場合は全て持参)
- 個人番号確認書類(マイナンバーカード、通知カード、個人番号の記載のある住民票の写しのいずれか)
- 身元確認書類(運転免許証、マイナンバーカードなど)
- 写真2枚(最近の写真、正面上三分身、タテ3.0cm×ヨコ2.4cm)※マイナンバーカードを毎回提示できる場合は省略可能
- 本人名義の預金通帳またはキャッシュカード
ハローワークでは、求職申込書に必要事項を記入し、職員との面談を通じて求職の申込みを行います。その後、離職票などの書類を提出し、受給資格の決定を受けます。この日から失業保険の手続きが正式にスタートし、受給資格者証(または受給資格通知)が交付されます。
待機期間7日間と雇用保険受給説明会への参加
受給手続きを行った日から7日間は「待機期間」となり、この期間は離職理由に関わらず全ての方に適用されます。この7日間は、失業の状態にあることを確認するための期間で、この間はアルバイトなどの仕事をしないよう注意が必要です。
待機期間の満了後、指定された日時に「雇用保険受給説明会」に参加します。この説明会では、失業保険の受給についての詳しい説明や、求職活動の進め方、失業認定日の手続きなどについて案内があります。説明会には必ず出席する必要があり、欠席すると失業保険の受給に影響が出る可能性があります。
説明会では、「雇用保険受給資格者のしおり」が配布され、失業認定申告書の記入方法や、求職活動として認められる活動の具体例などが説明されます。また、最初の失業認定日も指定されますので、必ずメモを取るか、配布資料を大切に保管してください。
自己都合退職の場合は、待機期間7日間に加えて給付制限期間(2025年4月1日以降の離職は1ヶ月、それ以前の離職は2ヶ月)があります。この期間中も求職活動を行う必要があり、給付制限期間が終了した後に失業保険の受給が開始されます。
失業認定は原則4週間ごと|基本手当は認定日の約1週間後に振込
失業保険を受給するためには、原則として4週間に1回、指定された失業認定日にハローワークに来所し、失業の認定を受ける必要があります。失業認定日には、「失業認定申告書」に求職活動の実績や、アルバイトをした日などを記入し、受給資格者証とともに提出します。
ハローワークの職員が、失業認定申告書の内容を確認し、その期間中に失業の状態にあったかどうかを認定します。認定を受けた日数分の基本手当が、認定日の約7日後に、受給手続き時に指定した本人名義の口座に振り込まれます。
失業認定日は、あらかじめハローワークが指定した日時に来所する必要があり、正当な理由なく欠席すると、その期間の失業保険が支給されません。もし、面接や病気などのやむを得ない理由で来所できない場合は、事前にハローワークに連絡し、認定日の変更手続きを行うことができます。
この失業認定の手続きを、所定給付日数分受給し終わるまで、または再就職が決まるまで繰り返し行うことになります。再就職が決まった場合は、就職日の前日にハローワークに来所し、就職の申告を行います。一定の条件を満たせば、再就職手当を受給できる可能性もあります。
手続きに必要な書類を事前に準備しよう
失業保険の手続きをスムーズに進めるためには、必要な書類を事前に準備しておくことが大切です。前述の通り、初回の受給手続きには離職票、マイナンバー確認書類、身元確認書類、写真、通帳またはキャッシュカードが必要です。
また、離職理由に異議がある場合や、特定受給資格者・特定理由離職者に該当すると主張する場合は、それを証明する書類があると手続きがスムーズです。例えば、契約書、派遣会社とのメールのやり取り、契約更新の意思を示した書類、医師の診断書(傷病が理由の場合)などが該当します。
失業認定日には、求職活動の実績を証明できる書類を持参すると良いでしょう。ハローワークでの職業相談の場合は不要ですが、民間の職業紹介事業者を利用した場合や、セミナーに参加した場合などは、参加証明書や受講証などを持参することで、求職活動実績として認められやすくなります。
