会社都合退職になる条件とメリット5つ|手続き前に確認したいこと

会社都合退職になる条件とメリット5つ|手続き前に確認したいこと

「会社都合退職って、自己都合と何が違うの?」「退職勧奨を受けたけど、これは会社都合になるの?」と疑問を抱えている方は少なくありません。

会社都合退職は、失業保険の給付制限がなく、給付日数も長いなど、自己都合退職と比べて手厚い保護を受けられる可能性があります。この記事では、メリット・デメリットから該当するかの確認方法、退職後の手続きまでわかりやすく解説します。

「正しく制度を使いたい」という方は、ぜひ最後までお読みください。

※本記事内の各種受給例はあくまでも一例であり、実際は個人の状況により異なる可能性がございます。正確な金額はハローワークでご確認ください。

この記事でわかること
  • 会社都合退職と自己都合退職の違い(失業保険の給付日数・給付制限の差)
  • 会社都合退職に当てはまる15のケースと、パワハラ・給与未払いでも該当する条件
  • 退職勧奨を自己都合として処理させないための確認ポイントと、ハローワークへの申し立て手順
  • 退職後の失業保険申請から受給開始までの具体的なスケジュールと必要書類
  • 転職面接での退職理由の伝え方と、履歴書への記載方法
目次

会社都合退職とは?自己都合退職との違いを分かりやすく整理する

会社都合退職とは、労働者が自らの意思ではなく、会社側の事情によって退職を余儀なくされることを指します。

会社都合退職として雇用保険上問題になるのは、主に特定受給資格者です。なお、特定理由離職者には、契約更新がされなかった場合や正当な理由のある自己都合退職など、会社都合以外のケースも含まれます。

自己都合退職との最大の違いは、失業保険の受給条件と給付日数に表れ、会社都合退職の場合は手厚い保護を受けられる可能性があります。

会社都合退職と判断される主な理由・ケース一覧

会社都合退職と判断されるかどうかは、ハローワークが離職票の記載内容をもとに最終的に決定します。

厚生労働省の定める「特定受給資格者」の要件をもとに、主なケースを整理するとおおよそ以下のとおりです。

会社都合退職に当たる主なケース
  • 倒産(法的整理・事実上の倒産を含む)による離職
  • 事業所の廃止または縮小による離職
  • 解雇(自己の責めに帰すべき重大な理由によるものを除く)
  • 退職勧奨に応じた離職(希望退職の募集への応募を含む)
  • 事業所の移転により通勤困難になった場合
  • 給与が離職前6か月間で85%未満に引き下げられた場合
  • 労働条件が著しく変更された場合
  • 長時間の時間外労働(月45時間超が3か月以上継続する場合など)
  • パワーハラスメントや職場環境の著しい悪化
  • 3か月以上にわたる賃金の未払い・遅延
  • 雇用契約の期間満了(有期雇用で更新を希望したが更新されなかった場合)

なお、上記はあくまで一般的な判断基準であり、個別の状況によってはハローワークが詳細を確認したうえで判断するケースもあります。「自分が該当するか分からない」と感じる場合は、まずハローワークに相談してみることをお勧めします。

失業保険・退職金・手続き、自己都合退職との違い比較

会社都合退職と自己都合退職では、主に失業保険の受給面で大きな差があります。下表に主な違いを整理しました。

比較項目会社都合退職(特定受給資格者)自己都合退職
給付制限期間なし(7日間の待期のみ)原則1か月(過去5年間に3回以上自己都合退職した場合は3か月)
所定給付日数90〜330日(年齢・加入期間で異なる)90〜150日(加入期間で異なる)
受給に必要な被保険者期間離職前1年以内に6か月以上離職前2年以内に12か月以上
退職金会社規程により上乗せされるケースあり会社規程の標準額
国民健康保険料軽減措置が利用できる可能性あり軽減措置の対象外

自己都合退職の場合、2025年の雇用保険法改正により給付制限期間は原則2か月から1か月に短縮されましたが、会社都合退職では給付制限そのものが存在しないため、依然として大きな差があります。

