
仕事を辞めたとき、「失業保険って実際にいくらもらえるの?」と気になる方は多いはずです。
失業保険(雇用保険の基本手当)は、退職前の給与や年齢、働いていた期間によって支給額が大きく変わりますが、計算方法が複雑で自分で正確な金額を把握するのは意外と難しいものです。
この記事では、最新の制度に基づいた計算方法やシミュレーション例を用いて、「自分はいくらもらえるのか?」をわかりやすく解説します。
受給額の目安や注意点もあわせて紹介するので、これから申請を考えている方はぜひ参考にしてください。
失業保険とは?

失業保険(正式名称:雇用保険の基本手当)は、会社を退職した後、次の仕事が決まるまでの生活を支えるために支給される公的な給付金です。
主に「働く意思と能力があり、積極的に就職活動をしている人」が対象となります。
退職理由や雇用保険への加入期間によって、受給できる期間や金額が異なるのが特徴です。
受給できる人の条件
失業保険を受け取るためには、以下の条件を満たす必要があります。
受給に必要な3つの条件
失業保険の種類
失業保険には主に以下の種類がありますが、一般的に「失業保険」と呼ばれるのは「基本手当」です。
- 基本手当(失業保険) 失業中の生活を支える最も一般的な給付。退職理由や年齢、勤続年数により給付日数や金額が異なります。
- 就業促進給付 早期再就職や新しい仕事へのチャレンジを後押しする給付。再就職手当や就業促進定着手当、就業手当などがあります。
- 高年齢求職者給付金 65歳以上の方が退職した場合に受け取れる一時金。通常の失業保険とは異なる仕組みです。
- 特例給付 倒産・解雇などやむを得ない事情で退職した場合に受けられる特別な給付。支給条件や内容は状況によって異なります。
- 教育訓練給付 再就職やキャリアアップのために指定の講座を受講した際、受講費用の一部が支給されます。
詳細は最新の制度情報をご確認ください。
本記事では、もっとも多くの方が対象となる「基本手当(失業保険)」の金額や計算方法について、詳しく解説していきます。
まずはシミュレーションしてみよう【自動計算ツール】

失業保険の受給額は、年齢や退職前の賃金、被保険者期間、退職理由などによって変わります。
給付日数(所定給付日数)とは?
失業保険の「給付日数」とは、実際に失業手当が支給される日数(上限)を指します。
この日数は、退職理由・雇用保険の加入期間・離職時の年齢によって決まります。
雇用保険の加入期間 | 給付日数 |
---|---|
1年以上10年未満 | 90日 |
10年以上20年未満 | 120日 |
20年以上 | 150日 |
会社都合退職・特定理由離職者の場合
雇用保険の加入期間 | |||||
---|---|---|---|---|---|
年齢 | 1年未満 | 1年以上5年未満 | 5年以上10年未満 | 10年以上20年未満 | 20年以上 |
29歳以下 | 90日 | 90日 | 120日 | 180日 | ― |
30~34歳 | 90日 | 120日 | 180日 | 210日 | 240日 |
35~44歳 | 90日 | 150日 | 180日 | 240日 | 270日 |
45~59歳 | 90日 | 180日 | 240日 | 270日 | 330日 |
60~64歳 | 90日 | 150日 | 180日 | 210日 | 240日 |
上記の表で給付日数が確認できたら、下記のフォームに「年収」「年齢」「給付日数」を入力すると、あなたの失業保険の基本手当日額と総額が自動で計算できます。
失業保険 総額シミュレーター
正確な金額・給付日数とは異なる場合があります。
実際の受給額シミュレーション例
自己都合退職・30代・年収300万円
- 年齢:35歳
- 年収:300万円
- 賃金日額:約8,219円
(300万円 ÷ 365日) - 給付率:約66%
- 基本手当日額:約5,424円
(8,219円 × 0.66) - 受給日数:90日
- 総支給額:約488,160円
(5,424円 × 90日)
会社都合退職・50代・年収450万円
- 年齢:52歳
- 年収:450万円
- 賃金日額:約12,329円
(450万円 ÷ 365日) - 給付率:約53%
- 基本手当日額:約6,535円
(12,329円 × 0.53) - 受給日数:180日
- 総支給額:約1,176,300円
(6,535円 × 180日)
ポイント・注意点
・給付率や上限・下限額は年度ごとに見直されるため、最新情報を必ず確認しましょう。
・60歳以上は計算式や上限が異なります。
・65歳以上は「高年齢求職者給付金」という別制度が適用されます。
シミュレーションで受給額の目安が分かったら、実際に失業保険を受け取るための手続きも確認しておきましょう。
失業保険の給付を受けるには、ハローワークでの申請や必要書類の提出、説明会への参加など、いくつかのステップを踏む必要があります。
次の章では、申請から受給までの流れをわかりやすく解説します。
失業保険の申請から受給までの流れ