書類に不備があると、手続きが遅れたり、再度来所する必要が出てきたりします。事前にハローワークのウェブサイトで必要書類を確認し、余裕を持って準備しておくことをお勧めします。
失業認定に必要な求職活動実績の回数と認められる活動
失業保険を受給するためには、単にハローワークに行くだけでなく、実際に求職活動を行っていることを証明する必要があります。
この求職活動の実績が、失業認定を受けるための重要な要件となります。ここでは、どのくらいの回数の求職活動が必要で、どのような活動が実績として認められるのかを解説します。
初回認定日までに1回以上の求職活動が必要
失業保険の受給手続きを行い、雇用保険受給説明会に参加した後、最初の失業認定日までに必要な求職活動実績は1回以上です。これは、待機期間満了後から最初の認定日の前日までの期間に、1回以上の求職活動を行っていれば良いということです。
初回認定日までの期間は比較的短いこともあり、他の認定日と比べて必要な求職活動実績の回数が少なく設定されています。ただし、この1回の求職活動実績がないと、初回の失業認定を受けることができず、失業保険の支給が遅れる可能性があります。
なお、3ヶ月の給付制限がかかる方については、待期満了後から給付制限経過後の最初の認定日の前日までに3回以上の求職活動が必要です。2ヶ月の給付制限がかかる方(2025年3月31日以前に離職した方)は2回以上、1ヶ月の給付制限がかかる方(2025年4月1日以降に離職した方)は1回以上の求職活動が必要となります。
2回目以降は認定対象期間に2回以上の実績が必要
初回認定日以降は、原則として認定対象期間(前回の認定日から今回の認定日の前日まで)に2回以上の求職活動実績が必要となります。認定対象期間は通常4週間(28日間)ですので、この期間内に2回以上の求職活動を行う必要があります。
この2回という回数は最低限の回数であり、より積極的に求職活動を行うことが望ましいとされています。なぜなら、失業保険は「積極的に求職活動を行っているにもかかわらず就職できない状態にある方」を支援する制度だからです。
もし認定対象期間に2回以上の求職活動実績がない場合、その認定日の認定を受けることができず、その期間の失業保険が支給されません。さらに、次の認定日の前日までにハローワークに来所して職業相談等の積極的な求職活動をしなかった場合には、その次の認定日の前日までの期間についても失業認定を受けることができなくなります。
求職活動として認められる活動の具体例
求職活動実績として認められる活動には、明確な基準があります。ハローワークが定める求職活動として認められる主な活動は以下の通りです。
- ハローワークが行う職業相談・職業紹介
- 求人への応募(インターネット求人サイトや新聞の求人広告への応募を含む)
- 許可・届出のある民間職業紹介事業者(人材紹介会社や派遣会社など)が行う職業相談・職業紹介
- 公的機関等が行う各種講習・セミナーの受講
- 個別相談ができる企業説明会への参加
まず、ハローワークが行う職業相談・職業紹介は、最も一般的な求職活動実績です。ハローワークの窓口で職員と求人について相談したり、求人の紹介を受けたりすることで、1回の実績としてカウントされます。
次に、求人への応募も求職活動実績として認められます。インターネットの求人サイトや新聞の求人広告を見て応募した場合や、派遣会社に登録して仕事に応募した場合などが該当します。応募の事実を証明できる書類(応募メールの控え、応募書類のコピーなど)があると良いでしょう。
許可・届出のある民間職業紹介事業者(人材紹介会社や派遣会社など)が行う職業相談・職業紹介も、求職活動実績として認められます。ただし、単なる登録だけでは実績にならず、実際に職業相談や求人紹介を受ける必要があります。
公的機関等が行う各種講習・セミナーの受講や、個別相談ができる企業説明会への参加も求職活動実績となります。ハローワークが主催するセミナーだけでなく、自治体や商工会議所などが主催する就職支援セミナーも対象となることがあります。
求人サイトの閲覧だけでは実績にならない