会社都合退職で受けられる5つのメリット

会社都合退職には、手続きや手当など、複数の点で有利に働く可能性があります。ただし、すべての方が同じ恩恵を受けられるわけではなく、条件を満たしているかどうかが重要です。

以下では、5つのメリットについて順番に解説します。

①給付制限なしで失業保険を早く受け取れる

会社都合退職(特定受給資格者)の場合、自己都合退職で発生する給付制限期間が設けられません。そのため、ハローワークで受給資格の決定を受けた後、7日間の待期期間を経た翌日から失業保険の受給対象期間に入ります。

自己都合退職では原則1か月の給付制限があることを踏まえると、退職後の生活設計がより立てやすくなるというのがこのメリットの本質です。

たとえば退職後すぐに転職活動を始める方にとって、収入が早い段階で補完される可能性があることは、精神的な余裕にもつながります。もちろん、実際の支給時期は手続き状況によって前後する場合がありますので、ハローワークでご確認ください。

②給付日数が自己都合より長く設定される

会社都合退職では、被保険者期間と年齢に応じて所定給付日数が最大330日まで設定されており、自己都合退職の最大150日と比較すると大きな差があります。

たとえば、「30〜34歳・雇用保険加入10年以上20年未満」の場合は210日(自己都合120日との差は90日)、「35〜44歳・加入10年以上20年未満」の場合は240日(自己都合120日との差は120日)となります。年齢区分によって給付日数が異なるため、ご自身の条件でご確認ください。

再就職に時間がかかるケースでも、給付日数が長いほど焦らず活動を続けられるため、転職の質を高める余裕が生まれます。

③条件を満たした場合、解雇予告手当を受け取れる

会社から解雇を通知された場合、労働基準法第20条の定めにより、会社は少なくとも30日前に予告するか、30日分以上の平均賃金を解雇予告手当として支払う義務があります。予告期間が30日に満たない場合には、不足日数分の平均賃金が支払われます。

解雇予告手当の金額は「平均賃金(直近3か月の賃金総額÷暦日数)×予告が不足した日数」で計算され、即日解雇であれば30日分の平均賃金が目安となります。

ただし、この手当が発生するのは「解雇」によって会社都合退職となった場合であり、倒産や退職勧奨に応じた退職のケースとは要件が異なります。自分のケースが該当するかどうかは、会社側に確認するか、労働基準監督署へ相談してみてはいかがでしょうか。

④退職金が上乗せされるケースがある

会社都合退職の場合、就業規則や退職金規程の内容によっては、自己都合退職より退職金が多く支給されるケースがあります。

これは、多くの会社が「会社都合退職の係数を自己都合退職より高く設定している」退職金規程を採用しているためです。ただし、退職金制度の内容は会社によって大きく異なり、制度がない会社も存在します。退職金の有無や金額については、就業規則や退職金規程を事前に確認するか、人事・総務部門に確認することをお勧めします。

なお、自己都合退職と会社都合退職の退職金差額についても個人の状況により異なりますので、具体的な金額は必ず規程に基づいて確認してください。

⑤国民健康保険料の軽減措置が利用できる場合がある

会社都合退職により雇用保険の特定受給資格者または特定理由離職者に該当する65歳未満の方は、国民健康保険料の軽減措置を申請できる場合があります。具体的には、国民健康保険料の計算において、前年の給与所得を100分の30に換算して保険料を算定する仕組みです。

たとえば前年の給与所得が300万円の場合、保険料の計算上は90万円として扱われるため、保険料が大幅に低くなる可能性があります。この軽減措置は、離職日の翌日の属する月からその翌年度末まで適用されます。お住まいの市区町村の国民健康保険担当窓口に、雇用保険受給資格者証を持参して申請手続きを行ってください。

申請が遅れた場合でも遡及適用が認められているため、まだ申請していない方はお早めに確認されることをお勧めします。

失業保険 総額シミュレーター

失業保険 総額シミュレーター

※計算は概算です。
正確な金額・給付日数とは異なる場合があります。

下記の表で給付日数を確認したら、上記のシミュレーターに「年収」「年齢」「給付日数」を入力してください。失業保険の基本手当日額と受給総額が自動でシミュレーションできます。