失業保険(雇用保険の基本手当)は、自分で手続きを進めなければ受給できません。
ここでは、申請から実際に受給するまでの一般的な流れを分かりやすく解説します。
申請から受給までのスケジュール
失業保険の手続きは、会社都合なら申請から約1ヶ月、自己都合なら約1~2ヶ月で受け取りが始まります。
以下の流れを押さえて、必要な書類やスケジュールを事前に確認しておきましょう。
受給には、失業認定日ごとにハローワークで求職活動の報告が必要です。
手続きを進めないと受給できませんので、早めの申請をおすすめします。
もし「手続きが不安」「書類の書き方が分からない」「認定日のポイントを知りたい」というお悩みがある方は退職リトリートの無料面談をご利用ください。
失業保険の金額に関する注意点

1. 自己都合退職の給付制限が短縮
2025年4月以降、自己都合退職の給付制限期間は2カ月から1カ月に短縮されています。ただし、5年以内に3回以上自己都合退職した場合は給付制限が3カ月となるため注意が必要です。
2. 日額には上限・下限がある
年齢ごとに「基本手当日額」「賃金日額」の上限・下限が定められています。たとえば2025年8月時点では、29歳以下で7,065円、30~44歳で7,845円、45~59歳で8,635円、60~64歳で7,420円が上限です。
3. 給付率は賃金が高いほど低くなる
賃金が低い場合は給付率が最大80%、高い場合は50%または45%まで下がります。
4. 受給期間は退職理由で異なる
自己都合退職は最長150日、会社都合退職は最長330日など、条件によって大きく変わります。
5. その他手当も同時に活用できる
早期再就職で「再就職手当」、再就職後に給与が減った場合は「就業促進定着手当」など追加支援もあります。
6. 65歳以上は「高年齢求職者給付金」
65歳以上は通常の失業手当ではなく「高年齢求職者給付金」が支給されます。
よくある質問(FAQ)

Q1. 失業保険の金額や条件は毎年変わる?
A. 基本手当日額や上限・下限額は毎年見直されるため、申請時期によって金額が異なる場合があります。最新情報は必ず確認しましょう。
Q2. 会社都合と自己都合での違いは?
A. 会社都合退職は給付制限がなく、自己都合退職は給付制限があります。また、受給期間も会社都合の方が長く設定されています。
Q3. 退職後すぐに失業手当はもらえる?
A. 自己都合退職の場合は待機期間+給付制限があり、すぐには受給できません。2025年4月以降は短縮されていますが、条件によっては制限が長くなる場合もあります。
Q4. 手続きが分からない場合は?
A. 退職リトリートのサポートを利用すれば、あなたの条件に合わせた受給額や手続きの注意点も丁寧にご案内します。
【まとめ】
失業保険を最大限活用するために
失業保険は、退職後の生活を支えながら再就職を目指すための大切な制度です。
2025年の法改正で自己都合退職の給付制限が短縮されるなど、より利用しやすくなりました。
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制度の最新ルールや給付条件を事前に確認する 2025年4月から自己都合退職の給付制限が1カ月に短縮されるなど、法改正でルールが変わっています。最新情報を必ずチェックしましょう。
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受給額や期間、必要書類をしっかり把握して準備する 離職票や本人確認書類、通帳など必要書類は早めに準備し、申請手続きをスムーズに進めましょう。
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不安や疑問があれば「退職リトリート」のサポートを活用する 制度や手続きに迷ったら、専門サポートを利用することで安心して申請できます。
失業保険の手続きや受給条件は複雑な部分もあります。正確な情報やスムーズな申請のために、専門サポートをぜひご活用ください。
退職リトリートなら、あなたの状況に合わせて失業保険の手続きや活用方法を丁寧にサポートします。