注意が必要なのは、単に求人情報を見たり調べたりするだけでは、求職活動実績として認められないという点です。具体的には、以下のような活動は求職活動実績にはなりません。
- インターネットの求人サイトや新聞の求人広告を閲覧しただけ
- 知人や友人に仕事の紹介を依頼しただけ
- 単に職業紹介機関に登録しただけ
派遣社員として働いていた方は、複数の派遣会社に登録している場合も多いでしょう。派遣会社での職業相談や求人への応募も求職活動実績となりますので、積極的に活用することをお勧めします。ただし、派遣会社からのメールを受け取っただけでは実績にならず、実際に相談や応募のアクションを取る必要があります。
失業認定申告書には、求職活動の内容を具体的に記入する欄があります。いつ、どこで、どのような求職活動を行ったかを正確に記録しておくと、認定日の手続きがスムーズになります。
派遣の失業保険で知っておきたい注意点
失業保険を受給する際には、いくつか知っておくべき注意点があります。特に、受給期間の延長制度や不正受給のリスク、早期再就職のメリットなどは、失業保険を適切に活用するために重要な情報です。
ここでは、派遣社員の方が失業保険を利用する際に押さえておきたいポイントを解説します。
妊娠・出産・病気の場合は受給期間の延長が可能
失業保険を受給するためには、「いつでも就職できる能力があること」が条件となっています。そのため、妊娠・出産・病気・ケガなどですぐに働くことができない場合は、現時点では失業保険を受給することができません。
しかし、このような場合でも、受給期間の延長申請を行うことで、本来の受給期間1年間に働けなかった日数を加算することができます。延長できる期間は最大3年間で、合計で最大4年間まで受給期間を延長することが可能です。
受給期間の延長申請は、働けない状態が30日以上継続した場合に行うことができます。申請は、働けない状態になった日の翌日以降、早めに行うことが原則ですが、延長後の受給期間の最後の日までであれば申請が可能です。申請は、住居地を管轄するハローワークに行い、代理人や郵送でも手続きができます。
派遣社員の方で、契約満了後に妊娠が分かった場合や、病気で療養が必要になった場合などは、受給期間の延長を検討してみてください。働ける状態になってから、あらためて求職申込みと失業保険の受給手続きを行うことができます。
不正受給には厳しい罰則がある
失業保険は、失業の状態にある方を支援する制度です。そのため、偽りその他不正の行為で失業保険を受けたり、受けようとしたりした場合には、厳しい罰則が科されます。
不正受給が発覚した場合、以降の失業保険の支給が停止されるとともに、不正に受給した額の返還を命じられます。さらに、原則として、返還を命じられた不正受給金額とは別に、直接不正の行為により支給を受けた額の2倍に相当する額以下の金額の納付を命じられることとなります。つまり、不正受給した金額の最大3倍の金額を納付しなければならない可能性があるということです。
不正受給に該当する行為としては、以下のようなものがあります。就職や就労(アルバイト・パートを含む)したにもかかわらず、失業認定申告書に記載しなかった場合。内職や手伝いをして収入を得たにもかかわらず、申告しなかった場合。自営を開始したり、会社の役員に就任したりしたにもかかわらず、申告しなかった場合などです。
失業認定申告書には、収入の有無にかかわらず、働いた日やアルバイトをした日を正確に申告する必要があります。正直に申告すれば、その日の分は支給されなかったり減額されたりすることはありますが、不正受給とはなりません。一時的に収入があったとしても、必ず申告するようにしてください。
再就職手当で早期再就職を支援
失業保険は、所定給付日数分を全て受給してから再就職するよりも、早期に再就職した方が経済的にメリットがある場合があります。なぜなら、一定の条件を満たして早期に再就職した場合、「再就職手当」という一時金を受給できる可能性があるからです。