自己都合退職の場合
雇用保険の加入期間 給付日数
1年以上10年未満 90日
10年以上20年未満 120日
20年以上 150日
※表は横スクロールできます
会社都合退職・特定理由離職者の場合
雇用保険の加入期間
年齢 1年未満 1年以上5年未満 5年以上10年未満 10年以上20年未満 20年以上
29歳以下 90日 90日 120日 180日
30~34歳 90日 120日 180日 210日 240日
35~44歳 90日 150日 180日 240日 270日
45~59歳 90日 180日 240日 270日 330日
60~64歳 90日 150日 180日 210日 240日
※表は横スクロールできます

※本記事内の各種受給例はあくまでも一例であり、実際は個人の状況により異なる可能性がございます。正確な金額はハローワークでご確認ください。

会社都合退職のデメリットと転職活動への影響

会社都合退職は失業保険の面では有利な一方、転職活動や生活面でいくつかの課題を伴う場合があります。

退職後の生活や転職活動に影響しうる3つのデメリットを、あらかじめ把握しておくことが大切です。

転職面接で退職理由を深堀りされる場合がある

会社都合退職は、転職面接において退職理由の説明が求められやすい側面があります。面接官は「なぜ会社都合となったのか」を確認したいと考える場合があり、特にリストラや解雇の場合はその理由について丁寧に伝える準備が必要です。

ただし、倒産や業績悪化によるリストラのように、個人の能力・意欲とは無関係なケースは、適切に説明すれば採用選考に大きな影響を与えないことが多いとされています。

大切なのは「なぜ会社都合になったか」ではなく「次の職場で何をしたいか」を前向きに伝えることです。転職活動の前に、退職理由の説明を整理しておくことが、スムーズな再就職への第一歩になります。

退職のタイミングを自分では選べないことがある

会社都合退職の多くは、リストラ・解雇・会社の倒産といった形で訪れるため、退職のタイミングを自分でコントロールできないという現実があります。

退職日が突然決まることも珍しくなく、次の仕事を探す準備期間が十分に取れないと感じる方も少なくありません。そのため、退職が決まった段階でできるだけ早くハローワークや転職エージェントに相談し、情報収集を始めることが重要です。

特に解雇の場合は、解雇予告手当の有無や退職金の精算など、会社との手続き上の確認事項も多いため、落ち着いて一つずつ対応することをお勧めします。

 会社都合退職は転職先に自動通知されるわけではない

会社都合退職の事実が転職先に自動的に通知される仕組みはありません。

転職先が社会保険の加入手続きを行う際に雇用保険被保険者証が必要となりますが、離職理由や離職区分が転職先へ伝わることはありません。面接で退職理由を問われた際は、事実に基づきつつ前向きな言葉で伝えることが大切です。

会社都合退職であること自体を過度に気にするよりも、次のキャリアへの意志を明確に示すことが採用担当者に好印象を与えるとされています。

会社都合退職で会社側が受けるデメリット

会社都合退職は、退職した従業員だけでなく、会社側にもさまざまな影響を及ぼします。

特に助成金の受給や採用活動への影響は、経営上の重要な課題となる場合があります。

助成金の受給に制限がかかる可能性がある(対象助成金の具体例)

会社都合退職者が発生した場合、多くの雇用関連助成金の受給要件を満たさなくなる可能性があります。たとえば、キャリアアップ助成金(正社員化コース)では、「正社員化した日の前日から起算して6か月前の日から1年を経過する日までの間に、事業所内で雇用保険被保険者を解雇等の事業主都合で離職させていないこと」が受給要件の一つとして定められています。

また、雇用関係助成金に共通する要件として、「対象労働者の雇入れ日の前後6か月間に、事業主都合による解雇や退職勧奨をしていないこと」が定められており、一部の雇用関係助成金では、事業主都合の解雇等(退職勧奨を含む)が支給要件に影響する場合があります。