再就職手当は、失業保険の支給残日数が所定給付日数の3分の1以上残っている状態で安定した職業に就いた場合に支給されます。支給額は、支給残日数が所定給付日数の3分の2以上残っている場合は「基本手当日額×支給残日数×70%」、3分の1以上残っている場合は「基本手当日額×支給残日数×60%」となります。
例えば、基本手当日額が5,000円で所定給付日数が90日、支給残日数が70日残っている状態で再就職した場合、5,000円×70日×70%=245,000円の再就職手当を受給できる可能性があります。この場合、残りの90日分の失業保険を全て受給するよりも、早期に再就職して給与を得ながら再就職手当も受給する方が、トータルの収入が多くなる可能性があります。
再就職手当を受給するためには、いくつかの条件があります。待期期間満了後の就職であること、1年を超えて勤務することが確実であると認められること、離職前の事業主に再び雇用されたものでないことなどです。再就職が決まったら、就職日の前日にハローワークに来所し、就職の申告を行ってください。
雇用保険の加入状況は給与明細で確認できる
派遣社員として働いている方の中には、自分が雇用保険に加入しているかどうか分からないという方もいるかもしれません。雇用保険の加入状況は、毎月の給与明細を見ることで確認できます。
給与明細の控除項目の欄に「雇用保険料」という項目があり、金額が記載されていれば、雇用保険に加入していることになります。雇用保険料は、給与の総支給額に一定の保険料率をかけた金額が控除される仕組みです。
もし給与明細に雇用保険料の記載がない場合、または雇用保険に加入しているかどうか不明な場合は、派遣会社に確認してください。雇用保険の加入は法律で定められた義務であり、加入条件を満たしているにもかかわらず加入手続きが行われていない場合は、派遣会社に対して加入手続きを求めることができます。
過去の雇用保険の加入履歴を確認したい場合は、ハローワークで「雇用保険被保険者資格取得届出確認照会票」を請求することもできます。これにより、いつからいつまで雇用保険に加入していたかを確認することができ、失業保険の受給資格を満たしているかどうかを事前に把握することができます。
よくある質問|派遣社員の失業保険に関する疑問を解決

ここでは、派遣社員の方から特によく寄せられる失業保険に関する質問にお答えします。これらの疑問を解消することで、より安心して失業保険の制度を活用していただけるでしょう。
派遣社員でも失業保険はもらえる?
はい、派遣社員でも一定の条件を満たせば失業保険を受給することができます。雇用保険に加入しており、離職前2年間に被保険者期間が通算12ヶ月以上ある場合(会社都合退職や特定理由離職者の場合は離職前1年間に6ヶ月以上)、失業保険の受給資格があります。
雇用保険の加入条件は、「週の所定労働時間が20時間以上」かつ「31日以上引き続き雇用される見込みがある」ことです。この条件を満たしている派遣社員の方は、雇用保険に加入しているはずですので、給与明細で雇用保険料が控除されているかを確認してください。
派遣社員という雇用形態であることが、失業保険の受給において不利になることはありません。正社員と同じ条件で、失業保険の制度を利用することができます。
派遣社員は失業保険をすぐにもらえる?
失業保険をすぐに受給できるかどうかは、離職理由によって異なります。会社都合退職の場合、ハローワークで受給手続きを行い、7日間の待機期間を経過すれば、その翌日から失業保険の受給が開始されます。
一方、自己都合退職の場合は、7日間の待機期間に加えて給付制限期間があります。2025年4月1日以降に離職した方は給付制限期間が1ヶ月、それ以前に離職した方は2ヶ月です。ただし、過去5年間に2回以上の自己都合退職がある場合は、給付制限期間が3ヶ月となります。
派遣の契約満了の場合、契約更新を希望していたのに更新されなかった場合は会社都合退職または特定理由離職者として扱われる可能性があり、その場合は給付制限期間なく受給できる可能性があります。
派遣社員が契約満了になった場合は会社都合になる?