助成金を申請・受給中の事業者の方は、人事上の判断が助成金の要件に抵触しないか、事前に社労士や管轄のハローワークへ確認することを強くお勧めします。

解雇予告手当の支払いが必要になる場合がある

会社が従業員を即日解雇、または30日の予告期間を設けずに解雇する場合、労働基準法第20条に基づき、解雇予告手当の支払いが必要になります。この金額は「平均賃金×予告が不足した日数(最大30日)」で計算され、即日解雇であれば30日分の平均賃金が目安となります。

平均賃金は離職前3か月間に支払われた賃金総額を暦日数で割って算出します。なお、天災その他やむを得ない事由による解雇や、労働者の責めに帰すべき重大な事由がある場合など、労働基準監督署が認めた一部の例外を除き、この手当の支払いは義務となります。

支払いを怠った場合は労働基準法違反となる可能性があるため、解雇を検討する際は法的な手続きを慎重に確認することが重要です。

社会的評価・採用活動・訴訟リスクへの影響

リストラや大量解雇が外部に知れると、企業の社会的評価や採用ブランドに影響を及ぼす可能性があります。特に近年はSNSや口コミサイトを通じて退職者の声が拡散しやすく、採用候補者が企業の内情を調べる機会も増えています。

また、解雇が不当解雇として争われた場合、労働審判や裁判に発展するリスクがあり、和解金・バックペイ(未払い賃金の支払い)・復職命令といった形で企業側の負担が生じることもあります。

さらに、退職勧奨が「強制的な退職強要」と見なされた場合も同様のリスクが伴うため、会社側は適切な手続きとコミュニケーションのもとで対応することが求められます。

退職勧奨は会社都合か自己都合か?判断の基準と注意点

「退職してほしい」と会社から言われたとき、それが自分の意思による退職と扱われるのか、会社都合と扱われるのかは、その後の失業保険の受給に大きく影響します。

この点を正確に理解しておくことが、ご自身に合った手続きを選びやすくなります

退職勧奨に応じた退職は、一般的に会社都合退職になる

退職勧奨とは、会社が労働者に対して自発的な退職を促す行為を指します。労働者がこれに応じて退職した場合、一般的には「4 事業主からの働きかけによるもの(希望退職の募集または退職勧奨)」として会社都合退職(特定受給資格者)に分類されます。

退職勧奨に応じた退職は、形の上では労働者が自分で退職届を出す場合であっても、実態として会社側からの働きかけによって退職に至っているため、ハローワークの判断では会社都合と認定されることが一般的です。離職票の離職理由欄が正しく「退職勧奨」として記載されているかを必ず確認してください。

退職勧奨を受けた際、会社都合・自己都合それぞれのデメリット

退職勧奨を受けた際に、どちらの区分で退職するかによって、メリット・デメリットが生じます。それぞれの主なデメリットは以下のとおりです。

会社都合(退職勧奨として処理)のデメリット
転職面接で退職理由を説明する必要があること、自分のタイミングで退職できない場合があること

自己都合として処理された場合のデメリット
給付制限期間(原則1か月)が発生すること、所定給付日数が少なく設定されること、受給に必要な被保険者期間が12か月必要なこと

退職勧奨を自己都合として処理することに同意するよう求められても、それが実態と異なる場合は応じる必要はありません。実態に合った区分で処理されるよう、次の確認ポイントを押さえておくことが重要です。

自己都合として処理させられないための確認ポイント

退職勧奨があったにもかかわらず、会社が「自己都合」として離職票を作成しようとするケースも見られます。そのような事態を防ぐために、以下のポイントを確認・実践することをお勧めします。

point
退職届の文言を確認する

「一身上の都合により」と書かず、「退職勧奨に伴い退職します」などの表現を使用する。

point
証拠を残す

退職勧奨を受けた際の会話を録音する、メールやメモを保存するなど、事実を裏付ける記録を手元に残しておく。

point
離職票の離職理由欄を確認する

手元に届いた「離職票-2」の右側の離職理由欄を見て、「4(3)希望退職の募集または退職勧奨」にチェックが入っているかを確認する。

point
異議申し立てを行う

記載が誤っていると判断した場合は、ハローワークに証拠を持参して事実を申告する。ハローワークが事実確認を行い、最終的な離職区分を決定するため、一人で抱え込まずに窓口に相談することが大切です。

会社都合退職の理由と、自分が該当するか確認する方法

「もしかして自分は会社都合退職に当たるのでは?」と感じている方もいるかもしれません。

制度上は自己都合として処理されていても、実態が会社都合に相当するケースは少なくないため、一度しっかり確認してみることをお勧めします。

会社都合退職に該当し得る主な15のケース

厚生労働省が定める特定受給資格者の要件に基づくと、会社都合退職に該当する可能性のある主なケースは以下のとおりです。

会社都合退職に該当し得る主な15のケース
  1. 倒産(法的整理・事業廃止・事実上の倒産を含む)による離職
  2. 大量雇用変動(1か月以内に30人以上の離職)に伴う離職
  3. 会社側の事業縮小に伴う解雇・希望退職
  4. 事業所の廃止に伴う離職
  5. 退職勧奨に応じた離職
  6. 解雇(自己の責めに帰すべき重大な理由によるものを除く)
  7. 労働契約の期間満了(更新を希望したが更新されなかった場合)
  8. 給与が離職前6か月の間に85%未満に引き下げられた場合
  9. 事業所の移転により通勤往復が概ね4時間以上となり、移転通知後に概ね3か月以内に離職した場合
  10. 業務内容・勤務地・労働時間などの労働条件が事業主により一方的かつ著しく変更された場合
  11. 月45時間超の時間外労働が3か月以上継続、または月100時間超・2〜6か月平均80時間超の時間外労働が課された場合(客観的な証明書類が必要)
  12. 上司・同僚等による故意の排斥・著しい冷遇など、または事業主がハラスメントを把握しながら措置を講じなかった場合(個別判定あり)
  13. 支払期日までに賃金が支払われない状態が離職前3か月以上継続した場合
  14. 法令に違反する就業環境(安全衛生上の問題など)が改善されなかった場合
  15. 期間の定めのない雇用において、事業主から将来の雇用継続が見込めない旨を示された場合

上記に該当すると思われる方は、離職票の離職理由欄を確認し、実態と異なる場合はハローワークへの相談を検討してみてください。

残業・パワハラ・給与未払いでも会社都合になるケースとは

「残業が多い」「パワハラがあった」「給与が遅れている」といった理由での退職は、自己都合として処理されがちですが、一定の条件を満たした場合は会社都合(特定受給資格者)と認定される可能性があります。

具体的には、月45時間超の時間外労働が長期間にわたって継続していた場合、または3か月以上にわたり賃金の未払いや大幅な遅延が生じていた場合などがこれに当たります。

パワーハラスメントについては、会社に相談したが改善されなかった事実や、被害の記録(メモ・メール・録音など)が重要な証拠となります。これらの状況に心当たりがある方は、退職前に証拠を整理しておくことが、後の申し立てをスムーズにする第一歩です。