派遣の契約満了が会社都合になるか自己都合になるかは、契約満了に至った経緯によって判断されます。本人が契約更新を希望していたにもかかわらず、派遣会社から次の仕事を紹介されないまま契約期間満了で離職した場合は、会社都合退職(特定受給資格者)として扱われます。
また、契約更新について「契約更新をする場合がある」のように明示はあるものの更新の確認まではない場合は、特定理由離職者として扱われることがあります。特定理由離職者の場合、給付制限期間なく失業保険を受給できる可能性があります。
一方、契約期間満了前に派遣会社から次の仕事を紹介されたにもかかわらず、それを拒否して契約期間満了で離職した場合は、自己都合退職となります。ご自身のケースがどれに該当するかは、離職票の記載内容やハローワークでの判定によって決まりますので、契約更新の意思を明確に派遣会社に伝えておくことが大切です。
派遣を辞めたら健康保険や年金はどうなる?
派遣社員を退職した後の健康保険や年金については、失業保険とは別に手続きが必要です。健康保険については、以下のいずれかの選択肢があります。
退職後14日以内に、住んでいる市区町村の窓口で国民健康保険の加入手続きを行います。なお、会社都合退職(特定受給資格者)または特定理由離職者の場合、国民健康保険料の軽減措置を受けられる可能性があります。
退職日の翌日から20日以内に手続きを行うことで、最大2年間、退職前の健康保険を継続することができます。ただし、保険料は全額自己負担となります。
配偶者や親などの扶養家族になれる場合は、その方の健康保険に加入することができます。ただし、失業保険を受給していると扶養に入れない場合があるため、加入している健康保険組合に確認が必要です。
年金については、退職後14日以内に市区町村の窓口で国民年金への切り替え手続きを行います。会社員として厚生年金に加入していた方は、退職後は国民年金の第1号被保険者となります。保険料の納付が困難な場合は、免除や猶予の制度もありますので、市区町村の窓口で相談してください。
複数の派遣会社で働いていた場合の計算方法は?
複数の派遣会社で同時期に働いていた場合、それぞれの派遣会社から離職票が発行されます。失業保険の受給手続きを行う際は、持っている全ての離職票をハローワークに提出する必要があります。
失業保険の受給額を計算する際の「賃金日額」は、離職前6ヶ月間に各派遣会社から支払われた賃金の総額を合計し、それを180日で割って算出します。つまり、複数の派遣会社から受け取っていた給与を全て合算して計算することになります。
被保険者期間の計算についても、複数の派遣会社での雇用保険加入期間を通算することができます。ただし、同じ月に複数の派遣会社で働いていた場合でも、その月は「1ヶ月」としてカウントされます。
複数の派遣会社で働いていた場合、離職票の発行タイミングが異なることがあります。全ての離職票が揃ってからハローワークで手続きを行う方が、正確な受給額の計算ができるでしょう。ただし、受給期間は離職日の翌日から1年間と定められているため、離職票が揃うのを待ちすぎると受給期間が短くなってしまう可能性があります。離職票の発行が遅れている場合は、派遣会社に連絡して状況を確認することをお勧めします。
退職後の公的給付金制度について知りたい│退職リトリート

退職リトリートでは、雇用保険制度をはじめとする公的給付金制度について、わかりやすく情報提供を行っています。失業保険の受給手続きや、特定の条件を満たす場合に利用できる公的支援制度について、制度の概要や一般的な流れをご案内しています。
情報提供は公式LINEを通じて行われ、制度に関する疑問点については一般的な情報をお伝えすることが可能です。ご希望に応じてオンラインでのご説明も実施しており、受給までの一般的な流れをまとめたマニュアルもご用意しています。まずは公式LINEより面談をご予約いただき、オンライン面談で雇用保険制度の仕組みや手続きの流れについてご説明いたします。
退職を検討されている方は、早めに制度について情報収集しておくことをお勧めします。退職後に利用できる公的給付制度について詳しく知りたい方、制度の仕組みを理解しておきたい方は、まずはお気軽に情報提供サービスをご利用ください。
※実際の手続きはご本人様がハローワークで行っていただく必要があります。受給の可否及び金額は、ハローワークでの審査により決定されます。