会社都合にしてもらえないとき、ハローワークへ申し立てる手順

会社が自己都合として離職票を発行しているにもかかわらず、実態が会社都合に相当すると考える場合は、ハローワークへ申し立てることができます。

STEP
証拠を収集する

退職勧奨があった際の音声・メール・業務日誌、給与明細、タイムカードのコピーなど、事実を裏付ける資料を準備する。

STEP
離職票を持参してハローワークに出向く

離職票-2の退職理由欄の記載が実態と異なることを担当官に説明する。

STEP
事実を申告する

ハローワークの担当者が詳細を確認し、必要に応じて会社側への調査を行う。申告は書面でも口頭でも受け付けている。

STEP
ハローワークの判断を待つ

調査期間中も受給資格の決定手続きは並行して進められるため、焦らず対応することができる。一人で悩まず、まずは窓口に相談してみることをお勧めします。

会社都合で退職するときの手続きと確認すべき書類

実際に会社都合退職が決まったとき、何から手を付ければいいか迷う方は少なくありません。

手続きの流れをあらかじめ把握しておくことで、退職後も焦らず落ち着いて対応できます。

従業員が確認すべき離職票・雇用保険の手続き

会社都合退職が決まったら、まず以下の書類が正しく受け取れるかを確認してください。

退職時に確認すべき主な書類

離職票(離職票-1・離職票-2)
退職後10日前後で会社からハローワークに提出され、その後本人へ送付されます。離職理由欄(離職票-2)の記載内容が実態と一致しているか必ず確認してください

雇用保険被保険者証
次の就職先での雇用保険加入手続きに必要です

健康保険・年金の切り替え書類
国民健康保険と国民年金への切り替えに必要な書類を退職後14日以内に市区町村窓口で手続きします

これらの書類が手元に揃ったら、お住まいを管轄するハローワークに出向いて求職の申込みと受給資格の決定手続きを行います。

失業保険の申請から受給開始までのスケジュール

会社都合退職の場合、一般的には以下のスケジュールで手続きが進みます。

給付制限がないため、退職からおおむね3〜4週間程度で初回の失業保険が支給される可能性がありますが、手続きのタイミングや認定スケジュールにより前後することをご了承ください。

STEP
退職・離職票の受け取り

会社から離職票が発行されます。退職後10日前後が目安ですが、届かない場合は会社の人事・総務部門に確認してください。

STEP
ハローワークで求職申し込み

離職票・身分証・写真・印鑑等を持参してハローワークへ。この日が「受給資格決定日」となり、7日間の待期期間がスタートします。

STEP
7日間の待機時間

受給資格決定日から7日間は給付対象外となります。会社都合退職の場合、この待期期間が終わればすぐに受給対象期間に入ります(自己都合のような給付制限はありません)。

STEP
雇用保険説明会への参加

ハローワークが指定する日程で説明会に参加します。受給中のルールや求職活動の進め方について案内があります。

STEP
初回認定日

4週間に1度、ハローワークで失業の認定を受けます。求職活動の実績が必要となりますので、認定日までに求職活動を行っておいてください。

STEP
初回支給

認定日から一般的に数日以内に指定口座に振り込まれます。金融機関の処理によって前後する場合があります。

よくある質問|会社都合退職の給付・手続き・転職への影響

会社都合退職と退職給付金・退職金はどう違うのか

「退職金」は会社の就業規則や退職金規程に基づいて支払われるもので、すべての会社に支給義務があるわけではありません。一方、雇用保険から支払われる「基本手当(失業保険)」は、退職金とはまったく別の制度です。

会社都合退職の場合、退職金規程の定めによって自己都合より高い金額が支給される「割増退職金」が設けられているケースもありますが、これも会社ごとに内容が異なります。

退職金の支給有無・金額については、就業規則・退職金規程を確認するか、人事担当者に直接聞いてみることをお勧めします。

パート・アルバイトでも会社都合退職のメリットは受けられるのか

雇用保険に加入していたパート・アルバイトの方も、条件を満たした場合には会社都合退職(特定受給資格者)として失業保険を受給できる可能性があります。会社都合退職の場合、受給に必要な雇用保険の被保険者期間は「離職前1年以内に6か月以上」であり、自己都合退職の「離職前2年以内に12か月以上」より緩和されています。

そのため、短期間しか働いていなかった方でも要件を満たすケースがあります。ただし、雇用保険に加入していることが前提ですので、まず自分が加入しているかどうかを給与明細や雇用保険被保険者証で確認してください。

退職後に会社都合への変更を申し立てることはできるのか

すでに自己都合として処理された離職票が手元にある場合でも、実態が会社都合に相当すると判断できる根拠がある場合は、ハローワークへの申し立てにより区分が変更される可能性があります。申し立ての際は、退職勧奨があったことを示すメールや録音、労働条件が著しく変更されたことを示す書類など、事実を裏付ける証拠を持参することが重要です。

なお、基本手当の受給期限(離職日の翌日から1年間)が定められていますので、変更を検討している場合はできるだけ早めに相談することを強くお勧めします。

会社都合退職後の健康保険・国民年金の手続きはどうすればよいのか

退職後は健康保険と国民年金の手続きが必要です。健康保険については、退職日の翌日(資格喪失日)から20日以内に、前職の健康保険組合に任意継続被保険者の申請をするか、お住まいの市区町村窓口で国民健康保険への加入手続きを行ってください。

会社都合退職(特定受給資格者)の場合、国民健康保険を選択すると軽減措置を申請できる可能性があるため、任意継続と比較して保険料を確認することをお勧めします。国民年金については、退職後14日以内に市区町村の国民年金担当窓口で第1号被保険者への変更手続きを行います。

なお、収入がない期間については保険料の免除・猶予制度も利用できる場合がありますので、年金事務所またはお住まいの市区町村窓口にお問い合わせください。

会社都合退職の場合、履歴書にはどのように記載すればよいのか

履歴書の職歴欄には「一身上の都合により退職」と記載する必要はありません。会社都合退職の場合は「会社都合により退職」と記載することが一般的です。リストラや解雇の場合も、「会社都合により退職」と明記することは事実の正確な記載であり、何ら問題はありません。

むしろ虚偽の記載は採用後のトラブルにつながる可能性があるため、正確に記載することが重要です。面接では、退職理由を問われた場合に「業績悪化に伴う人員整理によるものです」「会社の事業縮小に伴い退職しました」など、簡潔かつ事実に基づいた説明をすることをお勧めします。

会社都合退職の対応を一人で抱えている方へ

突然の解雇や退職勧奨は、精神的な負担も大きく、何から手をつければいいか分からなくなることがあります。

給付金の手続きや退職理由の確認、ハローワークへの申し立てなど、やるべきことが重なる時期に一人で全てを抱えることはとても大変です。

そのような状況でも、適切な情報と支援があれば、制度を正しく活用して次のステップへ進むことができます。

退職リトリートでは退職後の給付金手続きについて個別に相談できます

退職リトリートは雇用保険や退職給付制度に詳しい専門のスタッフが、退職後の給付金手続きについて個別で対応しています。給付金の申請手続きは必要書類が数十枚に及ぶケースもあり、「書き方が分からない」「どこに問い合わせればいいか分からない」という声は珍しくありません。

退職リトリートでは受給条件を満たしている可能性があるか、ヒアリングを通じて確認していただけます。「自分が会社都合退職に該当するか分からない」「離職票の記載が実態と違うかもしれない」とお感じの方も、まずは情報収集だけでもお気軽にご相談ください。

一人で抱え込まず、専門家のサポートを活用することが、退職後の生活を安心して立て直す第一歩になります。

※実際の手続きはご本人様がハローワークで行っていただく必要があります。受給の可否及び金額は、ハローワークでの審査により決定されます。

失業保険 総額シミュレーター

失業保険 総額シミュレーター

※計算は概算です。
正確な金額・給付日数とは異なる場合があります。

下記の表で給付日数を確認したら、上記のシミュレーターに「年収」「年齢」「給付日数」を入力してください。失業保険の基本手当日額と受給総額が自動でシミュレーションできます。

自己都合退職の場合
雇用保険の加入期間 給付日数
1年以上10年未満 90日
10年以上20年未満 120日
20年以上 150日
※表は横スクロールできます
会社都合退職・特定理由離職者の場合
雇用保険の加入期間
年齢 1年未満 1年以上5年未満 5年以上10年未満 10年以上20年未満 20年以上
29歳以下 90日 90日 120日 180日
30~34歳 90日 120日 180日 210日 240日
35~44歳 90日 150日 180日 240日 270日
45~59歳 90日 180日 240日 270日 330日
60~64歳 90日 150日 180日 210日 240日
※表は横スクロールできます

※本記事内の各種受給例はあくまでも一例であり、実際は個人の状況により異なる可能性がございます。正確な金額はハローワークでご確認ください。

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この記事を書いた人

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